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二日目終了

 結局、あのスナイパーと遭遇する前に第二試験は終了してしまった。 

 最終成績は中宮高校の生徒が一位という結果に終わり、俺は僅差で二位に甘んじた。

 ちなみに、第二試験終了時点での生存者は十名もおらず、教師陣からは「死にたがりが多すぎる」と苦言が漏れたほどだ。

 残念なことに天音を除いた三組のメンバーはそれらに該当してしまうようで、夜の反省会では目線が下がって珍しく落ち込んでいるようだった。

「ああー、もう!あんな人数に囲まれたらどうしようもないじゃない!」

 詩恵は今日の戦闘にかなり不満があるようで担当の教師が退室するなり不機嫌さを隠すこともせず喚いた。

「声がでけえよ。子供じゃねえんだから」

「しょうがないでしょ。悔しいものは悔しいのよ」

「まあ、詩恵の電子刃は集団相手だと選択肢が狭くなってしまうからな。課題が見つかったいい試合だったんじゃないか?」

「・・冷静な考察ありがと」

「ほら、もう機嫌直せよ。キットカットやるぞ」

「ありがと!餌で釣ろうって考え方は悪くないわね」

「詩恵は花より団子ね」

「なにそれ?昔のことわざかなにか?詩恵って文系だったの?」

「この学校にいて文系なわけねえだろ」


「それにしても天音はすごいわね。あれだけの敵が居てもあっさり上位に食い込んじゃうんだから」

「奇襲がうまくいけば最初はこれくらい出来ないとな。『見えない斬撃(ミラージュ)』を使っての攻撃は誰が相手にしても初見で見破れるものじゃない」

 不意打ち。多角攻撃。殲滅力。

 『ソーサラー』の性能は計算力に依存する分扱いは難しいが、それだけの力を持っている。それらすべてを発揮できているとは思わないが、少なくと電子刃の性能という点だけは他から突出したアドバンテージを得ているだろう。

「弱点がないわけじゃない。梶先生が言うには『ソーサラー』は欠陥品でたまたまこういう性能に組みあがっているらしい。だから、起動中に本体を殴られるとおそらく操作が乱れるだろうと」

 どこまでも精密で完璧に見えて欠点ばかり。

 皆はこの武器をうらやましいというかもしれないが、俺からすればもっと扱いやすい武器の方が戦いやすかった。

 扱いの面倒くささだけならどこかの誰かに比肩するレベルだろう。

「ふーん。で、どうして弱みを自分から話すのかしら?まだまだ試験は二日目なんだけれど」

「味方には話しておいた方が話が早いからな。それが見えていれば、俺の動きも予測しやすいだろう」

「器が大きいのね。私なら自分の弱さなんてわざわざ見せようとは思わないわ」

「そうか?」

「まあまあ、ミーティングはこれくらいにして、明日もあるんだからさっさと飯にしようぜ」

 戦闘の興奮が冷めやらぬ詩恵と話していると時間の経過が著しい。

 すでに時刻は七時を回り、他の生徒たちは夕食のために部屋を出て天音たちを含め数人だけが残っている状態だ。

「そうだな。今日は少し調整もしたいし、そろそろ食堂に、」

「あ、いましたいました。城野さん!」

 詩恵を宥め、ようやく夕食というタイミングで、やけに調子の良さそうな明るい声が部屋中に響いた。

「どうした、津久野」

 第一試験で、一年生とは思えないほどの機動力で成績に貢献してくれた少女。

 たしか、電子刃の調整で新藤に連行されて以来だった。

 話の途中でまだ話したいことはありそうだったが、あまりにも強引な新藤に俺も会話を断念してしまったことを今更のように思い出した。

「昨日は済まなかったな。新藤の相手はさぞ面倒だっただろう」

「ええ。あまりにもしつこくて、結局電子刃の調整まで手伝わされました」

 昨夜のことを思い出したのか、津久野はぶるりと身を震わせ、重ねて「大変でした」と切実な言葉を漏らした。

「それで、『グリーム』の調整は新藤の望み通りになったのか?」

「それは保証しますよ。なんせてっぺん超えても寝かせて貰えなかった私の恨みつらみが凝縮されてますからね」

「仲良くなったんだな」

「仲良くありません」

 彼女は即答したけれど、初対面であれだけ険悪な雰囲気を出しておいてそれだけの時間相手が出来るのだからもともと気が合わないわけではなかったのだろう。

 戦闘の話でも何でもいいが、話があわなければそこまで粘り強く付き合うことなど出来ないだろう。

 彼女は十七室の中でも自分以外とはあまり話をしていなかったし、興味のある相手以外にはとことん無頓着であることは接していて分かった。

 新藤はそこまで信用が置けるような人間ではないが、彼女のような一匹狼にはちょうどいい仲間なのかもしれない。

「その調子で新藤が悪さをしないようにしっかり見張っておいてくれ」

「ぐっ……城野さんの頼みならしょうがないですが、あの人本当に戦闘狂でそんな話ばっかりなんですよ」

「でも嫌いじゃないんだろう?」

「まあ、私も相当ですからね」

 やはり照れ隠しだったようで、新藤とはそれなりに気が合うらしい。

 正直なところ、初対面があんなものでなければ自分自身、そこそこ頼れる人間だとは思っている。

 プラスマイナスでいえば圧倒的にマイナスの方が大きいが、彼の豹変ぶりを見ているとその評価がゼロを上回るのもそう遠くない話のように感じる。

「天音。その子は?」

「そうだな。立ち話もなんだし、今から食堂に行くところだ。津久野も一緒にどうだ?」

「ぜひ」

 案外人懐っこい津久野のことだ、徹やす雀とはすぐ仲良くなるだろうし、戦闘好きという点では詩恵とも相性がいいだろう。

 三人も嫌な顔は少しもせず、二つ返事で了解してくれた。


十二月もすでに折り返し、2020年も十日を切りました。

年内に百冊本を読むと決めて始めた読書日記ですが、開いてみるとそっちの方はまだまだ折り返しには程遠く不甲斐なさを覚えますね。

高校の頃は二十歳までにデビューなんて時間があり過ぎると思っていたんですが、もうすでに二十代に突入しているのだから時間が過ぎるのは本当に速いです。


しかし、何年たっても作家になるという夢だけはなくならないんですね。


この作品がこの先伸びるかどうかは自分ではまったくわかりませんが、私の作品が書店に並ぶ光景を思い描くだけで心躍り、指もキーボードの上で踊ります。

 

SNSが苦手な私はこんなところでしか話すことは出来ませんが、諦めないことにかけてはどんな大物にも負けないつもりです。


本業との兼ね合いで毎日の投稿が難しくなりましたが、これから何卒よろしくお願いします。

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