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これですね。あれですか?  作者: 高端 渡
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猫のお祭り 4

次で猫のお祭りは終わります。

 楽しみを奪われた時、あなたは怒りますか、泣きますか、諦めますか、それとも何も感じませんか。私は泣きます、泣いて泣いて泣いて泣いて、忘れます。

 平凡な人生に泣きながら私はいいきかせます。

  「私の人生にある刺激はきっと裏切る」と、


 アイツとは前回会ったとき以来、連絡を取っていなかった。だからアイツがこの件について、どこまで推測を進めているかは知らない。連絡が来たということはアイツは推測を完成させたのだろう。どんな面白くて非現実的な推測を語ってくれるのだろうか。間違っていたらドヤ顔で答え合わせをしてやろう。


 アイツに会うといつも通り、いきなり話を始めた。私としては犯人の裁判で裁判員になった事も言ってなかったので、話しておこうと思ったのでひとまず話を止めてその事を話した。


 アイツは少しも顔を変えずに、人づてに聞いたから知っていると言ってきた。その上でアイツは自分の推測の答え合わせがしたかったらしい。自信過剰なのかとほんの少しばかり思ったが、アイツが自信に満ちているのはいつもの事なので気にしないことにした。


 アイツは推測を最後まで聞いてから間違いを指摘してくれと言うとすぐに推測を語り始めた。

「まず、犯人が猫を殺した理由は実際に人を殺す準備では無く、ただ野良猫が増えてきて邪魔だったからだろう。猫の手足を切る程度の大きさでは、人を殺すのは難しい。

 また、猫の死体はあの場所に捨てられた物だけでなく別の場所にもあるだろう。1度捨てた場所にもう一度捨てたのは猫の死骸を君が拾ったからだ。」

 

「次に、どうやってあの切り口を作ったのかだが、恐らく偶然だろう。犯人は猫を殺すため自作の罠を作った。その罠によって出来たのがあの切り口だ。これは前の時からそうなのではないかと考えていた。実際に僕も実験室で作ってみた。

 仕組みとしては単純で猫が上に乗ると、猫の重さで沈み逃げられないよう底にトリモチを付けておく。そして確実に殺せるよう三つの刃で手足を切断したのだ。そして止めとして脳天に重りをぶつける。多少は違うかもしれないがこんな所だろう。最後の止めは死骸を解剖したところ頭蓋骨が陥没していたからだ。まぁ、今回は関係ないがね。トリモチは分からないが確実性を上げるためにそれぐらいはしたのではないかな。ここまでで何かしんもんはあるかい。」

 

 私は大したものだと思ったが悔しかったので、

「犯人は死骸がないからと言ってもう一度同じ場所に死骸を棄てるぐらい馬鹿なのに、そんな罠を作ろことが出来るのかい」と聞いた。


するとアイツは

「それならば、ニュースでもやっていたし君も当然知っているだろうが、犯人は工場それも刃物を扱う工場に勤務していたんだ。罠を作るのなら得意分野を生かせるものにするんじゃないかい。喉が乾いた、続きはコーヒーでも飲んでからにしよう。」などと余裕を持って返してきた。


 

 


 

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