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御影の気持ち

 すっかり暗くなった外を見て、もう帰らなければならないことに寂しさを感じる。

 


 いつもは運転手がいるそうだが、わざわざ自分が運転すると言い出した彼女の兄に少し嫉妬しながらも、運転する姿に少し憧れを感じる。




 いつか、自分も彼女を助手席に乗せて…….

想像に浸っていれば、肩に瑞季の頭が乗ってきた。まだ、疲れているのだろう。寝てしまったようだ。


 

 自分の姿にドキドキするのは気持ち悪いのかもしれないと思うが中身が彼女だと思えば、やはり鼓動が速くなる。




 すると、前から嫌な視線を感じた。

 バックミラーから覗く姿にゾッとする。


 ーあとで覚悟してろよ。


 そんな声が聞こえたような気がする。

 さっきまでのピンクの空気から一転、氷山に取り残された遭難者の気分になった。




 やっと、いつもの景色が見えると肩の力が抜けた。氷山に30分いるのはものすごく疲れる。次乗る時は絶対、自分も寝てしまおうと思った。




 寝ていた彼女を起こせば、もたれかかっていたことに気づき、慌てて離れる。感じていた温もりが消え、肩が少し寂しい。



 


 彼女に門の警備員に顔を出すよう伝え、開けられた門の中へと進み、玄関前で止まってもらう。


 降りた彼女は優雅に降り、所作に美しさを感じる。

 


 彼女の兄が降りたので、負けるかと謎の意地を張り、自分も降りる。


 突然、目の前でおでこにキスをされ、それに平然と立つ彼女を見れば、習慣的にしているのだとわかる。………妬いてしまう。



 いつのまにか彼女の腕を取り、自分の腕に引き寄せていた。兄に凍てつくような目線を送られるが、流石に慣れた。わざわざ、ぎゅっと抱いてみせる。

 



 

 ……これ以上は命が危ないと本能が叫び、腕を緩めた。と、同時に魔王に引き剥がされる。人を殺ったことのありそうな目に、しばらくは夢に出てきそうだと思った。


 


 顔を真っ赤にする彼女を見て満足した思わず頬を緩める。しかし。兄に見られないよう、すかさず顔を力を入れ引き締める。



「バイバイ、また明日ね。御影さん。……ルー兄も。」


 隣で複雑そうな顔の彼女の兄を見て、勝った!と小さくガッツポーズをすれば、いつのまにか魔王に戻った顔で睨まれる。怖い。




 別れ惜しさもあるが、別れの挨拶を告げるのは嫌なので、


 「おやすみ、瑞季/如月さん」


それが、兄と被ったことが無性に腹立たしい。

 お互いに睨み合えば、彼女はクスクスと笑う。

恥ずかしさもあり、逃げるように車に乗り込む。



 しかし、彼女が玄関のドアを閉めるまで、決して目を離さなかった。


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