第四話: 説明する青年と寝れない青年と
なかなか盛り上がる展開がないですが、次回からバトル要素が入ってきます。
誤字脱字等ミスがあるかと思いますがご清覧よろしくお願いします
「お前ってマジで何者なんだ??フィーネの村出身者は皆こんな感じなのか?」
この質問ももう何度されたか忘れた
「いつも言ってるじゃないですか、俺はただの村民だったって、晴耕雨読ですよ、フィーネは基本コレでした。俺がすごいって言ってくれますが、村の皆はもっとすごい人達でしたよ!」
「極め付けは村長です!その昔、世界を支配しようとした魔王相手に肉薄したらしいです 英雄オベロンとともに旅をしたのも村の中で語り草になっています」
ガレットはぎょっとした、いや唖然とした表情でアレクを見た。
「......」
「びっくりするのも無理はありません 英雄オベロンが活躍したのは村長いわく400年前。もうこの世にオベロンはいませんし、そもそもそのような歴史があったのかさえ疑問視される方もいるようです」
「...お前のとこの村長は何者だよ」
ガレットは当然の疑問を投げた
「村長は精霊様ですよ」
アレクはあっけらかんと答えた
続けて、フィーネは精霊様の加護によって守られていますから、と
「しかし、それではフィーネの強さについての答えになっていないぞ。」
「それは...すみませんが俺もよく分かりません。他の村や町の人達がどれくらい強いかなんて比べた事も無かったですし」
「それもそうか...俺もフィーネの事はよく分からんしな・・・ まぁぼちぼちでいいわ。」
・・・
ガレットと組んで、2週間程度たったある日、ギルドは殺気立っていた。
どうやらプロロとヤートという街を繋いでいる街道が、謎の岩の出現で通行止めになっていると噂があり、王国から正式にギルドへ依頼があったそうだ。
「これは中々骨が折れそうな依頼だぜ。情報によると"邪魔な岩"は何かによって魔法も掛からないそうだ、そのせいで岩は動かせず、掘削機もダメ お手上げでギルドで解決して欲しいらしい」
「報酬は5万Gだが、どうもその岩が宝石が獲れる岩らしく、皆血眼になって方法を考えているみたいだ。・・・お前はどうする?」
「...そうですね。王国から直々に依頼が出ている以上、受けないとアピール出来ないので受けますが、状況が分からないので現地に一回行ってみたいと思います」
「OK!ヤートに行くついでだ!お金も名声もさくっと貰っちまおう」
「はい!」
・・・
「あらガレットさん、アレクさん今日も "薬草採取" ですか?いつもありがとうございます」
「いやー 今日は殺気だったギルドの雰囲気を和らげようかなって... つまり、 "不思議な岩" の依頼を受ける」
「! 本当ですか! ...実は、ギルド内で何名も受けて頂いなているんですが、未だに原因すら分からない状態なんです。 宜しいですか?」
「おー まぁアレクがいれば大丈夫だと思うぜ!」
「アレクさん、ですか?」
「あぁ、こいつはまだ自分が何者か知らないだけなんだよ。それを徐々に分からせたい、だから実績が欲しいんだよ」
受付嬢はフフフと微笑ましいような、そんな表情で受け応えている
「ガレットさんがそんなに入れ込むなんて初めてですね、
アレクさんにもお世話になっていますので、お二人とも怪我には気をつけて下さいね」
・・・
「さて、現場に着いた訳だけど......かなりデカいな」
プロロとヤートをつなぐ街道は、山岳地帯を削り出し掘られた谷底にあるため、道幅は広くない。
その道幅全体を埋め尽くすほどの岩があり、人一人通れない
様子だ。
そこには複数の冒険者だろうか、岩に向かって魔法を放ったり、掘削機で掘ろうとしている人達がいる
「...こりゃ今日もダメだな 魔力が尽きちまったし、工具もまったく歯がたたねぇ」
「お前たちも挑みに来たんだろうが、恐らく無駄だぜ
俺たちはともかく、トニーの馬鹿力でも傷一つつかねぇ岩なんてどうしようもねぇわ」
そういって冒険者達はとぼとぼと足取り重く町に帰って行った
「...傷一つ付かないってのが気になるな...何か魔力が通ってんのか?」
ふと気になって岩に触ってみる
目を閉じて意識を岩に集中させる
「・・・」
脳内には見たことが無い景色が広がっている
ー山岳地帯...プロロ周辺である事は間違いないー
そうアレクに決定づけさせたのは、ずいぶん下の方にプロロとこの街道が見えていたからだ
ーお前は誰だ?私の意識とリンクしているお前はー・・・
ハッとアレクは思わず目を開けて意識を戻した
「大丈夫か!アレク!心配したんだぞ、2時間くらい目を閉じて反応もしなかったから」
「・・・どうかしたのか?」
「...この岩の原因は魔物です、意識が一瞬その魔物とリンクしました。場所は眼下にプロロとこの街道が見えましたので反対側の山岳地帯と思われます」
「なんだと?お前は魔物とリンク出来るのか?
テイマーの特殊スキルだぞ!?お前テイマーじゃないんだろう」
「えっええ...特にテイマーじゃないですけど、何となく意識を岩に集中させたら突然リンクした感じですね」
ガレットはマジかよ...といった感じでアレクに対し若干引き気味でもある
「...とりあえず、魔物がいる場所に明日朝から行ってみよう
今日は一旦道具とか揃えてから宿屋で休むぞ」
はい とアレクはおちついて返事をしたが、内心はとてもワクワクしていた
(今日、寝れるかなぁ)
ご清覧ありがとうございます。
ぜひ、次話も宜しくお願いします。