表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/77

実戦

街での修行中、エルナの新必殺技を試しにシルヴィアの森でブライア・キングという魔物に挑みに来た。


「あれか?」


「うん、間違いないわ」


「エルナ、頑張って」


黒く爛れた大木のような体を持つ“ブライア・キング”が、雄叫びと共に地を這う棘を伸ばす。

一撃で鋼鉄をも砕くその蔦が、カイたちを狙い地面を薙ぎ払った。


「くっ、強すぎる……!」


カイの剣が何本もの蔦を薙ぎ払うも、攻撃は止まらない。

ノクスも影を駆使して反撃を試みるが、敵の再生力と呪いの瘴気に阻まれていた。


「このままじゃ、持たない……!」


エルナは深呼吸し、一歩前に出た。

自然魔力が渦を巻くこの森でなら、今の自分にできる。


「——やるしかない。私の矢で、戦場を変える!」


エルナは弓を構え、膝を地につけ、精神を集中させる。

その瞬間、周囲の風が凪いだように静まり返った。

エルナの体が光に包まれ、背後に無数の光の矢が浮かび上がっていく。


「ファントム・バラージュ——発射!」


弓を引く動作とともに、無数の光の矢が空を裂いた。

青白く煌めく矢が、星屑のように黒茨の王に降り注ぐ。


一瞬、ブライア・キングの動きが止まり、その巨体が痙攣する。


「効いてる……!」


矢が命中するたびに、茨の動きが鈍くなり、蔦の伸びが止まった。

敵の魔力が乱れ、回復力も低下していく。

視覚が曇り、重力が増したかのように動きが鈍重になる。


「今よ、カイ!」


「——ああ! プロミネンス、展開!」


燃え盛る斬撃が、黒茨の王を貫いた。

ノクスの影槍も、敵の防御の隙を突いて穿つ。


轟音とともに、黒茨の王がゆっくりと崩れ落ちた。


カイが息を整えながら、エルナのほうを見る。


「エルナ……すごい技だな……!」


エルナは微笑んだが、その足は震えていた。


「……魔力、結構持っていかれた……今の私じゃここまでしか扱えないみたい」


彼女の手には、まだ光の残滓が漂っていた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ