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それは懐かしい世界  作者: ととあき
プロロ編
1/19

第一話:飛行船と青年と

初めて書きました。遅筆、誤字脱字等ミスがあるかと思いますが、読んで頂ければ幸いです。

 ―バササッ「---ッ!―ーー」

木々が生い茂る森の中に青年が落ちてきた。


ゴッ!バキバキ!ドッン!


「...ッ!...イッタタタ」

「フー...危うく罪人になるところだった」

落下青年がつぶやく。


「ここは何処の森だろう?」

「ストゥに近ければいいんだけれど」


それにしても、よく腕一本の骨折だけで済んだものである。

我ながら頑丈に生んでくれた母や日頃から鍛えてくれた父に感謝しなくてはならない。


移動の前に、骨折した腕を動かないように固定しなくては。


「えーーっと、木の枝、木の枝っと」

あと蔓状の植物だな。


しばらくして―――。


「最悪の始まりになっちゃったなぁ。犯罪者になりかけるわ。腕は折れるわ。道に迷うわ。」


ネガティブになってしまうのも無理はない。


青年は今日、村を飛び出した。家族に顔向けできるくらい偉くならなければ、村に帰ることが出来ないのだ――――。

===============================================

 ストゥ王国最北端に位置する山フィーナ。

その山の麓にある山村フィーネは一言で言うと「悠久の時を刻む村」いつも変わらない日常。これまでも、これからも、変わる事がないであろう日常がそこにはあった。


「こんなもんかな」

「いつもありがとうねアレク。」

「良いんだよ。いつも野菜とか貰っていってるだろ?」

「私が言いたいからお礼を言ってんだよ。野菜はそのおまけさ。」


 アレクと呼ばれた青年はいつもと同じ様に村のあちこちを手伝い、そしていつもと同じ様に家路に着く。この暮らしに飽き飽きしていた。


 確かにここの村は暮らしやすい。皆は優しいし、色々な話し(じいさん達は武勇伝。ばあさん達は知恵。)をしてくれる。狩りをする為の技術や知識も惜しみなく教えてくれる。

贅沢な暮らしではないが、不満はほぼない。

たったひとつ、あるとすれば外との繋がりを持てるのは大人達のみって事だ。


-子供が外の世界を知る事が出来るのは本のみということ-


しかし、そんな子供アレクとも明日でお別れだ。


「ようやく明日で18歳だからなぁ 外の世界はどんな景色、物があってどんな人達がくらしているんだろう?」


・・・


「ただいまー!」

「「おかえり」」

「今日はちょっと遅かったな。物思いにふけってたか?」

「んー。そんなとこかな今日が最後のこの村での作業だったし。」


「いよいよ明日ね。アレクは王国の兵士さんになるのよね?」

「その予定だよ!明後日に王都で試験があるらしいからそれに合格すれば晴れて夢の兵士だ!」


「まさかお前が兵士とはなぁ、俺はてっきり冒険者になるっていうと思ってたんだがな」


「おれは人や暮らしを守れる人間になりたいんだよ。兵士はその最前線であって色々学ぶ事が多いと思ってさ。」


「そうだなぁ、兵士になれば色んな経験させて貰えるだろう。せっかくお前も村を出るんだから頑張ってみろ!」

「頑張るのは良いけど無理はしすぎないでね。お母さん達はアレクが無事だったらそれで良いのよ。」


「あぁ、ありがとう やるだけやってみる」

この日はアレクの誕生日を迎えるまで家族で語り合った。


ー短夜明けー


「じゃあ、行ってくる!」

「アレク!」

「!」

「自分を信じろ!」


 父の言葉に呼応する様に胸が熱くなる。声を出すのが少し恥ずかしくなり、アレクは振り返らず、拳を軽く突き上げて返事をした。



さっそくアレクは目的地である王都ストゥに行くため、近くの飛行場にいた。


「すげぇ!これが飛行船“プロビデンス”かぁ 初めて見た!っていうか飛行船自体初めてなんだけどね」

アレクはめちゃくちゃ興奮していた。それもそのはず、彼は村から獲物を狩りに行くことはあっても、こんな人混みは初めてである。


「どこから乗るんだろう?」


「乗船券をお持ちの方はこちらから順番に乗ってくださーい!」


券を買わないといけないのか。販売所はっと


「すみません。券は何処で買えますか?」

「販売所はあちらになりまーす!」


って遠ーっ!めちゃくちゃ遠いじゃん!

「乗船時間は残り5分ですよー!もう本日を逃すと次の乗船は約1か月後ですー!最悪、券は割高ですが中でも買えますよー!」


券を買いに行く時間はないみたいだ...

「仕方ない。なけなしのお金で乗ろう。すいませーん!乗りまーす!」

「急いでくださーい!!」


アレクは無事、王都ストゥ行きに乗船することができました。

そう、船に乗ることだけは...


高度3000m上空中―――王都ストゥまで後8000km————

「では、乗船券を拝見いたしますので持っていない方はその場で支払ってください」


アレクの番が来るまで誰もその場で買った者はいない。

「券をみせてください。」

「すみません。持っていないのでください。」


ざわざわっ!

え、なに?このざわつき...


「そうですか。では15万Gお支払いくださいませ」


......は?


この人、今15万って言った?


「どうしましたか?販売所で買っていないのでしょう?であれば15万Gになります。」

「......もし、万が一もっていない場合無賃乗船となりブタ箱行きですね。」

「さあ早くお支払いを。」


考えさせる時間を無くすように早口で乗組員の人は言った。

アレクは荷物を置いてダッシュで逃げ出した!


「...ガーガーッ...こちら5階客席、一匹の豚が逃げた。至急要請する。どうぞ。」

「...ッザーザーザー...了解した。業務に戻っていいぞ。」


 アレクは今、積み荷のある倉庫に隠れていた。

村で鍛えた身体能力を遺憾なく無駄なことに発揮していたが、ここで捕まるわけにはいかない。


 王都の兵士になるために前科もちは避けなければならないからである。



 そんな事を考えている内に倉庫に一機のドローンが飛んできた。

 ドローンなんて見たことも聞いたこともないアレクは思わず見入ってしまった、一瞬。


 ドローンは的確にアレクのいる場所に向けて網状の捕縛攻撃をした。


 「!くそっ!そのまま捕まるよりマシだ!」

アレクは飛び出し、ドローンの脇を抜けるように走る。


(あのドローンはおそらく俺を殺さず捕まえるようにプログラムされているみたいだな)


(捕縛してきたのがその証拠だ!)


出口までもう少しー。


低圧電撃を放とうとしているドローンを確認したアレクは出口に向かってダンッ!と跳躍をした。


(ばかめ!下手にジャンプしたりすれば空中では身動きが取れんだろう!?)


(出口から出た瞬間お前は終わりなんだよ!)


ばっ!とアレクが飛び出した瞬間を見計らい、待ち構えていた警備兵が銃剣を振り下ろすー。


 その刹那。アレクは空中で回避した。まるで壁を蹴るかのように方向転換してかわした。


警備兵は驚いたが追撃しようと横に払おうとしたが、ドローンの電撃が警備兵に直撃した。


「エラー発生。エラー発生。解除する為には再起動させてください。」


思わぬ形で警備兵とドローンを一網打尽にしたアレクは倉庫を後にした。


「しかし早く何とかしないと王都に着くまで命懸けの鬼ごっこしてる暇はないぞ...」


 うーん。。と悩んでいたアレクは近づいてくる人に気がつかなかった。


「...もしもし...困っているのかな?私が見る限り、君には無限の力があるように見えるんだがね。自信がないのか?私が力を与えよう。君は選ばれた。」


なんて事を言う老人(?)に対しアレクは妙な感覚に陥った。


見るからに怪しそうなのに、怪しくない。懐かしさすら感じる老人の手からポゥと淡い光が漏れている。


 手を差し出しなさい。とアレクに言い、それにアレクも応じるように手を差し出す。


(あったかい感覚だ...全然不安じゃない。力が湧いてくる感覚だ)


 アレクは、各攻撃耐性、状態異常耐性、特殊スキルを獲得しましたー。


「さぁ!自分を信じたまえ!それは君が大切にしている人達を信じるのと同義だ!」


はっ!とアレクは我に返った。


「ー居たぞ!あそこだ!多少の傷は構わんから捕らえろ!」

背後から複数の警備兵が近づいてくるのが見える。

飛行船の縁に立ち迷わず飛び降りた。


「「なっ!?」」「ばかな!ここは上空8000mだぞ、自殺志願者だったのかよ!?」


 上の方に小さく警備兵が覗き込んでいるのが確認できた。


ー自分を信じろ!ー

ご清覧ありがとうございました。遅筆ながら続きを書いていきますので、これからも宜しくお願いします。

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