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怪奇!VRMMO世界を闊歩する要塞!  作者: キリシマサンサ
一章 VRMMO世界来訪
12/19

第九話 邂逅!異星人たちの会談!

二日連続更新です。



 さて、仲間を探したいわけなんだけど、どうしたらいいのかな。あんまりオンラインゲームの知識があるわけじゃないし、ヘルプ欄とかに何か載ってないかな?と考え、落ち着いてメニューを開くために近くのベンチに座る。誰も彼も忙しそうに歩き回っているので、人の多さにしてはベンチも空いていた。


 ヘルプ欄を開き、パーティメンバー募集の欄を見てみれば、どうやら条件などを記載してメンバー募集の出来る掲示板があるらしい。主要都市には、東西南北と中央の五つ、小さい村なんかでも一つはあるとか。僕は今、中央付近のアクセサリー店、魔獣の爪から出てきたところなので、一番近い掲示板は中央広場にあるやつかな。


 ようやく人の数が少しだけ減り、ある程度自由に歩けるようになった中央広場をグルっと周る。東側の街道に向かう出口のすぐそばに、大量の紙が貼りつけられた掲示板がある。視線を向けてみれば、多種多様な条件の記載された募集が、ウィンドウが開かれる形で現れる。


 タブを閲覧から掲載に変えて、条件を書いていけばいいわけだな。まず、前衛が欲しいことは書かなきゃだよな、後衛がさらに増えてもクラップスタッグに瞬殺されるだろうし。あとは、ギスギスしたりしない人かな、熱量の違いでのトラブルってよく聞くし、お互いのやりたいことを尊重しあって手伝える人がいいな。ちょっと高望みかもしれないけど、探してたらいつかは熱量の合う人がいるはずだ。


「おーい!そこの銃持ってる人!」


 ん?なんか誰かに呼びかけてる人がいるな、やっぱメンバーの勧誘か何かかな。というか、この国で銃持ってる人って呼びかけても、個人の特定能力ゼロな気がする、まあ関係ないから別にいいけど。さて、あとの条件どうしよっかな。人数は一人でよくて、ジョブの細かい指定もなしでいいな。


「そこの、掲示板見てる人!金髪の!」


 んん?なんか特徴が僕に似てる気がする、けど掲示板の前にいる銃を持った金髪も何人かいるし、僕じゃないだろう。このゲームで、誰かと話したこともないしな。


「まだ気づいてないみたいだな、あんただよ、あんた。」


 その声がすぐ後ろで聞こえたかと思うと、左肩にポンと手を置かれた。振り返ってみると、先ほど人波に流されていた、山賊風の大男だった。どうやら、キャラクリの段階で腕の見た目を変えているらしく、初期装備から脱却したのではなく単純に外見だけの違いだったらしい。


「あんた、さっき気になること言ってたよな。ちょっと話を聞かせてくれ、掲示板前にいるってことはパーティメンバーを探してるんだろ?条件が合致するなら、俺が立候補したい。」


 結局、彼が話しかけていたのは僕だったらしい。気になること、というのが何の話かは分からないが、見た目からして前衛職っぽいしパーティを組んでくれるのならありがたい。


「えーと、何を聞きたいのかは分かりませんが、パーティの件も含めて少しお話しましょうか。」


 そう言いながら、掲示板の前から離れながら、さっきのベンチまで戻る。大男は、話が早くて助かると笑顔で言うと、機嫌良さそうについてくる。ベンチに到着し、腰を下ろすと大男は話し始めた。


「名乗らないまま、話を聞くってのも礼儀がなってないからな、まず自己紹介をさせてもらう。俺はロボ、メインは拳闘士でサブが気功士の前衛アタッカーだ。よろしくな。」


 そう名乗ったロボは、ニッと笑いながら握手を求めてきた。少し荒っぽい話し方だが、気の良さそうな雰囲気だ。


 なんかこの国、そんな感じの人多くない?ティマイオスさんとダンガンさんもそうだったけど、やっぱ鉄火場にいそうな人たちはこんな話し方なんだろうか。まあ、ロボの話し方は若さが感じられるが。


「ご丁寧にどうも、僕はフォートです。メインジョブはテイマーでサブジョブは整備士をやっています。僕自身は完全に後衛ですけど、テイムモンスターのウィンドホークは前衛も出来る感じです。」


「そう、それだよ!ウィンドホークって、東草原の緑っぽいタカだろ?俺は、あいつに瞬殺されちまったんだよ、テイムしたってことは勝ったんだよな?一体どうやったんだ?」


 あー、なるほど。そういえば、さっき広場でロボを見かけたとき、ウィンドホークについて独り言を漏らしたな。その時は、ウィンドホークをテイムしてることは分からなかったはずだけど、今の自己紹介で確定したって感じか。


「どうやったか、ですか。単純に武器の相性が良かったのと、ウィンドホークがスモールラットに襲い掛かっていたのを観察して、ようやく勝てたのでロボさんの参考にはならないかもしれません。」


「なるほどな、確かに遠距離武器があるだけで一気に楽になるだろうが、観察してから戦う慎重さに、テイマーというステータスの低いジョブでアイツに勝つのは、フォートさん自身の技量あってこそだな。」


 あ、名前を知ってたら「さん」付けで呼ぶんだ。などとどうでもいいことを考えていたが、随分な高評価をもらったらしい。歴戦の戦士の雰囲気を纏ったロボからの高評価は、正直かなり嬉しい。


「ありがとうございます。それで、パーティメンバーに立候補したいというのは?」


 と、気になっていたことを聞く。確かにパーティメンバーを探してはいたが、なぜロボはほとんど知りもしない僕とパーティを組もうと思ったんだろう。


「それはな、俺が瞬殺されたウィンドホークに勝てる人ってのは相当に強いだろうからな。俺は、このゲームでトップを取ってやろうって意気込んでるわけじゃねえが、せっかくなら出来る限りは頑張りてえし、強くなりてえ。だから、フォートさんあんたとなら、結構いいとこ目指せるんじゃないかと思ってな。」


 ふむ、大体わかった。どうやらロボは、かなり向上心のあるタイプらしい。それに、自分の勝てなかったモンスターを倒した人間を、ここまで高評価するのは自分に自信があるからこそだろう。


 モンスターの背中に建築をするという僕の目標は、かなり難しいものだと考えている。背中に建築出来るということは、巨大なモンスターでないといけない。そして、大きいということは強いということだ、大体の場合は。つまり、強くなるのは僕にとっても重要なことなわけだ。


「分かりました。こちらも前衛は欲しかったですから、渡りに船です。僕も、僕の夢のために強くならなくちゃならないので、むしろこちらからお願いします。」


「よっし!じゃあこれで、パーティ結成だな!フレンドも送っちゃって良いか?DMとかもしやすくなるから、合流しやすくなるしな。」


 ロボは再びニッと笑うと、素早くウィンドウに指を滑らせ、フレンド申請とパーティ招待を送ってくれた。僕が、ウィンドウのどこにフレンドやパーティに関する欄があるのか分からず、色々といじっていると、サラッと教えてくれる。


 フレンド登録とパーティ加入を済ませると、ロボが装備の更新を行いたいというので、武器屋によることにした。


「ロボさん、装備更新って言っても素材とかお金とかあるんですか?」


「ああ、東草原ではそこそこモンスターを狩ったからな。装備に使えそうな牛革と蛇革を除いても、700Wか800Wくらいにはなるはずだ。」


 そう言ったロボの予想通り、露店で売った諸々の素材たちはいい資金源となった。ここ帝都で装備を揃えるなら、兎にも角にも北区に行くしかない。北区に少し入ったあたりの店は、初心者にも手頃な価格の商品を扱っている。


 どうやら、今ロボが装備している拳帯を強化するのに、蛇革を使えば攻撃に、牛革を使えば防御に寄せたものが出来るらしい。


「装備の強化の場合でも、結構好きな素材を使ってやってくれるんですね。ロボさんはどっちにするんです?」


「そうだなぁ、テイマーのフォートさんと組むことも考えたら、防御寄りの方が使い勝手良さそうだし牛革の方だな。」


 ロボは、僕のステータスも考慮して防御に寄せる選択をするらしい。しかし、僕のせいでロボの装備の選択肢を狭めるようなことはしたくない。


「気を遣ってくれなくてもいいのに。ロボさんが使いたい方でいいんですよ?」


「そうは言うがな、パーティで動くなら相手との噛み合いも考えた方がいい結果に繋がることも多い。それに、拳帯を選んだ時点で堅実にやるって決めてたからな。これは、気を遣わせないための方便じゃなくて本音だ。」


 ロボは、真剣な目をして言い切った。この言葉に嘘はないと確信できた。僕は、オンラインゲームでパーティを組んで一緒にプレイすることに慣れていないから、必要以上に制限しないようにと考えすぎてしまっていたかもしれない。


「分かりました、ちょっと気にしすぎてたかもしれません。これから一緒にやっていくんだから、こっちこそ気を遣いすぎるべきではありませんね。」


「そうそう、そのぐらいの気持ちでいてくれ。というか、別に敬語じゃなくても良いんだぞ?こっちは最初からタメ口だしな。多分、歳もそう変わらんだろうし。嫌だったら言わなくてもいいが、フォートさんはいくつだ?」


 確かに、ロボは最初から敬語ではなかったしゲーム内なんだから、リアルの年齢や立場を考えずに話してもいいとは思うが、初対面だと緊張しちゃうんだよな。


「えーと、僕は今20ですけど、そういうロボさんはいくつなんです?」


「俺は今22の、今年で23になる代だな。ほら、そんな変わんなかったろ。別に誰に対しても敬語ってんなら、無理に敬語外せとは言わんが、パーティ組んで長くやってくなら早めに外しちまった方が楽だと思うぜ。」


 ロボは尚も敬語を外すように言う。雰囲気からしても、本当に無理をさせたいわけではないことが分かる。それに、年上であるロボの方から言ってくれるなら、甘える形でもいいかもしれない。


「ロボさんは本当に気にしないみたいだし、お言葉に甘えてタメ口で話させてもらおうかな。」


「おう、甘えろ甘えろー。年上なんてもんには頼ってナンボだからよ、特に、俺みたいに世話好きな奴にはな。」


 と言って、またニッと笑う。体躯に似合った、厳つさと凛々しさを併せ持つ顔から、明るく安心感のある笑顔に変わると、非常に魅力的に見える。同性の後輩からは兄のように慕われ、異性からは憧れられるような人物なんだろう。表情の変化だけでもそう思った。


 言葉の端々から感じていたが、ロボは世話好きらしい。初めてオンラインゲームでパーティを組んだ人が、とても優しい人だったのは幸運だった。ロボの笑顔につられ、自然と口角が上がる。考え事をしていれば、ロボが疑問を投げかけてくる。


「そういえば、フォートさんもリスポーンしてたってことは、なんかにやられたんだろ。どんなヤツだったんだ?」


「あー、帝都東草原の奥まで行ったら、クラップスタッグっていうレアモンスターで雷属性のシカがいて、テイムしようと戦闘を仕掛けたら瞬殺されちゃって。」


「フォートさんが瞬殺ってやばいな、東草原の奥地とはいえ一気に強くなるもんなんだな。というか、レアモンスターってのはしっかり区分されて存在してるのか?」


 思い返してみれば、レアモンスターだとかユニークモンスターだとかっていう説明は、魔獣総合組合で受けたものなので、ロボが知らないのも当然か。ウィンドウのヘルプから、さっき受けた説明を見返しながら、ロボに説明を行う。


「へー、そういう基準で決まってるのか。つまり、ウィンドホークってレアモンスターをテイムしたあと、更にレアモンスターと思しきクラップスタッグをテイムしようとしてると。仲間に出来る数が決まってるってんなら、強いヤツが良いよなあ、分かるぜ!」


「それに、移動速度を上げたくてね。モンスターを騎乗用に召喚すれば、機動力が一気に上がるから探索なんかも便利になるだろうし。」


「そいつは確かに良さそうだ。なら、これからの第一目標はクラップスタッグのテイムだな!」


「良いの?こっちの都合に付き合わせちゃうことになるけど。」


「だから、そんな気を遣う必要ねえって。パーティメンバーが強くなれば、こっちも楽が出来る。それに、どんどんモンスターを狩ってLVを上げる以外の具体的な目標とかなかったしな。」


 こっちのテイムを手伝ってくれることに礼を言う。ロボはまた、気にするなと笑いながら強化の終わった拳帯を受け取りに向かった。ロボの装備更新が終わったので、LV上げと素材集め、連携の練習を行うために再びフィールドに向かった。



前話で登場したロボとの合流です。どうしてもロボやティマイオスみたいな口調が、すごい書きやすいんですよね。今話を読んで下さりありがとうございます!感想やブックマークなど、モチベーションに繋がりますので、気が向いたらお願いいたします。

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