遊びに誘う大人はしっかり選びましょう その1
~帰り道にて~
北野「いやー、今日も学校疲れたなー」
杉本「まったくでござる。本当にどの授業もダルすぎでござるよ」
森田「まあまあ。将来に役立つことだからさ」
北野「役に立たねーよ!!高校の数学とか、マジで何の役に立つんだよ!!」
森田「まあ何に役立つかと言われると、中々難しい話ではあるけど…(笑)」
北野「だろ!?だからいらねーんだよ、数学なんて」
森田「まあ、でもそれは将来北野君が何をするか、何になりたいかによるんじゃない??」
北野「そーだなあ…まあ将来は医者になりたいかな」
森田「だったら全教科勉強しろや!!余裕で全教科使うじゃん!!」
北野「まあ正直、俺なら大して勉強しなくても行ける気しかしねえけどな」
森田「君はもう少し、自分の実力を振り返った方がいいかも…」
北野「いやいや。俺はまだ本気出してないだけだから。本気出せばこんな高校生の勉強とかチョロいよ。マジで。ガチで。」
森田「ホント、どんな生き方をしてきたら、こんな強靭メンタルができるんだろう…」
杉本「流石は北野君でござる!!カッコイイでござる!!」
森田「いや、コイツのせいか…(笑)」
北野「俺のIQは死ぬほど高いからさ。やろうと思えば何でもできんだよ」
森田「ハイハイスゴイスゴイ」
子供「ねえねえ」
森田「ん??」
北野「なんだ?このガキんちょ」
子供1「僕達と遊ぼうよ!!」
北野「はあ??あのな、俺は忙しいんだ」
森田「いーじゃん。どうせ暇なんだし、遊んであげなよ(笑)」
北野「はあ!?俺は忙しいんだよ!!」
森田「え?何があるの?」
北野「えーと…今日は5時から空手とボクシングと柔道の稽古があるんだ。だから早く帰らないと」
森田「なんだ。全部架空の予定じゃん(笑)」
北野「架空じゃねーし!!事実だし!!」(※架空です)
北野「それによ。こんなガキどもに俺の超人的なスゴさを見せちまったら、絶望しちまうだろ??世の中にはこんなにスゴイ人がいるのかって。だから、コイツらの夢を奪わないためにも、俺達は大人しく帰ってあげるのが一番なんだよ」
森田「じゃ、何して遊ぼうか」
北野「聞けや!!」
杉本「北野君。この子供達に北野君のスゴさを見せつけてあげるでござるよ!!そうすればこの子達も、北野君のような立派な大人になるために頑張るはずでござる!!」
森田「立派な大人…??」
北野「確かにそうだな!!仕方ない。大人のスゴさを見せつけてやるか!!」
子供1「え?遊んでくれるの…??」
北野「ああ。付き合ってやる」
子供1「わーい!!」
子供2「やったー!!」
北野「ふん。単純な奴らだぜ(笑)」
子供1「じゃあ、鬼ごっこしよ!!」
北野「いいだろう。ちなみに、俺の中学時代の50m走の記録は4秒だ。それを知ってもなお鬼ごっこを挑んでくるとは、命知らずな奴らだぜ」
森田「いや世界レベル!!こんなところで平然と学生してる場合じゃない!!」
北野「すぐに追いついて見せつけてやるよ。この俺の圧倒的実力を。そして自分との実力差を理解して、絶望するがいい。しかし、その絶望こそがお前達のこれからの成長につながるのd」
子供1「じゃ、北野の兄ちゃんが鬼ね!!よーいスタート!!」
北野「え、ちょ、おい!!」
森田「逃げろ逃げろー!!」
杉本「逃げるでござる!!」
北野「ま、しょーがねーな…手加減して走ってやるよ。なんたってまだ5歳前後のガキどもだからな(笑) 俺の相手にはならねーよ」
森田「そうだね。最初は軽いジョギングで追うくらいがいいかも」
杉本「そうでござるね。それにしても、小っちゃい子は本当にかわいいでござるな…グヘヘ」
森田「なんか、君が言うと犯罪臭がスゴイな…」
北野「ほら、お前達もさっさと行けよ」
森田「うん。繰り返すけど、ちゃんと手加減しなよー?(笑)」
北野「わかってるっつーの。心配性だな森田は。」
杉本「ホントでござる。北野君が全力でやるわけないでござる」
森田「一番やりそうでしょ!!常識が通用しないし…」
杉本「それにしてもロリ達の走る姿は最高でござるな。ハアハア」
森田「あれ?警察呼んだ方がいいかな…?」
北野「よし。じゃ、そろそろいくぞー?」
子供1・2・3・4「「「はーーーーい」」」
北野「さて、と…」
北野「オラアアアアアア!!見つけたぞこのクソガキどもおおおおお!!」
ドドドドドドドドド
子供1「うわ、こっち来た!!」
子供2「え、なんか怖いんだけど…」
北野「待てやこのクソガキどもおおおおおおお!!」
ドドドドドドドドド
子供3「キャーーーー!!」
子供4「キモいいいいいい!!」
森田「いやめちゃくちゃガチじゃん!!さっきの話はなんだったの!?」
北野「ぶっ潰してやる!!マジぶっ〇してやる!!」
森田「そして口悪!!絶対関わっちゃいけないタイプの大人!!」
北野「絶対に捕まえてやる!!捕まえて嬲り殺しにしてやる!!」
森田「子供に恨みでもあんのか!?こえーよ!!って…」
北野「うおおおおおおおおおお!!!!」
ドドドドドドドドド
森田「…………………」
杉本「…………………」
森田「北野君、さっきから全然進んでなくない…??」
杉本「大袈裟な効果音を出してる割には、10mも進んでないでござる…」
北野「マジぶっ〇してやる…ゼエ、ゼエ、ハア、ハア…」
森田「しかもめっちゃ疲れてる!!ダッサ!!」
子供1「あれ??なんかあの人、全然近づいてこなくない??」
子供2「しかも、めっちゃ疲れてるよ!?なっさけなー(笑)」
北野「ゼエ、ゼエ、ハア、ハア、オエエエエエ」
森田「いや、マラソン走り切った人並みの疲労感!!」
北野「さてと、ゼエゼエ、そろそろ、ハアハア、本気出すか、オロロロロ」
森田「たかだか10mの疲労感じゃねえって!!死にかけてるじゃん!!」
子供1「ねえねえ。早く追いかけてきてよ」
子供2「そうそう。全然楽しくないよ」
北野「このガキども…ゼエゼエ、俺が本気を出せば、ハアハア、一瞬で追いつけオエエエエエ」
森田「いやもう、なんて言ってるかわかんねえ!!」
子供1「この人、全然ダメダメじゃん…」
子供2「おにーさんて、口だけなんだね…」
森田「5歳児に見抜かれてる!?」
子供3「つまんないよ。早く追いかけてきてよ」
子供4「こんなの、鬼ごっこでもなんでもないよ」
森田「いや、マジでそれな(笑)」
北野「ゼエゼエ、ハアハア、オエエエエエ」
森田「…………………」
北野「ゼエゼエ、ハアハア、オエエエエエ」
森田「ハア…しょうがない。僕が鬼を代わってあげるか…」
北野「ゼエゼエ、ハアハア、オエエエエエ」
森田「ほら。いいよタッチして。僕が鬼やるから」
北野「おお…森田…ゲホゴホグフ!!」
森田「病人じゃないんだから…ほら」
北野「タッチ」
森田「じゃあ、次は僕が鬼だ。さあ、捕まえるぞー!(笑)」
子供1「わーーー!!次はあのお兄さんが鬼だーー!!」
子供2「みんな逃げろーーー!!」
北野「ま、俺が本気を出せばこんなもんだな。鬼ごっことか、マジでクソチョロいゲームだわ。俺がちょっとでも本気出したら、こんな風にすぐ鬼が代わっちまう。しかも、あえてガキどもを狙わず、同じ高校生である森田を鬼にしてやった。俺ってどんだけ優しいんだ??マジで」
森田「…………………」
森田「あのさ、僕が鬼を代わってあげたんだけど??記憶喪失ですか??」
北野「いやホント、手加減しといて良かったー。鬼ごっこがクソつまんなくなるところだったぜ。どうよ森田。俺の手加減、めちゃくちゃうまかったっしょ!?」
森田「いや、君のさっきの走り、どう考えてもガチだったよね!?手加減してました感を出さないでもらえるかな??」
北野「いや手加減してたけど??なんだ、森田ならもう気づいてると思ってた。そうか、気づけなかったのかー、森田もまだまだだなーー(笑)」
森田「イライライライラ」
森田「ふーーん??超ヘトヘトに見えたけど??それに走るのも全然速くなかったし。まったく子供達に追いつく気配なかったけどなー?(笑)」
北野「バカが。俺が本気出せばあの程度の奴らを捕まえられないわけがないだろうが。俺は中学時代、強豪野球部のエースで4番でキャプテンだった男だぞ!?しかも超名門の高校からも推薦を受けていたようなレベルの男だぞ!?そんな俺が、あんなガキどもに追いつけないわけがないだろ??」
森田「あっそ。じゃあ、このまま君が鬼でも大丈夫そうだね!!はい、タッチ」
北野「…………………」
北野「当たり前だろバカ野郎。さて、と。ちょいと本気見せてやりますかねー?」
子供1「えー?またこの人が鬼やるのー?」
子供2「この人、足遅すぎてつまんない~」
森田「…とか言われてるけど?(笑)」
北野「ふん、バカなガキどもめ。自分が手加減されてるとも気づかないで、本当に愚かな奴らだ。これは少しだけわからせてやる必要があるようだな。仕方ない、見せてやるよ。この俺の真の実力を!!」
~5秒後~
北野「ゼエゼエ、ハアハア、オエエエエエ」
森田「いやもう、突っ込む気にもならんわ…」
北野「森田ゼエゼエ、助けてハアハア、森田オエエエエエ」
森田「ん??何か僕の名前が聞こえたような…?」
北野「森田ゼエゼエ、助けてくれハアハア、森田オエエエエエ」
森田「その「森田オエエエエエ」っていうのやめて!?なんかヤダ!!」
北野「森田ゼエゼエ、助けてくださいハアハア、森田助けテエエエエエ」
森田「ちょっと変わった!?」
北野「森田様ゼエゼエ、助けてくださいませハアハア、森田様お助けくだセエエエエエ」
森田「どんどん敬語になってる!?」
北野「森田大明神様ゼエゼエ、助けてくださいお願いしますなんでもしますハアハア」
森田「お前、もう疲れてねえだろ!?絶対元気だろ!?」
北野「いや、マジでゼエゼエ、ホントに無理ハアハア、鬼交代してくだセエエエエエ」
森田「わかったよ…しょーがないなあ…はい、タッチ」
森田「はい。僕が鬼になったから。じゃあ追いかけるよー」
子供1「わー!!逃げろー!!」
子供3「キャーーーー!!」
北野「まあ正直な話、俺が本気出せば捕まえるのなんてマジで余裕なんだよな。このガキどもは何もわかってないが、お前らには手加減してやってるだけだから。普通に考えて高校生の俺が、お前らガキどもを捕まえられないわけがないだろうが。まったくよー、最近の教育はどうなってんだ。本気か手加減かの違いもわからないんて…ハア。手加減のうますぎる自分がマジでつれえわーーーー!!」
森田「…………………」
森田「やっぱムカつくわ。はい、タッチ」
北野「…………………」
森田「…………………」
北野「あのさ。森田」
森田「何??」
北野「なんで、俺をタッチするの??」
森田「いや、そこにいるから」
北野「お前さあ、鬼ごっこがつまんなくなるだろうが!!」
森田「え??」
北野「俺が鬼になったら、このガキどもが文句言うだろうが!!」
子供1「えー?またこの人が鬼やるのー?」
子供2「この人、足遅すぎてつまんないよ~」
北野「ほらな!?」
森田「「ほらな!?」じゃねーよ!!いーのかそれで!?」
北野「だから、俺を鬼にするのはやめろ!!」
森田「じゃあ、本気出せば?本気出せば余裕でみんな捕まえられるんでしょ?(笑)」
北野「そしたら、鬼ごっこがさらにつまらなくなるだろ!?」
森田「いや、今が超つまらないんだけど!?君が足遅すぎるせいで」
北野「だけど、俺が本気出すと強すぎるから、もっとつまらなくなるだろ?だからお前が鬼やれ」
森田「どういう理屈!?」
北野「俺が手加減するとコイツらは文句を言う。でも、もし俺が本気を出したら、あのガキどもを悲しませることになる。そんな未来はお前も望んでないだろ??」
森田「いいから早く本気見せてよ。それで解決するからさ」
北野「わからず屋だな。平和的に解決するためには、お前が鬼をやるしかないんだよ」
森田「ハア……もうめんどくさ。もういいよ。じゃあタッチして」
北野「はい、タッチ」
森田「じゃ、今度こそ僕が鬼やるから。みんな逃げな。」
子供1「わーーー!!逃げろーー!!」
子供3「キャーーーー!!」
北野「あー本気出してえなー!!マジで見せてえなー、俺の本気!!でもコイツらの笑顔を守るためには仕方ねえんだ!!俺が我慢することで、コイツらの笑顔が見れるなら、それで本望さ…あー、これが実力と才能を兼ね備えすぎた男の宿命って奴なのか!?マジでつれえわーーー!!」
森田「マジで黙れや!!鬼やらせっぞコラア!!」
北野「ごめんなさいマジですいません本当に鬼やってくださいお願いします!!」
~続く~
 




