表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/67

5 通勤時間って無駄じゃね?


いつもはギリギリまで寝ているために朝ご飯は食べないことも多いのだが、今日の朝は洗足池駅近くのパン屋でウインナーロールを買って池のほとりで食べた。カラスが遠目に俺の方を見てきていた。あげないよ?


いつもどおりの満員電車の中で、昨日のことが本当のことであったか幾度も反芻(はんすう)し、その度に高揚感の残滓(ざんし)を味わった。良いワインを飲むと一週間くらい余韻(よいん)が残るっていうアレですよ。


やはり何度考えても、あのことは現実であったのだと俺のイデアがささやいていた。洞窟にワープしたのも、あんなキノコさんが動いていたのも、科学的に絶対ないとは言い切れないのだ。宇宙の96%を占めてるダークマターさんとダークエネルギーさんとがタッグを組めば、なんだってやれないことはない。


「おはよう」

「・・・」


職場の部下は挨拶に返事ひとつ返しやしない。事あるごとに(おご)ったりしてやってるのに、、、まあ目の前の仕事に追われてしまっているだけなのだろうか。


パソコンの前に着いた俺はいつもどおりそのまま深夜まで動くことはなかった。朝ご飯を食べておいて良かった。


なぜか身体は軽かった。


__________


(そういえば今日は金曜日だ、、、土日も今週は奇跡的に出勤予定が入っていない!)


俺の意識は当然、あの洞窟・・・もうこの際ダンジョンと呼ぶことにしよう、あのダンジョンにしか向いていなかった。

親が買って残してくれた六畳一間のアパートに一人暮らしだし、彼女もいないから何しても自由だ。まさにオールフリー状態。


朝、池を眺めて分かったことだが、少なくとも朝の時間にはあの空間の(ゆが)みは存在していないようだ。丑三(うしみ)つ時の時間帯だけなんかな。


いったん自宅に帰り、服をジャージに靴を運動靴に替えて、午前2時に特段何も(かつ)がず池の方へ向かった。


果たしてダンジョンはまだあるのだろうか。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ