勇気ある者【Ⅰ】
ー注意ー
煽り虫は火山・噴火について、詳しく知りません。それに伴い、物語に矛盾が出ると思います。予めご了承下さい。
ホンワカボッボ山〜
ガンクプフルにあるこの山はかつて、小規模ながら噴火を繰り返す火山であった。しかしある日からパタリとその活動をやめ、地熱による恩恵を山の麓にいる住人に分ける山へと変わった。そんな山の中腹地点に意図的に積まれた石がある。その石の周りには常に色取り取りの美しい花が咲き乱れている。積まれている石には文字が彫られているようだ。
【この山を更生し 勇気ある者 眠る
彼の魂が苦しむ事なく 旅立つ事を 未来永劫 願う】
どうやら死者を祀る墓のようだ。勇気ある者とは誰なのか?少なくともオッサンではない。
…だが、オッサンは知っている。その者が誰なのかを
ホンワカボッボ山
X年前〜
『噴火するぞー!逃げろー!』
この山の麓の住民は、常に山からの噴火の被害に悩まされていた。噴火すれば、噴石が飛び・火山灰が舞い・火山ガスが辺りを包む。原因は火山の奥に眠るドラゴンとも言われているし、地質柄的に仕方がないとも言える。
そこに現れたのが勇者の血を引く【ワインレッド・グレープ・ゴージャスティス】のパーティだった。
『ワインレッドさん、ここがホンワカボッボ山です』
『コホ、煙いな…』
『はい、ここは常日頃から噴火の被害に遭う場所ですから』
『全くあの方も困ったものだ。ホンワカボッボ山にある鉱石【キャンディレッド】が欲しいなんて』
『仕方がありません。魔道具の回路を書くには、必要不可欠なのです。それにここの鉱石は不純物が少なくていいそうですよ』
『わかったよ、オッサン。お前はガイドかってーの、サクッと行こうぜ〜』
パーティ一行は、山を登っていく。
〜〜〜
火口付近…頂上に近付くと、空気が薄いにも関わらず段々と暑さを感じてきた。尖兵であるオッサンは、暑さの耐久力が上がるポーションをパーティメンバーに配る。そして、魔法使いによる魔法でゆっくり火口の中を降りていく。
『ポーション飲んでてもあっちぃな』
『あついですぅ』
『あつ』
『ワインレッドさん。鉱石を発見したのですが…』
尖兵が先に偵察し鉱石の場所を探し当てた。当てたのだが…
『なん…じゃこりゃぁー!!』
そこに鉱石は確かに有った。それも大量に。だが…
『こりゃあヒデェ…』
キャンディレッドはマグマのエネルギーを蓄えた鉱石で、より高温のマグマの近くにあれば品質は上がる。しかし、そこには後先考えずに採掘された跡があったのだ。しかも、鉱石以外の屑岩はキチンと処理されずそのまま放置されていたのだ。その結果、マグマの流れに急な変化ができたり、処理されていない石がマグマに落ちるたびに小さな爆発が起き…噴火していたのだ。
『まさか山の噴火の原因がこれとはな…』
『ワインレッド〜早く採ってかえろ〜』
『かえる』
『あ、あぁ』