猫のお祭り 3
あなたは迷ったときはどうしてますか。
困りますか。喜びますか。とにかく進みますか。
私は逃げます。ずっと逃げます。それでもダメな時は諦めます。
苦悩に焦がれながら私は問おう
「あなたはどうして笑えてますか」
私は人生で初めてと言ってもいい好奇心を持ったが、それでも普段の生活というものがある。私は今も密かに考え込んでいるであろう、アイツよりもはやく謎を解いてやろうと気持ちが高ぶって仕方がない。今の仕事に不満がないことも無いが、充実感もある。ゆっくりと焦らずに考えていこう。
最近は仕事も身についてきた。後輩もできたので先輩として頼ってもらえるよう、頑張っていかなければ。暇なときにあの猫について考えながら、そこそこに忙しい日々を送っていた私は普通ならば忘れないであろう事を忘れてしまっていた。そう裁判員の事である。
裁判員に決まったからといっても、裁判員裁判が行われる凶悪犯罪が行われない限りあまり関係ないことだ、そう思っていた部分もある。
私は裁判員として招集をかけられた。事件の内容としては、最近耳にすることが多くなった、殺人事件だ。ただし今回の事件ではあまりにも死体が奇妙だった。私は正に神の導きだと思った。死体があの猫のものと酷似していたのだ。
私は裁判員としての使命を真面目にこなした。そんなある日犯人と直接話をする機会を私は得たのだ。私は何故殺したのか、どのようにしたのか、そしてあの猫は何なのか話を聞いた。犯人は猫の話をした時驚いていたが、なんの勿体もつけず私の質問に答えてくれた。
犯人の話を聞いた私は軽く失望を抱いた。失望を抱いたといってもそれは軽いものであり諦めのようなものだ。ただ、私は刺激を欲するあまりに夢を見すぎていたのだと。私はその後も真面目に最後まで裁判員としての使命をこなした。もちろん、普段の仕事について今までと同じように頑張った。そんな時だ、アイツから連絡が入ったのは。




