第八話:知り合いと秘密持ちの青年と
ここのボイルくんとの会話が、後々重要になってくる予定です。
誤字脱字等、ミスがあるかと思いますがどうぞご清覧下さい。
「あ、ガレットさんお久しぶりです。ヤートへは観光ですか?」
翌朝支度をして宿屋を出たところで話しかけられた。
話しかけてきたのは王国に配属されている兵士の様だが、騎士団とは服装が異なっている。
「...どなたでしたっけ?」
ガレットはどうやら、相手の顔に思い当たる節はないようだった。
「いやだなぁ、俺のこと忘れるなんて。"アクアヴェイル掃討作戦"で先陣切った5人のうちの1人、ボイルですよ!
確かに4年前のそれ以降、ガレットさんとは話す機会が無くなっちゃいましたけどね」
「...あぁ!あのチャラ男くんか。覚えてるわ!俺の班にいて一緒に戦ったもんな。雰囲気変わりすぎて分かんなかったわ」
「いやーあの時はロン毛で今は短髪ですし、何しろ結婚しましたからねぇ。そりゃ色々変わりますよ」
「結婚したのか!?それはおめでとう!」
「ありがとうございます。...まぁ、こっちの話はボチボチでいいんすよ。それより、ここにはどんな理由で寄ったんですか?」
「あぁ、今は王都に彼と向かっている途中なんだ。ここへは
道中、物資の補充と宿屋を利用しただけなんだ」
ガレットはアレクを軽く紹介した。
「...こちらこそ、宜しく、アレク!」
ガレットを引き寄せ何やら話しをし始めた。
(ガレットさん!こいつの******、***っすよ!****ばバーナさん***ですって)
(お前も気づいたか!こいつ***の***も高かった上に*****ハンパなく**んだよ。ぶっちゃけ、こいつがどこまで行けるか間近で見たいからパーティ組んだんだ)
2人してこちらに聞こえないようにひそひそ話をしている。ときどき俺を事を言っているようで何ともむず痒い。
「...そういえば、ボイルさんはここで何を?普段は兵士の方は居ないって話しを聞いたんですが」
アレクは空気を変える為に、ボイルに質問をしてみた。
「...っと、確かにヤートに警備兵じゃなく王国兵士がいるなんて普通じゃなさそうだな・・・何かあったのか?」
「...実は今、森の調査中なんです。研究所から報告がありまして、不自然に森が動いているそうで」
「ヤートの人達はあまり出歩かないんで、少人数でちょこちょこと調査している訳です。
ただちょっと問題が発生しまして、禁止区域内から毒の成分が出ていると内線で俺だけに報告がきまして...俺一人で調査じゃ不安なんです。そこでガレットさん達について来て貰いたいんですが...」
「同行者はいないのか?」
至極まっとうな意見である。
いくら元騎士団だからと言っても、今はただの冒険者であるガレットに頼むのは何かおかしい。
「...信頼できるガレットさんだから言いますけど、俺、今別件で動いていまして一部の部下を除いてどんな任務か言えないんですよ。
なので、その信頼出来るガレットさんならと思いまして...
後、妙な噂を聞きましてね、何というか...
言いにくいんですが、実は毒を封じ込めていた岩が先日、消失していたらしいんです」
「「...」」
・・・岩?毒を封じていた岩って言った?おや?何か空気が変わってきたぞ。
ここはきちんと聞いていた方がいいな
「ど、どんな岩だったんですか?魔法が掛かっているとか喋るとか何か特徴はあったんですか?」
「ん、以前の報告によれば元々は魔法陣の上に護符が貼られた岩があったらしいが、どうやら、一年前からはセーペンティから採れる珍しい鉱石に魔法を掛けていたらしい」
それが、先ほど言ったようにこつぜんと消失していたらしいです。と続けた。
アレクとガレットは見合わせて、苦笑いを浮かべた。
何故なら!まさしく先日、ハーディンクレイなるセーペンティの長を討伐したのは彼らだからである。
まさか、あれが毒を封じ込めていたなんて知る由も無い2人はプロロの為を思い、精一杯やった結果であった。
(こ...こここれれははぁ、まずずいぃででで...すよ!!ガレットさんぅ!!)
(これはいかん、何とかして誤魔化さなければ死罪ものかもしれん)
向かい合った二人はこくっと頷き、ボイルに向き直した。
「よし!お前の依頼、俺達が引き受けた!」
「ホントですか!?すんなり受けて頂いて助かりました。
ガレットさん結構ドライな部分あるんで、奥の手使わないとって思って...」
奥の手って、何なんだよ。とうとう物騒な事言い始めたぞ。
「いやー、プロロの知り合いに聞いたんですが、お二人とも
プロロでは大活躍だったそうでー」
あ、この人結構強かだなぁ。奥の手って脅しなのね。
王国の兵士こっわいわあ
「ま、まぁ、あれはあれで結果プロロの町を救ったからな。問題は、一年前に封印方法が変わった事だな。以前の方法であれば問題は無かったはずなのに変更された。しかもそれがプロロの問題とも繋がる。
それはあまりにも出来すぎたイベントって感じだな」
ガレットは、ボイルと何かひそひそと考察しているみたいだ。
「わざわざすみません。今日の宿代は俺持ちですんで、荷物は部屋へ置いてもらって、準備出来たら外に出てきて下さい」
こうして、また厄介ごとを引き受け今度は禁止区域に潜入する事になったー。
いよいよ次話からヤート編のバトルに入っていきます。
バトル描写っていうのは文字にするの大変ですねぇ。
世の先生たちってすげえ。
次話もどうぞ宜しくお願い致します。