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静かなる老人  作者: めけめけ
あとがき
32/35

震災直後

以下、震災直後、3月13日に書いたブログです。



皆さんご無事ですか?


ワタシは地震が起きた際、仕事で世田谷は豪徳寺まで行っていました


あ、また余震……


その場ではあまり何がどうなっているのか、情報が断片的だったのでわからなかったのですが、


携帯電話が通じない

交通機関の麻痺

情報の不足


に伴い、仕事で外出している人が指令系統、移動手段を失い、僅かでも可能性のある選択肢に集まるようになります


公衆電話に並ぶ

タクシー乗り場に並ぶ

バス乗り場に並ぶ

主要な交通機関がある駅に集まる



こうして都内の機能は一気に麻痺状態になりました



そんな中で、ワタシが見たもの


我先と人を押しのけて先を進むもの

誰かを気遣い、ともにこの場を耐えしのごうとするもの

ただ黙して何も語らず、何も見ないもの

すべての情報に脊髄反射し、何も考えないもの

助けを求めるもの

手を差し伸べるもの


ワタシはこの光景を忘れない

非日常の入り口は、必ずしも自らが開けるものではない

突然放り込まれた非日常は様々な風景を見せる


ワタシはこの光景を忘れない

人は万能でもなければ、性善説は通用しないし、性悪説は信じられない

しかし、そこに自然と善は存在し、普通に悪は存在する


ワタシはこの光景を忘れない

この殺伐とした空気の中の、どこか心温まる人のやさしさを

この思いやりの連鎖を断ち切るような、どうしようもないエゴを


ワタシは忘れない

家族と連絡が取れない不安


ワタシは忘れない

家族に会えたときの安らぎ


ワタシは忘れない

ワタシの体験が特別なことではないことを

そして、テレビ向こう側は、同じ陸でつながり、同じ風が吹いていることを


ワタシは忘れない

まだ、一度もあったこともない方とのつながりに、心励まされたことを


ワタシは、忘れない





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