第5話 白銀の狼
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とある山をゆっくり歩いて下りている五人の少年がいた
「ハクリュウ、もうすぐ人間の国に着くわけだが…そろそろ機嫌を直してくれ」
「……」
ハクリュウはギルの言葉に無言で返す
そんなハクリュウを見たギルはガクッとうなだれる
そのギルをシロ、クロ、リオが慰めるという事をここ数時間ずっと続けていた
そんな場所へ飛び込んできたものがいる
白銀の狼だ
その狼を見たハクリュウは怯えず逆に嬉しそうに笑って言った
「…こっち、おいで」
しかし、狼はその場から動かない
それを見たハクリュウはシュン と音が聞こえそうなほど悲しそうな顔をした
その姿に何を思ったのか狼はハクリュウの前まで移動して腰をおろした
ハクリュウはすぐに笑顔になり狼の背に乗り狼の毛を今までの苛立ちを消すように十分程撫で続けた
そして満足したのかハクリュウは狼にお願いをする
「…向こう、連れて…いって」
「ガルゥ?」
と心配そうにハクリュウへとなく
「お願い…」
「…ガルルウ」
仕方なさそうにしながらハクリュウを背から落とさない様に瞬時にその場を移動した
その場に残された四人がハクリュウが居なくなったのに気付いたのは30分も後の事だった