表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/77

過去の叡智

場所は、天空に浮かぶ要塞《オーダ・セラフィム本部》——

七人の監視官たちが集う“神律の間”では、巨大な結晶球に映された森の映像が流れていた。


「……確認されたか。未登録のスキルコードが世界に顕現した」


低く、重い声が響く。


「場所は第九区域。辺境のカナル。使用されたスキルは、推定で3つ。すべて未知の構造。既存の系統に分類不能。」


結晶球の中心部には、少年が右手に炎を灯す姿——リクの姿が映し出されていた。


「これは……創造系、か?」


別の監視官が言った。

声にわずかな恐れが滲む。


「……否。ただの創造系ではない。“創造の起点そのもの”だ。コード指定、《S級危険存在・原式オリジン》」


場が静まり返る。


この世界では、すべてのスキルは“世界の根幹コード”に登録された上で使われる。

これは、Dr.オーダが古代の叡智で構築した「スキルコード・ネット」という網のようなもので、スキルを使うたびにその情報が“微弱なコード波”として浮上する。


本来なら、登録済みのスキルはこの波をスルーする。

だがリクのように“未定義かつ創造されたばかりのスキル”は、存在した瞬間に世界コード網の中に“ノイズ”として発生する。


つまり、リクのスキルは使った瞬間に、


『規定外コード発生:コード未登録。分類不能』

という異常信号を世界中に響かせた。


これが、Dr.オーダの“感知結晶”に即座に捕捉されたのだ。


◆ 創造スキルには“観測の痕”が残る


スキルクリエイターの能力は、他のスキルと根本から違う。

通常はスキルを「使う」だけだが、リクは「定義して生み出す」。

そのとき、“世界の法則そのもの”を書き換えるため、時空間に「歪みの痕跡」が残る。


これは、特別な感知役職「時律観測士」だけが検知可能。


──今回、カナル村周辺に観測された“法則の軽い揺れ”が、彼らの注意を引いた。


◆ :過去に“似た存在”を記録していた


Dr.オーダは100年前にも、一度だけ“スキルを創った”少年の記録を保持している。

そのとき、彼のスキルは最終的に時間を操作する能力へと至り、世界にひび割れを生じさせた。


彼は処分されたが、彼が遺した「起源のコード」は監視対象にされており、

今回リクのコード波がそれと類似していたため、即座に“起源級存在”として分類された。


決議と命令


「これは放置できぬ。リク=フォルナは、“世界そのものを書き換える存在”だ」


「処分か?」


「否、まずは確保。“コード抽出”を行う。魂と精神を解析すれば、創造の式を複製できる」


「……仮に拒めば?」


「そのときは——世界に還してやろう」


監視官たちが静かにうなずく。


やがて、仮面の男が膝をついた。


第六監視官ヴィクトール、出撃を請う」


「許可する。対象の排除と回収は、君に一任する」


男は、淡々と立ち上がった。


「創造の起点に、終焉を——」


そして、再び森に、影が落ちた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ