Satellite.1-3
今回は短めです|д゜)つ[申し訳ない]
スタンビートの位置を衛兵まで聞きこみにいった。
その結果、敵は北西の城壁から着ていることがわかった。
俺たちは城壁をでて、近くの平原まできていた。
そして確認のため、望遠鏡を覗く。大量の魔物が蠢いていた。
魔物にも種類はある。
ARMEDより大型な鋼の巨人の胎児級、
小型な大きさでありながらあらゆるものを一筋の光で焼き尽くし、
近づけば2つの鋏で敵を圧殺する蠍型の熱戦級、
前面を頑強な鉱物で覆った鎧で相手を轢き殺す虫型の甲級、
人と同じ大きさでありながら、鋼鉄すら噛み切る歯をもち、
獰猛で全てを喰らい尽くす軍隊級。
そしてARMEDの搭乗者に寄生し、搭乗者ごとARMEDを支配する支配級がいる。
これらはどこで生まれ、どこに消えるかは今のところわかってはいないのだ。
わかることは一つだけ。
人を見つけたら殺すことだけだ。
「敵は胎児級4、甲級30、軍隊級は大量、更に支配級4と熱戦級5ときたか。」
「あの、言っておいてなんですが、行けますよね?」
「俺のステータスをアナライズしたんだろう?ならわかるはずだ。」
俺のステータスは残念だが、そこそこはやれるぐらいは強いはずだ。
例え1年以上実戦を経験してないにせよ。
「そういえば、ポジションはなんだ?それ次第で戦い方を変えなければいけないが…。」
「えっとポジションは指揮官です。一応シューターもいけますが…。」
コマンダー。戦場の指揮者。
これが有無で戦場も変わってくると言われているポジションだ。
俺はこのポジションに奇妙な既視感を覚えた。
だが関係ない。今はあるものを把握して、事をすすめるだけだ。
「なら指揮を頼む。ただ駒はアサルトの俺一人だけだ。
はっきり言って手が足らないからシューターも兼任してくれ。
援護をしつつおれに指示を出してくれ。今回は従う。」
「わ、わかりました。私もできるだけ指示を出しますのでちゃんと動いてくださいね。」
あえてその言葉は無視した。俺は腕に付けた腕輪の飾り──ホルダーを外し、自らの愛機の名を告げる。
「心改」
ホルダーを放り投げる。そしてホルダーが開放され、本来の姿が空間から顕現する。
黒きARMED──心改。
久しくみた愛機に心が落ち着く。この機体は思い出の詰まったものだ。
相棒と二人で乗り回した、様々な思い出が。
遠くから何度も呼ぶ声がする。
「お~い、クラウスさ~ん?」
「うん。どうした?」
「何回も呼んだんですよ?クラウスさんずっと自分のARMEDみてるだけなんですもん。」
どうやら思い出に浸っていたらしい。いつの間にか彼女は自機に乗り込んでいたらしい。
サンドブラウンの機体に、背部に管制ユニットβを装備した指揮用のARMEDだ。
俺も心改に乗り込む。腕をユニットに差し込み、
そして肩と首に制御用アンカーが刺さりパイロットは身体を固定される。
ARMEDはこうして、制御アンカーから魔力を吸い、機体全体に魔力を流すことで起動する。
深呼吸する。久しぶりにやるのだ。緊張で腕が震える。
それに応えるように心改も呼応する。
「指揮官、作戦はどうする?」
「敵の数は不明。それでもやらなければいけないです。なので、時間稼ぎを目的としましょう。
流石に迷い人たちもこの街の危険は放っておけない人も多いと思いますので。
なので私達の目的は脅威となる大型、中型の魔物を狩りましょう。
そうすれば衛兵でも対処はできると思います。なのでクラウスさんは、私の指示範囲で戦って下さい。」
「指揮範囲は?」
「スキルもあるので半径45メートルです。」
「なら十分だ。」
あとはたどり着くまで待つ。
敵が大量だろうがここで迎え撃つ。ただそれだけだ。