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怪奇!VRMMO世界を闊歩する要塞!  作者: キリシマサンサ
二章 「楽園の惑星」初イベント
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第十三話 貢献!異星人のこなす依頼の実態!

二章開始です。



 史上最高峰のVRMMO「楽園の惑星」が発売された初日、久しぶりにガッツリ熱中してゲームをやったので、ログアウトした後も興奮が冷めきらずに、どこか浮かれてしまっていた。


 目線を少し横に向ければ、機能ずっと着けっぱなしだったヘルメット型のゲーム機が置かれている。事前予約で抽選漏れして落ち込んでいたところに、サプライズでのプレゼントだったからな。


 そういえば、アンケートの回答者にランダムでプレゼントなんて、どこにも書いてなかったと思うけど、他にも当たった人ってどのくらいいるんだろう?


 スマホを取り出して、ネット上で噂かなにか流れてないかと検索してみる。「楽園の惑星」と検索窓に記入すれば、サジェストや検索数がすごいことになっている。


 アンケートでプレゼントされた人は、僕を含めて10人ほどいるらしい。アンケートをちゃんと答えた、っていう条件があったとしても、当選確率はコンマの後ろにいくつもゼロが並ぶはずだ。


 公式サイトを流し見してみれば、アンケートによるプレゼントキャンペーンについて、運営からの公式声明が出ていた。どうやら、事前予告なしでのプレゼント企画のため、不公平だという意見が出たかららしい。


 だが、運営はそんな意見は意にも介さず、キャンペーンを行った理由のみを述べている。


「今回、アンケートの対象者の中から、数人にソフトをプレゼントすることにしたのは、このゲームの多様さを楽しんでほしいからです。


 私たちは、異星のリアルとキャッチコピーをつけるほどに、細かいところまで作り込むことを、基本方針として定めていました。


 ですが、オンラインゲームという場では、どうしても強い職業や装備などが非常に多く使用される、という偏りを見せる事がよくあります。


 せっかく人数をかけて全力で作り込んだこのゲームを、一つの職業や装備をしたプレイヤーばかりの状況にするのは避けたかったんです。


 そこで、抽選で選んだアンケートの中から、多様な遊び方を促進してくれそうで、このゲームを長く遊んでくれそうな方にソフトをプレゼントする、という企画を考えました。


 ですが、このゲームに本気で向き合ったことで、強職業や装備を使うという判断を否定するつもりは一切ありません。本気で作ったゲームを、本気で遊んでくださることは、我々としても非常に嬉しいです。


 その上で、自由で多様な要素に満ち溢れた楽園の惑星を、存分に味わっていただければ幸いです。


 最後に、選んだプレイヤーを贔屓するようなことはないので、安心してください。我々は、このゲームを遊んでくださっている全ての方々が、最高に楽しんでいただけるように運営を行っていきます。」


 とのことだった。どうやら、抽選があったことに間違いはないが、完全ランダムではなかったっぽい。僕のデカいモンスターの背中に、建物を建てるっていう目標は、多様性の促進に効果的だと考えたみたいだ。


 それに、僕以外にも9人のプレイヤーが多様性に溢れたことをしようとしてるらしい。一体、その人たちはどんなことを望んだんだろうか?気になるなぁ。


 そんなことを考えながら、家事と食事を済ませると、ヘルメット型のゲーム機を起動する。再び意識が遠のくと、いつの間にか、初ログインの時に見たドアの前に立っていた。


 視界の端に映る髪は金色で、現代的な服装に革製のロングコート、ライフルを背負っている。すぐ横にあった鏡を見れば、美しい緑色の眼と目が合う。うん、やっぱりキャラクリはいい感じだな。


 フォートの姿になっていることを確認した僕は、キャラクリの完成度に満足感を得ながら、気を取り直してドアを開く。

 

 昨日よりも少し多様性が増した格好をしたプレイヤーたちが、広場を行き交う。ミカニス帝国帝都、中央広場に再び降り立った。


 さて、今日は何をしようか。Lv上げや素材集めのために狩りをするのもいいけど、昨日は激戦も多かったから、ジョブ関連のクエストでも受けに行こうかな?


 そうと決まれば、早速南側の魔獣総合組合に向けて歩き出す。木製の門をくぐり、受付に向かえば昨日と同じ女性が立っている。クエスト用の掲示板やら専用の受付なんかは見当たらないので、受付の女性に話しかける。


「こんにちは、テイマーのジョブクエストを受けたいんですけど、ここで合ってますか?」


 受付の女性は、こちらに気づくとほほ笑む。賑やかな組合の中でも聞き取りやすい、よく通る声で答えを返してくれる。


「あ、昨日登録してくださった方ですね。はい、クエストも受付で受諾や報告が可能です。よろしければ、別室にて詳細をお話しましょうか?」


 クエスト専用のカウンターみたいなのはやっぱりないらしく、受付で全部出来るみたいだ。それにしても、受付を離れても大丈夫なのか?気になったのでそう聞いてみれば、交代の人員も結構いるから大丈夫とのこと。モンスターを見ておくために、常に結構な人数が常駐してるんだとか。


 問題がないようなので、女性に案内されて別室に移動する。受付の脇にある階段を上れば、いくつも応接室が並ぶ一角にたどり着いた。いくつものクエストを紹介する場合や、重要度や緊急性の高いクエストを依頼する際に使われるって話だ。


「最初に自己紹介をさせていただきますね。魔獣総合組合受付の、フロンと申します。」


「ご丁寧にありがとうございます。フォートと申します、よろしくお願いします。」


 お互いに自己紹介を行う。フロン、やっぱそういうことか?いや、受付はいっぱいいるしな、偶然だろう。名前はおいといて、説明を聞く態勢に入る。


「まず、うちの組合が出しているクエストの種類についてご紹介いたしますね。クエストには、組合から組合員の実力や組合への貢献度を測るためのクエスト、外部の方がテイマーの手を借りるために依頼するクエスト、組合員としてのランクを上げるための昇格クエストの3つがあります。」


 ふむ、簡単に言えば組合員としての経験値を上げるやつと、RPGなんかであるあるの街の人からの依頼と、ランクアップクエストがあるわけか。


「組合からのクエストはいつでもお受け頂けますし、受諾していなくても達成していれば報告可能なものもあります。外部の方からのクエストは、期限や方法などが指定されますが報酬面が期待できます。ランクアップクエストは、難易度が高く設定されていますが、特別な報酬や組合で受けられるサービスの幅が広がります。」


「登録の際にも聞きましたけど、組合で受けられるサービスってどういうものがあるんですか?それとランクについても詳しくお聞きしたくて。」


 登録時はサラッと流したが、ランクとそれに付随するサービスについても詳しく聞くことにした。こういうのは早めに聞いた方がいいだろうし。


「分かりました、ではご説明いたしますね。ランクはE〜Sまでの6段階で、登録したばかりのフォートさんはEランクとなります。」


 ランクは色んなゲームでありがちな、アルファベット表記で最高ランクがSのやつか。Sが一番上なのって、海外の人からすれば不思議って話だけど、国産のゲームだから問題ないのかな。


「Eランクでは、クエストの紹介がサービスですね、組合員でないと依頼は紹介出来ないので。Dランクでは、モンスターの交配や合成が行えるようになります。また、ランクに応じて情報が解禁されます。上位ランクの情報もここに含まれており、現在のランクの一つ上までのサービスがお伝えできます。」


 なるほど、だから今Dランクのサービスまで教えて貰えて、それ以上はランクアップすると教えて貰えるわけか。それにしても、交配に合成か!モンスター育成系でよくあるけど、それぞれの個性や考え方が出る要素だよな。


「分かりました、ありがとうございます。次は、今受けられるクエストの紹介をお願い出来ますか?」


「はい、では既にテイムしたモンスターをお聞きして宜しいですか?テイマーが受けられる依頼は、モンスターで大きく変わりますから。」


 それもそうか、わざわざテイマーに依頼するってことはモンスターの力を借りたいってことだし、種類によって出来ることも変わるよな。


 ウィンドホークとクラップスタッグをテイムしていることを伝えれば、フロンは少し驚いたような顔をする。


「おお!昨日登録したばかりでレアモンスターを2匹もテイムするなんて、すごいですね!どちらも属性持ちですので、報酬高めのクエストを受けられますね。」


 そう言って、近くの書類の束からいくつか抜き出して見せてくれる。帝都の南側が農業の盛んな地域だからか、畑なんかの手伝いがあるな。


 雷養花用の肥料の作成、害鳥を遠ざける猛禽類募集、風で受粉を促して欲しい、速いモンスターに乗せて欲しいなどなどだ。


 属性持ちじゃないと出来ない仕事が報酬が良いらしいので、雷養花のやつと受粉の促進を受ける。戦闘もないので、失敗するようなこともないだろう。


「そのお2つですね、かしこまりました。それと、組合からのクエストも達成してますので、記録しておきますね。」


「もう達成していたやつがあったんですね。どんなやつですか?」


「えーと、初めてモンスターをテイムする、レアモンスターをテイムする、帝都東草原奥地のレアモンスターに勝利する、の3つですね。他の組合からの依頼は、ウィンドウからいつでも確認出来ますよ。」


 その言葉を聞いて、メニューウィンドウを開いて、クエストのタブに切り替える。今さっき受けた2つのクエストと、ジョブクエストという欄が光っている。


 タップすれば、モンスターを5体テイムする、フィールドボスを倒す、などのクエストが並んでいる。本当に実力を測るクエストなんだな。報酬を見てみれば、経験値とランクポイントが貰えるだけで、お金やらアイテムやらは基本的には無いっぽい。受諾してなくても達成報告出来るわけだし、妥当かな。


「確認出来ました。色々教えて下さりありがとうございました、さっそく紹介して下さったクエストに行って来ようと思います。」


「かしこまりました。クエスト達成の報告をお待ちしております、頑張ってください!」


 朗らかに応援してくれたフロンに見送られて、魔獣総合組合を後にする。前述のとおり、組合と同じ南地区が目的地なので、歩いていこうとした。その時、フロンが少し声を張り上げて声を掛けてきた。


「あ!南地区は広いですから、クラップスタッグに乗っていった方が良いと思いますよ!騎乗召喚じゃないと怒られちゃうので気を付けて下さいねー!」


「ありがとうございまーす!」


 と返して手を振る。そうかー、確かに帝都は結構広いし移動手段がないと、地味に時間を取られるだろうなー。騎乗召喚は戦闘行為が出来ないってことだし、街中で召喚しても問題ないってわけか。そんなわけで、道の端に寄ってクラップスタッグを喚ぶ。軽くいななきながら、魔法陣を通って出てくる。


 軽くクラップスタッグの首元を撫でて、勢いよく跨り雷養花の肥料作成に向かう。喚んだまま向かえば話も早いだろうし。この国は車やら戦車やらロボットやらが通るため、結構広い車道が整備されている。車に轢かれないように、軽車両が通るような車道の端っこを進む。


 カツンカツンと軽快な音ともに、少し跳ねるような軌道で走り出す。ハハハッ!これはすごい楽しいな!髪の毛を全て後方に流していく風は、人々の賑わいで熱気のこもった空気を吹き飛ばしていく。数分もすれば、あっという間に目的地に到着した。


 目的地の畑に、農作業を行っているおっちゃんがいたので声を掛ける。振り返ったおっちゃんは、僕がクラップスタッグに乗っているのを目にすれば、全て理解したような顔でこちらに来る。


「おっ、兄さんが組合に出した依頼を受けてくれたんだな?乗ってるモンスターを見りゃ一目瞭然だぜ!ほらこっちだ、頼んだぜ。」


 話が早いことに、早速案内してくれたのでクラップスタッグに乗ったまま向かう。そこには、柔らかく栄養を十分にため込んでそうな肥料が置いてあった。明らかに周囲の肥料とは少し離された場所にあるし、屋根もないので間違いないだろう。指を指して確認すれば、農家のおっちゃんはサムズアップで答えた。


「クラップスタッグ、あの肥料の山に雷を落としてくれ。」


 刹那、目の前が真っ白になり衝撃が納屋を揺らす。轟音と焦げた匂いが、肥料に命中したことを教えてくれる。雷養花のために配合された肥料だからか、雷を受けてもはじけ飛ぶようなことも、焼けすぎて栄養が飛んでしまっているようなこともなさそうだった。


「おおー、やっぱりクラップスタッグの雷は大迫力だねー!そいじゃ、あっちの方に積んであるやつもよろしくね!」


 そう言われておっちゃんが指さした方向を見れば、山積みの肥料がいくつも並んでいた。まあ、1回やって終わりだとは思ってなかったけど、結構量あるなー。クラップスタッグを見てみれば、まだ余裕がありそうだったので、クールダウンが明けてすぐに作業を開始するように指示した。


 MPが枯渇する心配はしなくても良さそうだったので、リソースの消費自体はそこまでみたいだけど、クールダウンは数十秒かかるようで、使いどころは考えなきゃいけないっぽいな。こうやって使い勝手の確認が安全に出来るのも、こういうのんびりしたクエストの利点なんだろうな。


「よし、全部終わったな!それじゃ、これが報酬の1000Wと雷養花の露だ。この露は、人が栽培してないと中々採れねえんだ、花が咲いてすぐに地面に落ちちまうからな。その分、結構使えるシロモンだから、有効活用してくれよ?じゃあ今回はありがとな!これが依頼達成報告書だ、評価も高めにつけてあるから、これからも頑張んな!」


 そういって、バシンと僕の背中を叩くと畑の入り口まで見送ってくれた。雷属性のモンスターさえいれば簡単なクエストにしては、非常に報酬がおいしい気がする。これは、もう1つのクエストの方も期待出来そうだな。この勢いのまま、2つ目のクエストもこなしてしまおうと、ウキウキでクラップスタッグを走らせる。


 目的地を伝えれば、自動運転のように勝手に向かってくれる。クラップスタッグを信頼して、移動しながらフレンド欄を確認する。2人ともログインしているみたいなので、用事とかが無ければ合流しないか、という旨をメッセージで送っておく。さーて、そろそろ目的地かな、っと。



今話を読んでくださりありがとうございます!

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