表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

2

期末考査期間なので、しばらく更新できません

すみません

 明音はパジャマ姿のまま、青年に会議室まで運ばれる

 ぶっちゃけ自分で歩くのに何ら問題なかったが、どう伝えればいいか分からなかったため、黙って運ばれていた

 その間、恥ずかしすぎてずっとうつむいていた(二人には笑われてしまったが)

 会議室の前まで来て、ようやく明音は青年の腕から降りる

 前後にイケメンを固めながら、頭はパニックだった

 何をどう説明しなければならないかが明音には分からなかった

 ガチガチに緊張している明音など気にしていないかのように、前に立つ男の人はさっさとドアを開けてしまう

 ここで一つ言うと、明音はこの時点で逃げ出すことは可能だった

 が、あまりにも現在地付近は複雑で―おそらく、城らしき場所なのだが―土が足に届くには大分かかりそうだったため、早い時点で諦めた

「さ、姫君」

 後ろの青年に背を押され、半ば無理矢理部屋に入らされる

 部屋の中には十数名の男性と数名の女性が座っていた

「陛下、そちらが?」

 その場にいる誰よりも上座に座る青年が、明音の腕を掴み、引きずりながら悠々と部屋を歩く男の人に声をかける

『っ、ちょ…』

 転けそうになりながら、どうにかついていく明音を部屋にいる者たちは興味深く見つめる

「陛下、明音様が転けそうになっとりますよ」

 初老の男性が呆れたように呟く

 名前を呼ばれたような気がした明音は、その男性をじっと見る

『私の顔に何かついていますか?』

 辿々しくだが日本語でそう聞かれる

『え…日本語話せたんですか?』

『ああ、すみません、もう少しゆっくり話してください。私はあまり日本語が上手ではありません』

 困ったように微笑む男性は、

「さあさ、陛下、殿下、お座りください。説明ができませんぞ」

「ええ、そうですね」

 青年がイスを引き、座るようにジェスチャーで明音に促す

 ペコリと礼した後、席につく

 部屋に入った直後に声をかけてきた青年の向かい側で、彼の隣には日本語を話す男性、明音の隣には当然のように王子様系のあの青年がすわる

「ベン、説明は頼みます」

 上座、俗に言う誕生日席に座る陛下は、のんびりと仕事を押し付ける

「分かってますよ、陛下」

 呆れの表情で彼を見たべネット・マクレイヤーは明音に向き直り、

『初めまして。私の名前はべネット・マクレイヤーです。あなたは明音様ですね?』

『は…はい』

『あなたはここがどこだかわかりますか』

『いいえ。でも、日本ではないことはわかります』

 明音の答に、満足そうな表情でべネットが頷く

『あなたは気になっているでしょうから、私が説明します。聞いてくれますか?』

『え、ええ。聞きます』

 こくこくと明音が頷き、

『あなたは何が一番知りたいですか?』

『説明するんやないんかい』

 説明する、と言いながら、あっさり質問してきたべネットに、明音が小さく突っ込む

『!それはもしや、突っ込みではないですか?明音様の故郷では、挨拶のように交わされると言う!』

『何で!?誰ですか、そんなこと教えたの!』

『おや、違いますか?』

『突っ込みは突っ込みだけど、挨拶のように交わされるわけではありませんっ』

『おや…』

 少々残念そうな老人に、罪悪感が込み上げるが、日本が変なところだと思われては困る

 明音は心を落ち着かせ、周りの人にじろじろ見られながら、それでも気にせずに口を開く

『ここはどこですか?』

『アイオーン王国の都、ルーメンにある王宮レーギアです』

『は、し、城!?』

『いえ、王宮です』

『どっちも同じです!……えっと、すみません、私アイオーン王国って知らなくて…』

『ああ、仕方がありませんよ。異世界ですから』

『ですよねー異世界なら知らなく………ん?…………………は?………え、すみません、何ておっしゃいましたか?』

『おっしゃいましたか、はどう言う意味ですか?』

『〝言いましたか〟と言う意味です』

『なるほど……ああ、仕方がありませんよ。異世界ですから…と私は言いました』

『は……はは…あはははは……………………はあぁ!?』

 明音のおつむはフリーズ中


『えと…つまり、私は神託で王になることが決まっていて、それで…え…あの、これ、決定事項ですか?』

『ええ、大丈夫ですよ、明音様。先代の王や歴代の異世界の王たちも初めは戸惑いながらも、皆様とても素晴らしい王でした』

『そ、そうなんだ…や、でも、私ができるかどうかは』

『それは私ども、側に使える者の敏腕の見せ所です』

『いや、あの、それは…そう言う問題じゃない気がするんだけど…』

『ふむ、まあ、お気になさらず。私どもはあなたが良い王になると確信しています』

『確信されても困るんだけど…』

『一週間後、戴冠式をします。楽しみにしていてください』

『いや、待って待って』

 にこにこと嬉しそうなべネットに、明音が待ったをかけるが、

「さあ、説明は終わりました。後は’ご加護’があるのを待ちましょうぞ」

 聞いていなかった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ