からの即答
「お金が必要だと思うんだ」
そろそろ10時になろうかという頃、出来上がったばかりのおにぎり(さや姉は何故かすごく感動していた)を教室でみんなで頬張りながら、僕はそう口を開いた。
「昨日、買ってきた食材はほとんどなくなった上に初日からデリバリーのピザを頼むという失態を犯してしまった。残されたお金は2万円とちょっと。あと2ヶ月半を過ごすにはあまりにも足りないと思う」
「確かにね」
僕に同調するように会長が言う。
「このまま無計画にいけば、確実に今週で私達の活動は終わるわ。ならば、どうすればいいか分かるわよね?」
言って、さや姉達三人を視線を投げ掛ける。
「え、うん」
米粒を口元に何個もつけたさや姉が生返事をする。これは絶対に聞いてないな……
いや、返事をしただけマシなのかもしれない。なぜなら、他の二人は返事すらせず、黙々とおにぎりを頬張っているだけだった。
「よし、返事しないやつはあとで……」
やけに細く、野太い声で会長が指をボキボキと鳴らしながら、そう呟く。
「「は、はい!!」」
すると、返事をしなかった咲耶と由良の二人は慌てて、姿勢を正し、正座までして話を聞く体制に入る。会長を怒らせると後が怖いのをこの二人は身をもってよーく知っているからだ。
「はぁ、つくづくなんでこんなメンツしか集まらなかったのかしらって思うわ……」
会長は頭を抱えながら、ため息混じりにそんなことを言う。
「あはは……」
それを聞いて僕は苦笑するしかなかった。彼女らがここにいるのは他でもない、僕のせいだ。
それが嬉しくもあり、同時に申し訳なくもある。
「で、お金が必要って話だっけ?」
おにぎりを食べ終えたさや姉が脚を組み、近くにあったイスに座った。長い、スラッとした脚が視界に入って思わず、ドキッとする。
「そ、そうそう。で、そのことについて話し合いたいんだ。といっても、解決策は一つしかないと思うんだけどね」
「つまりは、バイトか」
僕の考えていることを由良が口に出して言う。由良はこういう人の考えてることを当てるのが得意だ。
まぁそのせいで、色々とあったりするのだが……
「うん。5人いるから、週に1回、バイトに出るだけでかなり稼げる。だからみんな、協力してくれる?」
「えー、めんどい」「やだ」「無理」
すると、口を揃えて三人とも即答だった。




