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自分のスペックをそろそろ自覚しましょう

~文化祭当日~


加藤「よっしゃー!!やっと来たぜ文化祭当日!!」


志村「へっへっへ。ホストでガポガポ稼ぐぜ!!」


花畑「ナンバー1キャバ嬢の称号はアタシがもらうわ!!」


高木「じゃ、そろそろ行くか。戦場へ(笑)」


加藤・志村・花畑「「「おっしゃー!!!」」」


~美男美女とおしゃべりカフェ会場~


司会「えー、校内のイケメン&美女の皆さん。本日はよくいらっしゃいました。このイベントは既にご存知の通り、完全出来高制です!!皆さんの顔面力、トーク力、色気、そのすべてが試されます!!入ってくるお客様が指名をして、された人はそこの机でお客様と一緒に10分間しゃべってください。ドリンク代はお客様が払ってくれます」


加藤「ガチのホスト&キャバクラじゃねえか!!」


司会「では皆さん。もうすぐお客様がいらっしゃいますので、リラックスしてここで立ちながら、指名をお待ちください!!」


浜田「りょーかい」


高木「はーい」


井家「おっけーす」


浜田「よお井家(いけ) 麺太郎(めんたろう)。お前も来てたか(笑)」


井家「当たり前よ(笑)」


加藤「な、何だコイツらの余裕感は…」


志村「べ、別に、お、俺達も容姿では負けず劣らずだろ…」


加藤「じゃ、じゃあ…なんでそんな、足がガクガクなんだよ…」


志村「バ、バカお前。これはあれだよ、嬉しすぎるからだよ…」


加藤「「嬉しい」って顔してねーぞ…??死んだ魚の顔してる」


志村「やかましいわ!!お前こそ、山崎◯人みたいな顔しやがって!!」


加藤「急に褒められた!?どうした??頭打ったか!?」


志村「おい。今日だけは…お互いを褒め合うぞ…?」


加藤「…そうだな!!今日だけはお互いを褒めて、気持ちを高め合おう!!」


志村「そうそう。だからお前、今日はマジで竹内◯真に似てるぞ」


加藤「ありがとう。そういうお前こそ、佐藤◯朗に似てるぞ」


志村「ありがとう??そんなお前は、菅田◯暉に似てるわ」


加藤「ありがとう。そういうお前こそ、ムロツ◯シに似てるぞ」


志村「…………………」


加藤「??どうした??」


志村「あのさ、なんか違くない??俺を褒める時の俳優…」


加藤「はあ??俺はお前に似てる人を挙げてるだけだけど…」


志村「チゲえよ!!モチベを高めるためにイケメン俳優をとりあえず言うって話だろ!?」


加藤「いやだって噓はつけないし…それにお前、あの2人がイケメンじゃないとでもいうのかよ!?失礼極まりねえな!!」


志村「そういうことじゃねえよ!!てか噓はつけないってお前、だったら俺だって本当のこと言うわ!!お前なんて、クロちゃんに似てるわ!!」


加藤「なんだとゴルア!!ぶっ殺す!!」


司会「あのさ…君達さ。ギャーギャー言ってないで、少しはアピールしてよ。さっきから君達だけまったく指名されてないよ??(笑)」


加藤・志村「「え??」」


「じゃ、私あの人で!!」


浜田「よっしゃ」


「私はあの人がいい!!」


高木「やったぜ!!」


浜田「今日はどこから来たのー?」


「キャーカッコイイー!!」


高木「こんな怪しい店、よく来たね(笑)」


「キャーカッコイイー!!」


加藤「…………………」


志村「…………………」


司会「君達以外、全員指名されちゃったよ。で、待ってるそこのお客さんにこの2人どうですか?って言ったら、君達2人は絶対指名したくないってさ」


加藤「まさかのNG指名!?」


志村「それはおかしい!!こんなに魅力的なのに!!」


加藤「お客様!!俺の超カッコいい顔が見えないんですか!?」


志村「よく見て!!佐藤◯朗似のイケメンですよ!?指名して!!」


「あの、鏡って見たことありますか??」


加藤・志村「「ああん!?!?」」


加藤「コイツのことはいくらバカにしてもいいが、俺のことはバカにすんな!!」


志村「なんだとテメエ!!もうキレた。全員まとめてぶっとばす!!」


司会「ちょっと!!お客様にキレちゃダメでしょ!!」


加藤・志村「「…………………」」


加藤「お客様!!俺は超面白いですよ!?」


志村「そーですよ!!絶対にトークで盛り上げられます!!」


客「じゃ、すべらない話して(笑)」


加藤「えー、えーと」


志村「あー、えーと」


客「はい遅ーい。そんなスピードで自分が面白いとか笑わせないでくれる??(笑)」


加藤・志村「「イライライライラ」」


加藤「いえいえ。すべらない話が苦手なだけです」


志村「そうです。ほかの分野ならいけます」


客「じゃあ、一発ギャグやって」


加藤「好感度の低いエン◯ルス大谷翔平。あのさあ、俺は投手も打者もやってんのに、勝てないとか意味わかんねーんだけど。チームメイトマジでザコすぎ。マジ死ね」


志村「俺さあ、マジであの超有名バンドの昔からの大ファンなんだよね。あれだよあれ。ワンオーケーロック(ONE OK ROCK)の」


客「どっちもつまんない」


加藤・志村「「ああん!?」」


司会「まあまあ。落ち着いて君達…」


客「そんなつまんない一発ギャグで、よく自分が面白いとか言えたわね(笑)」


加藤・志村「「イライライライラ」」


司会「どうどう」


加藤・志村「「馬じゃねえ!!」」


司会「もうひと踏ん張りだよ。初めてのお客さん獲得まで!!頑張って!!」


加藤「…………………」


志村「…………………」


加藤「いえいえ。一発ギャグも苦手なだけですよー」


志村「そうです。大喜利は超得意ですよー」


客「じゃあ「こんなホストは嫌だ。どんなホスト??」」


加藤「同時に5人の客を対応するホスト!!」


志村「ドンペリしか頼みたがらないホスト!!」


客「うーーーん、どっちも微妙…どうしよ…?」


加藤「俺です俺!!絶対俺の方が面白かった!!」


志村「いーや俺です俺!!」


加藤「バカかお前!!ギャグセンスが同じくらいなら、顔で勝ってる俺を選ぶに決まってるだろ!!」


志村「はああ!?お前が顔面偏差値で俺に勝ってるだと!?冗談はそのマヌケ(づら)だけにしろ!!」


加藤「ぶっ殺すぞ!?大体テメエ、学年最下位のバカじゃねえか!!そんなバカが、面白い会話を繰り広げられるわけがねえだろ!?」


志村「関係ねえ話を持ち出してんじゃねえ!!お前こそ、これまで一度も彼女ができたことが無いのは、女子とマトモにしゃべれないからじゃないっすかねー??」


加藤「はああああ!?それは俺が彼女にふさわしい女性を選り好みしてるからですーーー!!別に俺から断らなければ、いくらでもできてたし!!」


志村「よく言うわお前!!これまで女子から告白されるどころか、女子と2人きりでマトモに会話もできねえだろうが(笑) そんな奴が選り好みとか笑わせるな」


加藤「バーカ!!この前なんて、女子と2人きりで38秒も話したし!!お前こそ最高記録34秒の雑魚だろうが!!」


志村「おいおいお前なあ、俺は幼稚園時代に彼女がいたんだぞ?そんな俺が、その程度しか女子と話せないわけないだろうが。常識的に考えろ」


加藤「だから、幼稚園時代の仲良かった女子を「彼女」にカウントすんなっつーの!!」


志村「その幼稚園時代すら女子から相手にされなかったカワイソーな奴がほざくな(笑)」


加藤「このクズが…マジでぶっ殺す!!」


高木「店長、戻りました」


司会「おお高木君!!どうですかお姉さn」

客「キャーーー!!イケメン!!この人で!!」


司会「高木君、ご指名入りましたーーー!!」


高木「うお、マジか。休憩無しか(笑)」


加藤「…………………」


志村「…………………」


司会「あ、いらっしゃいませー。現在、こちらのお2人が待機しておりますが…」


「えー?もっとカッコイイ人いるでしょ絶対。」


加藤「…………………」


志村「…………………」


司会「まあいますけど、少々お待ちいただくことになりますが…」


「全然いいです。この2人としゃべるくらいならそっちの方がマシです」


加藤「…………………」


志村「…………………」


司会「いらっしゃいませー。今だと、この2人が待機しておりますが」


「結構です。他の人待ちます。」


加藤「…………………」


志村「…………………」


司会「いらっしゃいませーこの2人はどうd」

「いやです」


「その2人NGで」


「その2人以外なら誰でも」


「いくらでも待ちます」


「流石にこの2人は無理」


加藤・志村「「いい加減にしろおおおおお!!」」


「うわ!!」


「キャーーー!」


加藤「なんなんだテメエらは!!ただ待ちますと言えばいーじゃねえか!!」


志村「そーだそーだ!!それを聞こえる声でボロカス言いやがって!!」


加藤「テメエらみたいなクソ女共、こっちから願い下げじゃボケエ!!」


志村「それな。どーせイケメンばっか探して、彼氏いたことない奴だわコイツら」


「なんですって!?ちょっと!!なんなのこの失礼なバカホスト達は!!」


司会「君達!!困るよ、いくら自分達が誰にも相手にされないからって八つ当たりするのは!!」


加藤「あーもうマジでキレた」


志村「もう帰ってやるわ!!」


「「「「どうぞどうぞ」」」」


加藤・志村「「止めろよ!!」」


「なんなのコイツら!?」


「マジウザい…」


伊藤「ハア、うっさいわね…そこまで言うなら指名してあげてもいいわよ。面白い話で楽しませてくれるんでしょ??(笑)」


加藤「勿論です!!めちゃくちゃ会話盛り上げる!!超楽しませる!!」


志村「絶対に俺の方がいいぞ!?コイツはやめておけ!!」


加藤「はあ!?どー考えても俺の方がいいだろうが!!顔も性格も!!」


伊藤(正直マジでどっちでもいいけど、まだこっちの方が、顔が許容範囲ね…(笑))


伊藤「じゃ、アンタで」


加藤「いよっしゃあああああああ!!!!」


志村「なにイイイイイ!?アンタ正気か!?マジで後悔するぞ!?」


加藤「残念だったな志村。これで俺は、勝ち組の仲間入りというわけだ。お前はそこで1人寂しく、みんなに冷ややかな視線を送られ続けるがいいさ(笑) あーカワイソカワイソ(笑)」


志村「このクズが…いつかぶっ殺してやる…」




加藤「志村に勝ったぜ!!あ、改めてご指名ありがとうございます!!席はこちらです」


伊藤「どうもありがとう」


加藤「…………………」


伊藤「…………………」


加藤「…………………」


伊藤「…………………」


加藤「…………………」


伊藤「あの、なんか話してくれない??」


加藤「え!?俺が話すの!?」


伊藤「当たり前でしょ!?面白い話で私を楽しませてくれるんじゃなかったの!?」


加藤「いやーそうでしたね失礼。ではでは…」


加藤「今日はいい天気ですね!!」


伊藤「あ、うん、そうね…?」


加藤「…………………」


伊藤「………………?」


加藤「…………………」


伊藤「いや、噓でしょ!?これで話終わり!?」


加藤「いや、さ、よくよく考えたら、何を話せばいいかわかんなくて、えと、あの、そのー」


加藤(ヤベエヤベエヤベエヤベエ…一体何を話せばいいんだ…??そもそも俺、女子とほとんど話をした覚えがないし、どんな話題が好きなのかも全然知らん…ヤベエ、ゴミみたいな下ネタしか思いつかん…マジで詰んだ…)


加藤「あー、えー、あの、その、えーと、エヘヘ、うふふ、デュフフフ、グヘヘ…」


伊藤「なんだコイツ!?キモすぎ!!」


加藤「…あ、あの!!」


伊藤「はい??」


加藤「俺、聞き上手なんで、好きなことを好き勝手に話してください!!」


伊藤「いや、私を楽しませるって話は!?」


加藤「無理ですね!!」


伊藤「開き直んな!!」


加藤「その代わりあなたの話を聞いて、リアクションで楽しませます!!」


伊藤「ええ!?私が話すの!?」


加藤「お願いします!!俺、話し下手の聞き上手なんで!!」


伊藤「ハア…しょーがないわね…」


伊藤「この前さあ、彼氏と別れちゃったんだけど、ソイツがさあ、しつこく会いたい会いたいって電話してきてさあ…キモくない??」


加藤「うんうん」


伊藤「しかも元々、ソイツが浮気したせいで別れたんだよ??なのにそれで寄りを戻そうとしてくるとか、マジでキモすぎなんだけど。ホントヤバくない??」 


加藤「うんうん」


伊藤「しかも私の女友達もさあ、私が別れたのめっちゃ喜んでてなんかウザいのよ。普通そこで喜ぶ!?しかも私の目の前でよ!?」


加藤「うんうん」


加藤「うんうん」


加藤「うんうん」


伊藤「リアクションうっっっす!!ただの相槌マシーン!!」


伊藤「どこが聞き上手!?ド下手くそじゃねえか!!少しは会話を広げろや!!」


加藤「いやー、俺に恋バナ振られても…彼女いた事ないし…(笑)」


伊藤「あ、そう…なんかごめん…(笑)」


加藤「いえいえ。俺がモテないのが悪いだけなんで気にしないでください!!(笑)」


伊藤「それもそうね。あはははははは!!」


加藤「笑いすぎです。うふふふふふふ!!」


伊藤「あはははははは!!」


加藤「うふふふふふふ!!」


伊藤「この人、チェンジで!!(笑)」


加藤「ええ!?」


司会「承知しました。加藤君、立って」


加藤「チェンジ制度なんてあんの!?え、ちょ、ま」


~1時間後~


加藤「…………………」


志村「…………………」


加藤「おい!!まったく指名が来ねえじゃねえか!!」


志村「お前のせいだろ!?悪評が広まったんだよ!!チェンジなんてされやがって!!」


加藤「人のせいにすんな!!指名されたことのない奴は黙っとけ!!」


志村「なんだとテメエ!!あれはあの女のセンスがなかっただけだし!!」


加藤「まったく…負け犬の遠吠えほど惨めな物はないな…(笑)」


志村「このカフェ始まって以来、初めてのチェンジを宣告された雑魚に言われても…(笑)」


加藤「…………………」


志村「…………………」


加藤「不毛だ…やめよう…」


志村「それな。悲しくなってくる…儲けは0だし…」


加藤「俺も、チェンジされたから0になった…」


志村「てかこれだったら、出店やってた方が圧倒的に儲かったわ!!」


加藤「それな、もうやめようぜこんなクソ仕事!!」


志村「確かにな。もうやってらんねえよ!!」


加藤「そういや、花畑の方はどうなってんのかな?(笑)」


志村「確かに。どーせアイツも指名0だろ(笑)」


加藤「それな。あんなのを指名する奴がいるわけない(笑)」


加藤「どれどれ…」チラ


志村「…………………」


加藤「…………………」


志村「…………………」


加藤「マジで、ずっと1人で待ってたって感じだな…」


志村「俺達は2人いたからまだいいけど、1人はきついな…」


加藤「…………………」


志村「…………………」


加藤「ハア…しょーがねーな…」


志村「それな。いっちょやりますか…」




花畑「い、い、1時間以上たって、指名ゼロって…もしかしてアタシ、マジで魅力ない??」


花畑「ヤバいヤバいヤバいヤバい…マジで死にたくなってきた…」


加藤「あのーすいません。そこの花畑さん?を指名してもいいですか??」


志村「あ、俺もその人指名したいっす。2人同時でもいいスか??」


花畑「え!?」


花畑「ア、アンタ達…な、なんで…?」


司会「いいですけど…その場合、2人合わせて10分になってしまいますけど…」


加藤「全然大丈夫です。そんなに長く話したいわけじゃないので」


志村「そうです。てかむしろ、できるだけ早く切り上げたいので」


花畑「なんだとゴルア!!」


司会「そうですか??なら問題ないです。ほら花畑さん、2人を案内してあげて」


花畑「は、はい!!」




花畑「な、何しに来たのよアンタ達!!」


加藤「いやー、お前があまりにも可哀想だから(笑)」


志村「そうそう。助けに来てやったぜ(笑)」


花畑「はああ!?ア、アタシは指名されすぎて疲れてただけだし!!」


加藤「指名されてる奴の顔つきじゃなかったけど…(笑)」


志村「それな。死んだ魚の目をして突っ立ってたぞ(笑)」


花畑「そ、それはあれよ、指名されすぎて疲れちゃっただけだし!!」


加藤・志村「「へー……」」


花畑「ま、まあしょーがないわね。どーしてもこの完璧美少女のアタシと話したいって言うなら、仕方ないから付き合ってあげるわ!!」


加藤「やっぱチェンジするか」


志村「そうだな」


花畑「噓です噓!!本当にご指名ありがとうございます!!」


~続く~

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