ウザさにはウザさで対抗しろ
~テニス部~
加藤「あっつ~~」
志村「マジで溶ける…」
荒井「おい遅いぞ1年!!あと坂道ダッシュ10セットだ!!」
加藤「うえ~~」
志村「ゲロ吐きそう…」
荒井「加藤と志村、さっさと走れ!!」
~10セット終了後~
加藤「はあはあ…」
志村「マジで死ぬ…」
荒井「ホントに情けねえなお前らは。この部活に入ってもう半年はたつのに、まだこの程度のメニューも余裕でこなせねえのか…」
加藤「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいよ…」
志村「この炎天下ですよ…?死ぬのはしょうがないでしょ…」
荒井「体力もないしテニスは下手。まったく何のためにうちの部活にいるんだか…」
加藤・志村「「イライライライラ」」
加藤「あのですね、俺達まだ半年しかやってないんですよ?」
志村「そーですよ。そんなすぐうまくなれませんっつーの」
荒井「半年たったらそれなりに先輩にも食らいつけるんだよ。それなのにお前らときたら全く相手にならない。センスが無いとしか言いようがないねえ…(笑)」
加藤・志村「「イライライライラ」」
荒井「お前達は、そんな下手くそセンス0の癖に態度だけはでかいからな。この俺が立場をわからせてやってるって訳よ。」
加藤「態度がでかいのは、荒井先輩に対してだけですよ」
志村「そうですよ。そっちが滅茶苦茶ウザいからですよ」
加藤「俺達、仲本先輩とかにはめっちゃ態度いいっすもん」
志村「先輩がウザすぎるから、こうやって反抗してるんすよ」
荒井「ほう…全て俺のせいだと言いたいのか…??」
加藤・志村「「はい!!!!」」
荒井「本当に清々しいクズ共だ。俺はお前達と違って体力も技術も圧倒的にあるんだぞ?黙ってついてくればいいんだよ!!」
加藤「じゃあ、証明してください!」
荒井「あ??」
志村「体力あるとこ見せてください」
加藤「炎天下の坂道ダッシュで」
志村「先輩なら余裕でこなせるんですよね??」
荒井「…いや、俺はお前達雑魚どもと違って、テニスの練習をしなきゃいけないからさ」
加藤「え?逃げるんですか?」
志村「まだお手本見してもらってないですよ?」
荒井「まったくお前達は…ゴミカス1年の癖に本当に生意気だな…」
加藤「ゴミカス1年!?」
志村「ひでえ言いわれようだ!!」
荒井「文句言うなら、いっちょ前にテニスがうまくなってから言いやがれ(ドヤ顔)」
加藤・志村「「イライライライラ」」
荒井「じゃあ1年は球拾いだから。さっさと行けバ加藤とアホ志村」
加藤・志村「「イライライライラ」」
荒井「ほらキビキビ動きやがれ!!」
加藤「パワハラ野郎め…」
志村「マジで覚えてろ…」
加藤「チックショー。マジでムカつくわアイツ…」
志村「それな。大してうまくねえ癖に偉そうに…」
加藤「この前アイツ、浜田にボコボコにされたらしいよ(笑)」
志村「マジで!?ダッサ。1年に負けとるやん(笑)」
加藤「しかもその時の言い訳がさ、「今日は膝の調子悪いわ。腕もちょっと痛い」「太陽がまぶしくて球がよく見えねえわ。あーー夕方にやればよかった…」とかベラベラベラベラ言い訳を並べてるのよ(笑)」
志村「アハハ!!ガチでダッサ!!(笑) 太陽を言い訳にするとか、あいつもう昼練できねーじゃん(笑)」
加藤「それな。典型的な雑魚先輩(笑)」
志村「なのに偉そうにしてるのマジで腹立つ」
加藤「マジで見返してやろうぜ」
志村「それな。でもどーする?シングルスじゃ絶対勝てねえし…」
加藤「そうだな。俺達まだ始めて半年だからなあ…」
志村「なら、ダブルスで勝負するとかは?」
加藤「いいね!あいつシングルス専門だし、ワンチャンあるかも!」
加藤「…それによ、志村。ちょっと耳貸せ」
志村「なんだ?」
加藤「ゴニョゴニョ」
志村「お前は天才だ!!」
加藤「だろ?(笑)」
~次の日~
主将「よし。今日の練習終わり!今から自主練な!」
荒井「あ~疲れた。さてと…」
加藤・志村「「先輩!!」」
荒井「あ?なんだよ」
加藤「俺達と、ダブルスの試合しませんか!?」
志村「お願いします!!」
荒井「は??なんでだよ。俺、シングルス専門なんだけど。ダブルスの練習なんてやる意味ねえし。そもそもお前らとじゃ練習にならねーし(笑)」
加藤「えっと…もしかして負けるのが怖いんですか?」
荒井「は??」
志村「おい加藤、そんな訳ねえだろ!?先輩が負けそうだから逃げるなんて、そんなダサいカスみたいなことをする訳がない!!そうっすよね!?」
荒井「あ、ああ…当たり前だろ??ダブルスでも何でもやってやんよ!!」
加藤「本当ですか!?良かった~!!」
志村「先輩が組む人は、実はもう決めてるんです!!」
荒井「は??」
加藤「おい、人野!!」
人野「よろしくお願いします。」
荒井「コイツは…?」
加藤「同じ1年の、人野 誠太郎です。先輩には、コイツと組んでいただきます!」
荒井「は??なんでだよ!!俺に選ばせr」
加藤「え??先輩、もしかして1年と組むと負けるとか思ってます??」
志村「え??まさかペアのせいにするつもりですか??」
加藤「先輩が、後輩である人野をフォローすればいい話でしょ!!」
志村「そーですよ。俺らはテニスを始めて半年のペアですよ??それに負けるのが怖いんですか??」
荒井「そんな訳ねえだろうが!!よし人野。さっさとコイツらを倒すぞ」
人野「はい」
荒井(コイツの実力はよくわからんが、まあ来た球を打ち返すくらいはできるだろ)
審判「ラブオール、プレイ!3ゲーム先取で」
「「「「おねがいしまーす」」」」
荒井「よし人野。前衛を頼んだ」(※前衛→ネット前で構えている人)
人野「はい」
荒井「サーブいくぞー。オラア!!」スパアン!
加藤「うわ、はや!!」パコ!フワア~
志村「おい、打ち上げてるじゃねえか!!」
加藤「うっせえ!!」
荒井「よし。チャンスボールだ!!打て、人野!!」
人野「はい」
スカッ
荒井「は…?」
ゴロゴロ…
加藤・志村「「イエーイ!!」」
荒井「…………………」
人野「…………………」ギロリ
荒井「え??なんで今こっちを睨んだの??てか謝罪もなし??」
審判「15-0!」
加藤「せんぱーい、次お願いしまーす」ニヤニヤ
志村「人野ー!!ドンマイ!!」ニヤニヤ
荒井「…………………」
荒井(なんだ、あの2人のにやけ顔は…しかしコイツ、今のを空振りはヤバイな…滅茶苦茶下手か、今のはたまたまか…どちらにせよ、少し気を引き締めねえと…)
荒井「オラ!!」スパアン!!
志村「うわ!!」ボカ!!ポワ〜ン
加藤「おい、滅茶苦茶レシーブおせえじゃねえか!!しかも敵の目の前だし!!」
志村「うるせえ!!」
荒井「よし人野。打て!!」
人野「はい」
スカッ
荒井「え…?」
ボテボテ…
加藤・志村「「イエーイ!!」」
荒井「…………………」
人野「…………………」ギロリ
荒井「いやだから、なんでこっち睨むの??100%お前のミスだからな??」
審判「30ー0」
荒井「タイム」
審判「どうぞ」
荒井「あのさあ君、初心者なのかもしれないけどさあ、せめてラケットにくらいは当ててくれないかな?腐ってもテニス部でしょ?しかも遅い球だしさ。それから、失敗した時・自分が悪い時はペアに謝ろうな?これ常識だぞ?」
人野「いえ、僕別に悪くないんで」
荒井「…え??ごめん、今なんつった??」
人野「いえ、僕は悪くないんで、謝らないです」
荒井「は??えーーと…どゆことかな??」
人野「あの時、先輩が「打て!!」とか後ろから急に言ってきたんで、自分の中にあったタイミングがずれちゃって、それで空振ったんです。つまり、これは先輩のせいです」
荒井(コ、コイツ…先輩である俺のせいにしてきただと…!?)
荒井「いや、あのさ。そんな掛け声1つで変わらないでしょ(苦笑)」
人野「いえ変わるんです。僕は繊細なので」
荒井「イライライライラ」
荒井「あーそう。じゃあもう絶っ対に声かけないから、自分のタイミングでどーぞどーぞ!!」
人野「はい」
荒井「イライライライラ」
加藤「作戦成功だな(笑)」
志村「それな。アイツの下手さとウザさが効いてる効いてる(笑)」
加藤「あいつマジで、練習でもいつも空振るからなあ…(笑) しかも全部球を出した方のせいにしてくるしな。全て人のせい(笑)」
志村「あれマジでウザいよな(笑) だからいつも喧嘩になる(笑)」
加藤「ウザい奴同士で、つぶし合ってもらおうぜ」
志村「それな」
荒井「審判!!再開で!!」
審判「はい。では30-0から」
荒井「オラアアアアアア!!」ズバアン!!
加藤「うわあ!!」パコ!フワフワ
荒井(よし。黙っててやるから、さっさと打ちやがれクソ野郎!!)
人野「…………………」
ボトン。
ゴロゴロ…
荒井「は…??お前何してんの??」
人野「いえ、先輩が打つと思ったので。何もしませんでした。先輩こそ何をしてるんですか??」
荒井「ああごめん…じゃなくて、明らかにテメエのボールだろうが!!何考えてんだマジで!?」
人野「いえ、俺のテリトリーはここからここなので」
荒井「いっちょ前にテリトリーとか言うな!!滅茶苦茶ムカつくわ!!」
人野「だから、今のは先輩のせいです」
荒井「なんだコイツ!?おい審判!!今すぐペアを変えさせてくれ!!こんな奴とやってられん!!」
加藤「うわー、見ろよ志村。あの先輩、全部人のせいにしてるよ…」
志村「たまにいるよなー。負けそうになると、全部ペアのせいにしてくる奴…」
荒井「うるせえぞテメエら!!誰がどう見たってこいつが悪いだろうが!!」
人野「いいえ。先輩が悪いです」
荒井「ヤバ!!この後輩ヤバ!!」
加藤「そうですよ。全部後輩のせいにするとか、それでも先輩ですか?」
志村「マジでありえねえよな。品性を疑うわ」
荒井「このクズどもが…調子乗りやがって…」
加藤「で、どーしますか??」
荒井「…………………」
加藤「試合から逃げるんですか??全部後輩のせいにして(笑)」
志村「うわー。俺先輩がそんな人だなんて信じたくねえわー(笑)」
加藤「やっぱりさ、相方がたとえどれだけ下手でも、それをフォローしてこその先輩だよな」
志村「そうそう。たとえペアが空振っても、それを拾うくらいしないと」
荒井「テメエらできんのかよ!?」
加藤「いいえ。だって俺達、先輩じゃないですもん(笑)」
志村「そーですよ。まだ後輩なんで(笑)」
荒井(コイツらマジで〇す…)
加藤「で、どーします?」
荒井「…………………」
志村「テニス始めて半年のペア相手に試合放棄かあ…しかも全部後輩のせいにして」
荒井「やるよ!!やってやるよボケが!!」
加藤「流石っす!!」
志村「やりましょやりましょ!!」
審判「では、40-0から」
荒井「オラアアアアアア!!」スパアン!
スカッゴロゴロ…
人野「先輩、声がうるさくてビックリしました。だから先輩のせいです」
人野「先輩、声出してくれないと僕が打っていいのかわからないです。先輩のせいです」
人野「今のは先輩のボールですよね?先輩のせいです」
人野「先輩のサーブ、ちょっと遅くないですか?先輩のせいです」
人野「まぶしくてよく見えませんでした。あのライトのせいです」
人野「目の前でブンブン飛んで不快でした。クソ虫のせいです」
人野「先輩のせいです」
人野「先輩のせいd」
人野「先輩n」
荒井「うるせえええええええええ!!テメエ、マジで黙れ&〇す!!」
人野「先輩。試合が負けているのを人のせいにしないでください。」
荒井「テメエはマジで黙れ!!しゃべんな〇す!!」
人野「そうやって僕を責めるから余計できなくなるんです。先輩のせいです」
荒井「よくもまあそれだけレパートリーがあるな!?ああん!?」
加藤「先輩。いくら負けてるからって、恫喝はよくないですよ(笑)」
志村「そうですよ。パワハラですよパワハラ(笑)」
荒井「やかましい!!もういい、お前はもう何もするな!!」
人野「はい」
荒井「隅っこにずっと立ってろ!!」
人野「はい」
荒井「こっからは俺1人でやる。文句ないな!?」
加藤「え…?それは困ります…」
荒井「なんでだ!?そっちは2人いるんだぞ!?」
志村「いや…まあ、そうすけど…」
加藤(おい。ヤバいぞ志村。どうする?)
志村(まあでも、あと1点だろ??余裕余裕(笑))
加藤(そっか。1点ならいけるか(笑))
志村(おう。あの人は頭に血が上ってるし、いけるいける)
加藤「別にいいですよ。どーぞどーぞ」
荒井「よし。これで心置きなく打てるぜ!!」
志村「その代わり、負けた方は罰ゲームっていうルールを追加しませんか?(笑)」
加藤・荒井「「は??」」
志村「負けた方は、相手の言うことを何でも聞く。これでどーでしょう?(笑)」
荒井「ほう…?あと1点で勝てるからって、随分大きく出るじゃねえか…」
加藤「おいバカ!!調子乗りすぎだ!!」
志村「大丈夫大丈夫。あと1点だぞ??余裕だろ(笑)」
加藤「一応あの人中学生からやってたんだぞ?普通に強いって!!」
志村「でもこっち2人だし、あと1点だし、しかもこっちサーブだ。それにお前、ここで勝てば、あのクソ荒井を一生黙らせることができるんだぞ!?」
加藤「確かに!!」
志村「ここで1点取って、人生変えるぞ!!」
加藤「おう!!」
荒井「来いよ。ヘンテコサーブ(笑)」
加藤「なんだと!?オラアアアアア!!」ポコ!フワフワ〜
志村「いやホントにヘンテコサーブ!!」
加藤「うるせえ!!」
荒井「よし。くたばれええええええ!!」ズバアン!!
志村「ひいい!!」
加藤「え…?強……」
志村「こっから逆襲してやんよ。本当の実力を見せてやる」
荒井「オラア!どりゃあ!!〇ねえ!!」ズバン!!ドカン!!バキイ!!
審判「ゲームセット!!勝者、荒井!!」
加藤「え??普通に負けたんだが…」
志村「は??噓だろ、あの点差から…?」
荒井「おい。加藤、志村。」
加藤「は、はひ!?」
志村「な、ななななんでしょうか…?」
荒井「何か、言い残すことはあるかな??ん??」
加藤「い、いや~先輩。本当に超うまくて、マジでビックリしました~」
志村「いやホントに。あんなサーブ誰も返せないっすよ~」
加藤「もう流石の実力!!感服いたしました!!一生ついていきます!!」
志村「いやホントに。流石俺達の指導者です!!一生ついていきます!!」
荒井「まあそれはさておき、「罰ゲーム」だったよな??(笑)」
加藤「あーー…それは志村が勝手に言い出したことです。俺は知りません」
志村「おいてめえ!!何平然と売ってんだよ!!大体お前も同意してただろ!?」
加藤「先輩。俺は関係ないです。罰ゲームは志村だけでお願いします」
志村「いいえ先輩。加藤が一番先輩をバカにしてました。コイツこそ罰ゲームを受けるべきです」
荒井「連帯責任。2人とも地獄の坂道ダッシュだ。来い」
加藤・志村「「いやだあああああああああ!!!!」」
荒井「試合中は随分と調子乗ってくれたじゃねえか?絶対に許さねえからな?」
加藤「す、すすすすいませんでした!!」
志村「靴でも何でも舐めるんで許してください!!」
荒井「人野。テメエも来い。試合中の舐め腐った態度を改めさせてやる」
人野「え?何でですか?僕は勝ちましたけど…」
加藤「あの試合内容で、よく堂々と"勝った"なんて言えるなコイツ…」
人野「先輩のせいで負けかけたけど、最後先輩が挽回してくれたんで、なんとか勝てました。マジで超危なかったっすね!!」
荒井「コイツ、素で言ってんのか…?だとしたらマジでヤベエな…」
加藤「いやホントに…流石にドン引きっすわ」
志村「改めて見るとマジキモいっすねコイツ。全部人のせいにするし」
荒井「テメエらが連れてきたんだろうが!!」
荒井「というわけで、3人とも今から坂道ダッシュ50セットな(笑)」
加藤「ひでえ!!パワハラだ!!」
志村「訴えてやる!!」
荒井「やかましい!!さっさと走れ、クソゴミ3人衆!!」
加藤・志村「「ひいい!!」」
人野「えー?僕も本当に走らないとダメですか?」
荒井「当たり前だろ。なんならお前が一番ムカつくし」
人野「はあ…君達のせいで僕まで走ることになっちゃったじゃん…」
加藤・志村「「お前のせいだろーが!!」」
~完~