夏休みの最終日はマジで死にたくなる
~テニス部にて~
加藤「おい!!大変だ志村!!」
志村「は?なんだよ加藤」
加藤「明日で、夏休みが最終日だぞ!?」
志村「はあああああああああ!?」
加藤「いや、どんだけ驚いてんだよ(笑) 毎日カレンダー見てただろ?(笑)」
志村「見てねーよ!!夏休みが始まる頃は、このまま永遠に休みが続くと思ってたからな!!」
加藤「その夏休みが、もう明日で最終日だぞ…!?もう死にたい…」
志村「どうにか延長できねえか…?」
加藤「は?無理だろ!!」
志村「勝手に休むことはできる!!」
加藤「は??」
志村「夏休み明けの初日、休むことはできるぞ!?」
加藤「いや、ダメだろ(笑) バカか。」
志村「お前こそバカか。風邪を引けばいいんだよ」
加藤「なるほど!!仮病を使うのか!!」
志村「その通りだ」
加藤「だが、親をどうやって騙す?」
志村「そんなもの、どうとでもなる。演技さえうまくやれば大丈夫だ」
加藤「よし!!じゃあ次に会うのは、延長した夏休みが終わった後だな。」
志村「2年後に、シャボンディ諸島で。」
加藤「どんだけ延長する気!?3年生まで夏休み!?」
~加藤家~
加藤母「茶之助。アンタさ」
加藤「え?」
母「今年はやめてよね。ズル休み」
加藤「は、はああ!?お、俺がいつズル休みしたんだよ!?」
母「中学時代からさ、アンタ夏休み明け初日になると「ヤベ頭痛くなってきた」とか「ヤベ腹痛すぎて学校行けない」とか、見苦しい仮病使ってくるからさ」
加藤「見苦しい仮病!?」
母「毎回わかりきってんのよ。それで言い争うの毎回めんどくさいから、今年こそは大人しくさっさと学校行ってよね」
加藤「…………………」
~志村家~
志村母「ケンジ」
志村「ん?何?」
母「もうすぐ夏休み終わるわね」
志村「うん。そーだな」
母「今年も、仮病使って学校サボろうとしたら、マジで殺すから(笑)」
志村「!?!?!?!?」
~次の日~
加藤「ヤバい…俺、仮病でサボれそうもないわ…」
志村「俺も…母親に余裕で見抜かれてるわ…」
加藤「てか、そんな毎年やってたんだな俺…」
志村「毎年毎年、記憶がリセットされてんじゃね?ってほど覚えてない…」
加藤「諦めて学校行くしかねえのか…」
志村「いや。諦めるのはまだ早えぞ??」
加藤「え??」
志村「俺に良い案がある」
加藤「ってお前が言う時、マジで良い案だった覚えがあんまないな(笑)」
志村「今回はマジ。半端ないアイデアだ」
加藤「スゴイ自信だな…で、どんなアイデア??」
志村「本当に、風邪をひく。」
加藤「は??」
志村「だから、ガチでちゃんと風邪をひいて、仮病じゃなくガチ病で休む」
加藤「バカだろ!!やっぱお前バカだろ!!」
志村「ああん!?どこがだよ!!」
加藤「いやだってお前、風邪引いたら辛いだろ!?そんな辛い思いをするくらいなら、大人しく学校に行った方がましじゃい!!」
志村「バカだなお前。その後だよ」
加藤「え??」
志村「一度本当に風邪をひいたら、それで俺達の信頼度が上がる。本当の風邪なら、当然親は何も言えない。つまり、完治した後も演技で辛そうにしておけば、親も文句なんて言うはずがなく、簡単に休むことができるというわけだ!!俺の予測なら、軽く1~2週間は追加で休める!!」
加藤「志村……」
志村「ん??」
加藤「お前は天才だ!!」
志村「だろ!?ガッハッハッハ!!」
加藤「よっしゃあ!!マジで夏休みプラス2週間の見通しが立ってきたぜ!!」
志村「安心するのは早いぜ加藤。まずは、今日1日で風邪を引く必要がある!!」
加藤「確かに!!」
志村「さて、どーするかだが…」
加藤「とりあえず、水を全身に浴びて、そのままにしようぜ!!」(※良い子はマネしないでください)
志村「天才だ!!よしやるぞ!!」
ザバーーーン!!
加藤「涼し~~~~!!」
志村「気持ちい~~!!」
加藤「…………………」
志村「…………………」
加藤「おい!!暑すぎて気持ちいいだけじゃねえか!!」
志村「お前が提案したんだろうが!!本当に使えねえな!!」
加藤「じゃあテメエは何か良い案あんのかよ!!」
志村「誰に言ってんだよ(笑) まあ任せとけ!!」
志村「…………………」
加藤「…………………」
志村「整いました!!」
加藤「ねづっちか!!懐かしいな!!」
志村「このびしょびしょの状態で、冷房ガンガンのファミレスに行ってドリンクバーをがぶ飲みして、体を限界まで冷やす!!」
加藤「いや死ぬほど迷惑!!でも良さそう!!」
志村「でも流石に床を濡らすのは申し訳ないから、服は軽く絞っていくか(笑)」
加藤「あの志村が、常識的なことを言っている…!?」
志村「お前は俺を何だと思ってるんだ!?」
加藤「非常識人!!」
店員「いらっしゃいませー…って」
店員(なんで全身濡れてんだ?この客ども…まあ、床に水滴が垂れてるわけじゃないし、とりあえず案内するか…??)
加藤「わ、わかってはいたけど…さっむ!!」
志村「が、我慢しろ加藤…休みをゲットするためだ…」
加藤「お、おう…任せろ…」(※マジでマネしないでください)
志村「ご注文は何でしょう?」
加藤「ドリンクバー2つ!!以上で!!」
店員「はい。わかりました」
加藤「よし。行くぞ志村」
志村「ああ。300円の元を取るぞ」
志村「一杯10円と仮定すると、23.7杯飲めば元を取れるな」
加藤「どんな計算したんだ!?普通に30杯だわ!!」
志村「まあ、細かいことはどーでもいい!!行くぞ!!」
加藤「細かくねえわ!!まあいいや…」
グビグビグビグビ
ゴクゴクゴクゴク
加藤「ぷはーーー!!生き返るー!!」
志村「部活後の1杯は、ヤベエわ!!」
加藤「しかしお前にまだ金が残ってて良かったわ(笑)」
志村「まあ給料日の直後だからな。まだ何も買ってないし」
グビグビグビグビ
ゴクゴクゴクゴク
加藤「うめーーーー!!やべーーーー!!」
志村「いくらでもいけるわこんなん!!余裕で元取れる」
グビグビグビグビ
ゴクゴクゴクゴク
加藤「…………………」
志村「…………………」
グビグビグビグビ
ゴクゴクゴクゴク
加藤「…………………」
志村「…………………」
グビグビグビグビ
ゴクゴクゴクゴク
加藤「…………………」
志村「…………………」
加藤「今、何杯目??」
志村「25杯目…」
加藤「なんか、腹痛くなってきた…」
志村「俺も…」
加藤「でもこれ、いい状態だよな??体がダメージを受けてるんよな??」
志村「そうだな。風邪をひく1歩手前に違いない!!」
加藤「やったぜ。じゃあもう少し…ヤバ!!トイレ!!」
志村「お、俺もトイレ!!先に行かせろ!!」
加藤「邪魔だ!!俺が先だ!!」
志村「も、漏れる!!」
~10分後~
加藤「普通にすっきりして終わったんだが…」
志村「それな…うんこした後はなんともねえわ(笑)」
加藤「(笑)じゃねえ!!全然ダメダメじゃねえか!!」
志村「うるせえ!!お前も納得してただろうが!!」
加藤「他に良い案を考えろ!!」
志村「テメエが考えろ!!」
加藤「…………………」
志村「…………………」
加藤「おい志村。お前、残金はどれくらいだ??」
志村「まあ、1500円はあると思うけど…」
加藤「全然大丈夫だ。銭湯に行くぞ」
志村「はあ!?なんだよ急に!!てか体を温めてどーすんだ!?」
加藤「バカお前。水風呂だよ」
志村「なるほど!!水風呂で体を極限まで冷やすんだな!?」(※良い子はマネry)
加藤「正直、苦行でしかないから、この手は使いたくなかったが…」
志村「仕方ねえよ。俺達の夏休みを延長するためだ。命よりも大切な500円を使う時が来たんだ…」
加藤「お前の命安いな!?」
~銭湯にて~
カポーーン
加藤「よし、入るぞ…」
志村「お、おう…」
加藤「夏休みのため夏休みのため夏休みのため夏休みのため夏休みのため夏休みのため」
志村「夏休み延長夏休み延長夏休み延長夏休み延長夏休み延長夏休み延長夏休み」
チャプ…
加藤「つめてえええええええええええ!!」
志村「ひいいいいいいいいいいいいい!!」
加藤「あ、が、ヤベエ!!マジヤベエ!!」
志村「耐えろ加藤!!耐え抜くんだ!!」
加藤「く、苦行だ…ガチ苦行だ…」
志村「し、死ぬ…寒すぎて死ぬ…」
加藤「だ、だが、これなら、確実に、体調が、悪くなるな…」
志村「そ、そ、そそそうだな。凍死、するかも、しれんが…」
加藤「と、とりあえず、い、1時間、は、入るぞ…」(※絶対やめてください)
志村「お、おう…その時まで、生きて、いるといいな…」
~1時間後~
加藤「…………………」
志村「…………………」
爺A「あの2人、さっきからずっと固まってあそこにいるんじゃが…」
爺B「大丈夫かの??生きとるか??」
爺A「ちょっと声かけるかい??」
爺B「いやいや。若いんだから多少は大丈夫じゃろ(笑)」
~さらに1時間後~
加藤「…………………」
志村「…………………」
爺A「オイオイ。まだいるよ」
爺B「流石に声かけるかね」
爺A「おい君達。大丈夫かい??」
加藤「…………………」
志村「…………………」
爺A「返事が無い。ただの屍のようだ…」
爺B「ちょ、ちょっと君達!!大丈夫かい!?」
加藤「…………………」
志村「…………………」
爺A「引きあげよう!!田中のじいさん!!」
爺B「あいよ!!」
加藤「は!?!?」
志村「え…??ここは??」
爺A「君達は、意識を失ってたんじゃよ。まったく…」
加藤「マジですか!?ヤバ!!」
志村「どれくらいいたんですか!?」
爺A「ざっと見積もって、2時間くらいじゃな」
爺B「水風呂に気を失うまで入るなんて、とんでもない若者じゃな(笑)」
爺A「なんかの修行でもしてたんかい??」
加藤「い、いやあ…アハハ」
志村「ちょっと気持ちよくて…へへへ」
加藤・志村((とても、学校をサボるために風邪をひこうとしてたんて言えない…))
加藤「と、とりあえず、助けていただいて本当にありがとうございました!!」
志村「この御恩は、一生忘れません!!」
爺A「いいよいいよ。コーヒー牛乳20杯くらい奢ってくれたらそれで。」
加藤「結構ガッツリお礼を要求してきた!?」
志村「やるなこの爺さん!?」
爺A「冗談冗談。19杯でええよ(笑)」
加藤・志村「「大して変わんねーよ!!」」
加藤「まったく、予想外の出費だぜ…ホントに奢らされるとはな…」
志村「もう1500円がすっからかんだ…」
加藤「あ、そうだ。お前から借金も徴収しねえとな(笑)」
志村「このタイミングで言う!?」
加藤「てか、風邪は!?」
志村「どうなった!?」
加藤「…………………」
志村「…………………」
加藤・志村「「まったくひいてねえじゃねえか!!」」
加藤「おいどーすんだ!!このままだと無駄金だぞ!?」
志村「ふざけんな!!死ぬ思いまでしたのに、なんで風邪の1つすらひいてねえんだよ!!」
加藤「ホントだよ!!どうでもいい時には風邪ひく癖によお!!」
加藤「終わった…俺達の夏休み…」
志村「終わった…俺の人生…」
加藤「いや、まだ最後の手段がある…」
志村「なんだよ…」
加藤「徹夜して、体調を崩そう…」
志村「そんなこと、言われるまでもなくやるわ…夏休み最後の日だぞ??」
加藤「それな。俺今日、銀魂のアニメ一気見するわ」
志村「1晩じゃ見切れねーよ!!」
加藤「じゃあお前はどーすんの??」
志村「俺はこち亀のアニメ一気見する」
加藤「テメエもじゃねーか!!」
~次の日の朝~
加藤「ネオアームストロングジェットサイクロンジェットアームストロング砲じゃねーか。完成度たけーなオイ。」
加藤母「茶之助。朝ご飯だよ…って、アンタもしかして、徹夜してたの??」
加藤「だって、夏休み最終日だよ??限界まで楽しまなきゃ…」
母「次の日に支障が出るだけだわ!!」
加藤「あ!!ヤバい体調悪いかm」
母「体調悪い奴は徹夜なんてしねえんだよ!!さっさと学校行け!!」
加藤「ひいいいいいいいいいいいいい!!」
志村「あー、スーパー金持ち白鳥麗次おもしれー。でもイライラするな。そんなに金あるなら、俺にも金を寄越しやがれ。」
志村母「はいはい起きてさっさと学校行って―」
志村「いや、ちょ、母さん!!まだ準備できt」
母「はいはいさっさと学校行って―行ってー行って行って行って行って」
志村「ひいいいいいいいいいいいいい!!」
加藤「はあ…結局学校に来てしまった…」
志村「ホントだよ…あんだけ色々したのに、体はピンピンしてるし…」
加藤「どんだけ頑丈なんだよ、俺達の体…」
志村「こんだけ頑丈な体に産んでくれた母に、感謝感謝やな…」
キーンコーンカーンコーン
加藤・志村「「はあ…」」
ガラララ
碇矢先生「よし。ホームルームを始めるぞー」
加藤「あれ??高木いなくね??」
志村「あれ??アイツ、風邪でもひいたんか…って」
加藤・志村「「ああああああああああ!!」」
碇矢先生「なんだ加藤と志村。夏休み明け早々にうるさいぞ。」
加藤「先生!!碇矢先生!!高木が!!いないです!!」
志村「コイツ!!このクズ野郎!!サボりです絶対!!」
碇矢先生「いや、高木からは欠席の連絡が来てるが…風邪らしいぞ」
加藤「仮病です!!それ100%仮病!!」
志村「間違いない!!あのクズなら絶対やる!!」
碇矢先生「高木も、お前らにだけはクズと言われたくないと思うが…」
碇矢先生「まあ、アイツの家は両親が共働きだからな。後でもう一度、親御さんに確認取ってみるよ。確かに怪しくはあるし(笑)」
加藤「イエーーイ!!」
志村「フォーーー!!」
碇矢先生「まあそれはともかくとして…」
碇矢先生「夏休みの宿題、お前達2人はちゃんとやってきたんだろうな…??」
加藤・志村「「え…??」」
碇矢先生「高木は、ちゃんとメールで宿題は送ってきてたぞ…??お前達は当然、しっかりやってきたに決まってるよなあ??(笑)」
加藤「やっべ宿題のこと…」
志村「完っ全に忘れてた…」
碇矢先生「で、どうなんだ??」
加藤「…………………」
志村「…………………」
加藤「先生!!夏休みは遊び楽しむためにあるんです!!」
志村「夏休みに宿題が存在することに、異議を唱えます!!」
碇矢先生「せめて出されたときに言え!!」
~完~




