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ノクスの新技とエルナの新能力

《シルヴィアの森》への道中。

カイたちは、深い霧に包まれた谷間のミルディアに立ち寄ることとなった。

しかし、その村では――影が人を襲うという不可解な事件が続いていた。


◆村を包む“黒影”

夜。宿屋に泊まったカイたちは、村人の悲鳴で飛び起きた。


村人:「ひ、ひとかげが勝手に動いて、息子が……っ!」

エルナ:「影が……人を襲う? そんな魔法、聞いたことない……」

ノクスの顔が険しくなる。

彼は何かを感じ取ったように、静かに宿を出た。


ノクス(心の声):「この影の感触……まるで、誰かが“影界”を操ってる」

村の裏手の谷に降りると、そこには黒いフードの男が立っていた。

彼の足元には、影がまるで生き物のようにうごめいている。


謎の男:「影に抗う者に、影の裁きを。闇に光は不要だ」

ノクス:「……やれやれ、影を弄るには、影を知るべきだな」

◆ノクスの新技「影移し(シャドウ・シフト)」

男の影が襲いかかる。空間を断つような鋭い刃がノクスをかすめた瞬間――


ノクス:「“影移し”――」

彼の足元の影が一瞬波打ち、ノクスの姿は男の背後に現れた。


ノクス:「……影の裏側に、僕はいる」

振り返る男の手から放たれた黒い魔弾。その弾はノクスが足元に作った影へと吸い込まれ、全く別の場所の地面から噴き出し、空を切る。


ノクス:「敵の技も、影を通せば無力化できる」

エルナ(遠くから):「あれって……ノクスの新しい技……!」

カイ(唸るように):「ああ……“空間の影”を自在に操る……!」

◆影を裂く一閃

だが敵は、村の人々の影と自身を繋げることで、ノクスの行動を封じにかかる。


謎の男:「貴様が影に入るなら、人の影ごと葬ってやろう」

ノクスは一瞬、足を止めた――が。


ノクス:「……だったら、影ごと包む」

彼は自らの影を拡張し、広範囲の地面を闇に染める。

そして次の瞬間、敵の攻撃を自身の影に吸収し、その出現位置を操作して逆方向に跳ね返す。


ノクス:「“影返し(シャドウ・リバース)”。技も軌道も、僕の影の中では思いのままだ」

奇襲を受けた男はよろめき、そこへ――


カイ:「行くぞ!」

エルナ:「合わせる!」

カイのプロミネンスが突き刺さり、エルナの《エルナ・エクリプス》が影を貫いた。


謎の男:「ぐっ……なぜ……影の使い手が、お前のような……!」

ノクス:「影に溺れる者は、光を知らない。僕は……“その先”を行くよ」

男は影に飲まれるように消え去り、村には再び静けさが戻った。


《シルヴィアの森》への道すがら、カイたちは“忘れられた神殿”と呼ばれる苔むした遺跡を発見する。


ノクス:「ここは古の魔導研究施設……残留魔力がまだ濃いな」

カイ:「まるで“スキル”そのものを研究してたような場所だな」

神殿内部に踏み入ったエルナは、なぜか遺跡の魔力に呼応するように手が震えた。

そして、奥の間に飾られていた一対の弓――片方が崩れかけたそれに、自然と手が伸びる。


エルナ:「……なんだろう、この感覚」

触れた瞬間、弓は微細な光粒子に変わり、彼女の意識に“記憶”のような映像が流れ込む。

それは、失われた魔術のひとつ――


◆スキル《ミラージュ・クラフト》――物質複製魔法

『対象を視認・触知し、魔力でその構造と特性を解析。自身の魔力を素材とし、完全複製体を生成する』

エルナ(驚き):「つまり……魔力さえあれば、武器でも、道具でも“もう一つ”作れる……!」

その場にいたノクスが冷静に付け加える。


ノクス:「ただし、“複製するものと同じだけの魔力を消費する”ようだ。むやみには使えないな」

カイ:「……だが、使いどころ次第で、戦略の幅が広がる。お前にピッタリだ」

彼女は実験として、自身の矢を一本、静かに取り出し、魔力を集中する。


エルナ:「〈ミラージュ・クラフト〉……矢、複製――!」

シュウッという風のような音と共に、手のひらの上に“もう一本”全く同じ矢が出現。

だが直後――膝をつく。


エルナ(息を切らせ):「たった一本でこれ……かなり魔力を持っていかれる……」

ノクス:「つまり、矢なら連射できるが、武器など大物を複製するには覚悟が要るな」

エルナは立ち上がり、微笑んだ。


エルナ:「……でも、選択肢が増えたのは嬉しい。これなら、今までに無かった“意外な一手”が撃てるかも」




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