詩人にクチナシ
梔子の花がゆれている。荘厳にか細く。心のカケラのように………
狂える 詩人 呪いの 詩綴る
何も言わず 詩人 憎しみの 詩 だけを綴る
この呪いは何に向けて?
この憎しみは誰のために?
この怒りは何に向けて?
この痛みは誰のために?
狂った 詩人 呪いの 詩描く
モノも言わず 詩人 憎しみの 詩 だけを描く
この呪いは何に向けて?
この憎しみは誰のために?
この怒りは何に向けて?
この痛みは誰のために?
左手には天使の破壊する意志を
右手には悪魔の創造する意義を
胸にはたったひとつの心を
詩人にクチナシ
それで充分
梔子 口無し 朽ち無し クチナシ………
このまなざしは何に向けて?
この涙は誰のために?
この哀しみは何に向けて?
この想いは誰のために?
左手には天使の死にゆく宿命を
右手には悪魔の生きるべき希望を
胸にはたったひとつの心を
詩人にクチナシ
それで充分。