迷探偵 ドケチ小五郎 後編
~前回のあらすじ~
志村の財布から12円盗まれた
出木杉「というか、そもそもどうやって見つけるの??」
加藤・高木・志村「「「え???」」」
出木杉「いやだって、お金だから盗んだら当然財布に入れるでしょ?そしたらさ、元々その人が何円持ってたかわからない限り、証明できなくない??」
加藤・志村「「????」」
出木杉「なんで通じないんだよ!!」
加藤「なんかよくわからんけど」
志村「とりあえず優等生の出木杉も怪しいな」
出木杉「犯人探す気ある!?そんなんじゃ見つからないって言ってるだろ!?」
高木「おい!!田中のポケットから12円出てきたぞ!?」
志村「お前が犯人だ!!」
田中「いや、これはさっきもらったお釣りなんだけど…」
志村「証拠がない。コイツが犯人だ」
田中「なら食堂のおばちゃんに聞いてよ!!」
志村「強気だな。本当に聞くぞ??」
田中「どうぞ」
志村「本当にいいのか?」
田中「どうぞ」
志村「本当に?」
田中「だから早く聞けよ」
志村「…コイツは犯人じゃない。自信がありすぎる」
加藤「いやダサ!!めっちゃ論破されてるじゃん!!」
高木「おい!!コイツも12円持ってるぞ!?」
志村「何い!?」
加藤「どんだけ12円持ってる奴いるんだよ!!」
??「オレ、ヤッテナイアルヨー」
加藤「めちゃくちゃ怪しい!!テメエ日本人だろうが!!なんでカタコトなんだ!?」
高木「いや、彼の名は「ダニエル・李・ブライアン太郎」といって、アメリカ人と中国人とイギリス人と日本人のクオーターだ」
志村「そんな奴が俺達のクラスにいたの!?」
ダニエル「オレ、ヤッテナイアルヨー」
志村「わかったから、この12円はどうしたんだ??」
ダニエル「オレ、ヤッテナイアルヨー」
志村「いやだから、これはどうやっt」
ダニエル「オレ、ヤッテナイアルヨー」
志村「コイツそれしか言わねえな!!」
??「彼はその日本語しかしゃべれないんだ」
志村「!?誰だ!?」
??「初めまして。隣のクラスのジェイソン・ブルース・孫・スミス・マイケル次郎・ゴロリです」
志村「名前長!!」
ゴロリ「僕は8つの国の血が流れている、スーパークオーターです」
志村「8つの国!?」
加藤「てかスーパークオーターって何!?」(※そんな言葉はありません)
ゴロリ「僕はイギリス人とアメリカ人と中国人とエジプト人と韓国人とインド人とドイツ人とブラジル人の血が流れてるスーパークオーターです」
加藤「いや流れすぎだろ!!」
高木「どんな結婚したらそうなるんだ!?」
ゴロリ「両親が2人共別の国のクオーターなんです」
加藤「奇跡的!!全人類初じゃないの!?この人!!」
高木「絶対テレビに出れるよアンタ!!」
志村「で、そんなアンタは一体何の用なんだ??」
加藤「あ、そう言えば(笑)」
ゴロリ「僕は、彼の通訳です」
志村「学校内に通訳いんのコイツ!?」
ダニエル「オレ、ヤッテナイアルヨー」
志村「うるせえ!!」
ゴロリ「彼はこの一言しかしゃべれないんです」
志村「なんでこの一言!?どんだけ日頃から疑われてるんだよ!!」
ゴロリ「怪しすぎて警察に捕まることもしょっちゅうでした…」
志村「可哀想!!」
ゴロリ「それで僕が、彼の監視兼通訳として派遣されたわけです」
志村「そうか。じゃあ通訳頼む」
ダニエル「オレ、ヤッテナイアルヨー」
ゴロリ「彼は「俺はやってない」と言っています」
志村「知ってるわ!!聞きたいのはそれじゃねえ!!」
ゴロリ「え??そうだったんですか??」
志村「当たり前だろ!!それはなんとなくわかるわ!!」
ゴロリ「そうですか。それではちょっとお待ちください」
志村「??おう」
ゴロリ「…………………」
ダニエル「…………………」
ゴロリ「…………………」
ダニエル「…………………」
志村「えっと…」
ゴロリ「はい??」
志村「早く会話してくれない??何の言語で話すのかは知らんけども…」
ゴロリ「いえ、僕は日本語しかしゃべれませんよ??」
加藤・高木・志村「「「はあああああああああああ!?!?」」」
加藤「え??スーパークオーターなのに??」
高木「てか今までの時間なんだったの??」
ゴロリ「関係ありませんよ(笑) ずっと日本で暮らしてましたから(笑)」
加藤「じゃあ通訳の意味ねえじゃねえか!!何しに来たんだ!?」
ゴロリ「いえ。もう全てわかりました。」
加藤「は??」
ゴロリ「僕達はしゃべらなくても、相手が何を言いたいのかわかるんです」
加藤「エスパーか!!」
高木「じゃあもう、ダニエルが12円を持っていた理由はわかったのか??」
ゴロリ「はい。「私は志村氏の財布から12円を取ったわけではない。これは廊下で拾ったんだ」と言っています」
加藤「めちゃくちゃ怪しいじゃねーか!!」
高木「証拠はあるのか聞き出してくれ!!」
ゴロリ「はい」
ゴロリ「…………………」
ダニエル「…………………」
ゴロリ「…………………」
ダニエル「…………………」
ゴロリ「わかりました」
志村「本当か…?」
ゴロリ「はい。「観念します。私が犯人です。すいませんでした」と言っています」
志村「やっぱりお前が犯人じゃねえか!!」
加藤「何が「オレ、ヤッテナイアルヨー」だ!!バリバリやってるじゃねえか!!」
志村「はい、逮捕。もしくは10万円払え」
ダニエル「オ、オレ、ヤッテナイアルヨヨヨヨ!!」
志村「うるせえ!!今白状しただろうが!!」
ダニエル「オレ、ヤッテナイッテバヨ!!」
志村「ちょっと変わった!?」
ゴロリ「「俺が犯人です。早く捕まえてください」と言っています」
加藤「本当か!?アンタ本当に理解してるのか!?」
ダニエル「オレ、ヤッテナイアルyo!!Hey yoyo!!」
加藤「緊張感ねえなコイツ!?ラップすんな!!」
ゴロリ「さっきから「俺が犯人だぜバーカバーカ」と言っています」
志村「よし。警察に連れて行こう」
ダニエル「ダカラオレ、ヤッテナイアルヨ!!」
高木「どう考えても否定してるじゃねえか!!」
出木杉「ちょっと待って。僕が話してみる」
加藤・志村「「出木杉!!」」
高木「流石。こういう時だけは頼りになるな」
出木杉「「だけ」は余計だ!!」
出木杉「ゴホン。Can you speak English?」(英語話せますか?)
ダニエル「Oh, yes. I can」(はい)
出木杉「OK. Please tell me whether you steal his money or not.」(あなたが彼のお金を盗んだかどうか教えてください)
ダニエル「No, no!! I didn't steal his money, This money is the change when buying "Gotumori".」
出木杉「私は盗んでない。このお金は「ごつ盛り」を買ったお釣りなんだってさ」
加藤「は…??」
志村「おいゴロリてめえ!!全然ちげえじゃねえか!!」
ゴロリ「い、いや~~僕にはそう言ってたんですけどね~~??」
加藤「そもそもお前には全くしゃべってなかったじゃねえか!!」
志村「な~~にが「話さなくても意思疎通ができる(ドヤ顔)」だよ!!全く通じてねえじゃねえか!!」
ゴロリ「いやいや。通訳なんてこんなもんですって。フィーリングです。フィーリング。」
加藤「そんなわけあるか!!世界中の通訳に謝れ!!」
高木「おい!!コイツのポケットから12円出てきたぞ!?」
志村「ということは、お前が怪しいな…」
加藤「なるほど。ダニエルを犯人に仕立て上げて、自分は逃れようって魂胆か…」
ゴロリ「チ、チガウアルヨ!!」
加藤「急にカタコトになるな!!さっきまで普通にしゃべれてただろうが!!」
志村「よし。10万円払え」
ゴロリ「チガウアルヨヨyo!!Say!Yo Yo!」
加藤「なんなの!?追い詰められたらラップする風潮!?」
浜田「おーい志村ー!」
志村「え?浜田?」
浜田「なに集まってんだ?お前ら(笑)」
加藤「いや、志村の12円を盗んだ泥棒を捕まえようと…」
浜田「12円!?そんな少額盗んでどうすんだよ!?(笑)」
加藤「さあ…??」
高木「俺達にもさっぱり…(笑)」
浜田「まあいいや。ほれ志村、さっき借りた12円。50円にして返してやるよ(笑)」
志村「え??」
加藤「は??」
高木「え??」
浜田「いや、今日の朝会った時、自販機で飲み物買いたかったんだけど、小銭が138円しかなくてさ。1000円札崩すのだるいし、その場にいた志村に12円借りたのよ(笑)」
志村「あっ…そういえば…(笑)」
加藤「…………………」
高木「…………………」
浜田「それでさあ、コイツマジでドケチなんだけど、その12円を50円にして返せとかいうの(笑) 普通その一瞬借りるくらい無料で貸すっしょ!?それだけの貸し借りで金をとるとか、流石のドケチ志村だわと思ったわ(笑)」
加藤「…………………」
高木「…………………」
浜田「え??ちょ、なんで俺が滑ったみたいな感じになってんの??(笑)」
加藤「…………………」
高木「…………………」
相川「…………………」
花畑「…………………」
浜田「おいちょっと…志村これどういう状況??」
志村「あ、あははははははーー」
加藤「そいつはなア、その12円が盗まれたとか大騒ぎしやがったんだよ…」
浜田「え??マジで??(笑)」
高木「だから、今から俺達でそいつを殺すのさ(笑)」
浜田「まさか、今日した会話すら忘れるなんて…本当にバカだなお前(笑) ギャハハハハハハハハ!!」
志村「なんだとてめえ!?ぶっ殺す!!」
クラス全員「「「「死ぬのはテメエだゴルアアアアアア!!!」」」」
バキボコドカバキボカスカ
志村「ギャアアアアアアアアアアア!!」
~完~
 




