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彗星の如く

作者: y
掲載日:2022/11/21


常に兄と比べられ 生きていた。


どんなに頑張っても兄の隣には並べず

いつだって兄の背中を追い掛ける日々


兄が太陽だとするならば

僕は代わりが幾らでもいる

星屑のようなものだろう。


砕けた所で誰も気付かない。

気付いた所で見て見ぬふりをされる

そんな出来損ないの不良品。



なのにも関わらず

目の前にいる彼女は

僕の事が好きらしく、


いつだって真っ直ぐに

愛を伝えてくれるけれど


その度僕は愛される資格など

ないのにと申し訳なくなる。


嬉しい気持ちがない

と 言えば、嘘になるが



「 星は 何の役にも 立たないじゃないか 」


太陽みたいに 誰かを暖かく

照らしてる訳でもなくて


月みたいに明るく夜道を照らし

誰かの道標になる訳でもない。


星はただ光っているだけ


強いて言うなら


月を引き立たせる為の存在でしかない


まるで 僕みたいだ。





感傷に浸っているのもつかの間


「そんな事ないよ」と 彼女は言った


どうやら 思った事が口に出ていたらしい。


僕の手をぎゅっと握ったかと思えば


夜空を見上げて


「考えてみて。

どんなに太陽や月が明るく輝いていても

人々は、星に願いをかけるでしょ」


と 口にした 。


かと 思えば 、こちらを向いて


「星はね、希望なんだよ」と 笑う。


その言葉に 僕は吃驚して 目を瞬かせていると




それにね、星を見れば方角が分かるから

昔の人は 星を頼りに動いてもいたし


星は 太陽や月とは また違った事で 役に経つの。


目立ちはしなくても、ひっそりと

誰かの役にたっているんだよ



と 言葉を続けて。


まるで 僕が考えていた事が分かっていたかのように

僕の存在を肯定するかのような言葉を沢山くれた。


偶然なのだろうか。分からない。


分かっていようが いまいが

その言葉達のお陰で 憂鬱だった思いは 薄れ

気持ちが軽くなったのには、間違いない。


だから 三文字に想いを込めて 言葉に。


「有難う」と 彼女へ



繋がっている手に ぎゅっと力を込めた 。___



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― 新着の感想 ―
[一言] 星は希望、という彼女の言葉がすっと心に入ってきました。 確かに太陽や月のように唯一無二の存在ではないかも知れないけれど、その星はこの世にたったひとつしかなくて、何かが代われるものではないんで…
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