EPILOGUE
俺を助けに来て以来、イオは塩対応ではなくなった。
むしろ俺が頼まなくても、ギルドで魔族討伐の話を聞いて助けに来たりもする。
「夕食に呼ばれても行かないけど、エカに危険が迫ってるなら行くよ」
と言うイオの腕には、相互転移の腕輪が装着されていた。
完全回避をもつ転生者は、前世と同じく俺を護ると言う。
それはとても頼もしく、嬉しくも感じる。
でも、出来れば夕食も来てほしい!
「イオ! 今日こそ連れて行くぞ」
「えっ?!」
世界樹の森、神々が作り出す修行の空間出入口付近。
剣術修行を終えて出てきたイオを、俺は抱え上げた。
加速魔法を使って逃げたりしないように、しっかり抱き締めた状態で歩き出す。
まあ、仮に逃げたとしても、相互転移の腕輪で追い付くけどな。
「おいおいおい、勘弁してくれよ」
「駄目だ。観念しろ」
暴れて腕の中から抜け出そうとするのを、しっかり抱き締めて阻止する。
放せ放せとグーで殴られても、顎に頭突きを食らっても、俺は耐えた。
軽傷なら治療できるフラムが協力して、俺のかすり傷は全部完治させてくれた。
イオはフラムが治せないようなダメージは与えてこない。
「やめろ。行きたくない」
「なんでそんなに拒絶するんだよ」
「家族のフリなんかしたくない」
「なら、友達の家に泊まりに行く感じでいいから来い」
言い合いながら実家に到着。
飛び出すように出迎える母さん、後から来た父さんとは打ち合わせ済みだ。
「やっと来てくれたのね」
「おぉっ?! やっと来たか!」
少々強引ではあるけれど、両親と俺の3人がかりでイオにゴハンを食べさせる。
家族揃って風呂にも入った。実家と俺の家の自慢は風呂がデカイことだ。
「じゃ、俺はソナと一緒に寝るから帰るよ」
風呂を済ませて、俺はイオを両親に預けて帰宅した。
恨めしそうに俺を見送るイオは、残念ながらその日の夜に脱走してしまったけど。
いつか家族として寄り添える日がくると信じよう。




