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はじまりは初恋の終わりから~  作者: porarapowan
はじまり
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68.ルークの気がかりと決意

 そして、いよいよラフィリルへ向かおうとしたその時、ルークはルミアーナの何気ない言葉に、浮かれていた自分に気づき我にかえった。


 その言葉とは…。


「ルーク、よかったわね。本当に!イリューリアなら、きっと()()()()()()()()受け入れてくれるわ」という祝福の言葉だったのだが…。


 一見して順風満帆にみえたルークとイリューリアだったが、ひとつだけルークには気がかりがあった。


 イリューリアを想うその気持ちに偽りはなかったものの、成り行きと勢いで、今日まできてしまい大きな問題を深く考えないままにラフィリルに帰ることとなった。


 その問題とは、ルークのもつ力の事である。


 今日にもラフィリルへ帰るとなった今さらになってルークは考えた。


 自分の心を読まれていると知ったらイリューリアは、自分から離れて行ってしまうのでは?…と。


 もちろんわざと読んでいる訳ではない。

 強すぎる意思や感情は、聞きたくなくとも聞こえてしまうのだから仕方がない。

 何とか制御したいと色々とためしたが上手く行ったことは無かった。


 例え耳を両手でふさいだとしても頭の中に聞こえてくる声までは制御できないのだ。

 気にしないようにするだけである。

 つまりどんなに耳をふさいでいても、耳元で怒鳴られれば嫌でも聞こえてしまうのと似た状態である。


 逆をいうと本人すら意識してない言葉等はある程度無視できるのだが…。


 ルークにとっては聞こえてしまう事が普通なのだが、それを受け入れてくれる人間などそうそういる筈も無いと理解している。


 このことを知るのは、ラフィリルの大神殿長であるデュムトリア老師と月の石の主ルミアーナくらいである。

 老師は同じ力を持つ唯一の血族であり神殿預かりになっていた頃の育ての親である。

 老師とは、ある意味、実の親以上の心の関わりと絆がある。


 ルミアーナは…本気であまり気にしていない。

 さすがは”月の石の主”というか…大物である。


 本当に、()()()()()気にしてないのだ。

 彼女の場合は規格外すぎて、悩むのが馬鹿らしくなってくる。


 そんな豪快さを、あの可憐で繊細そうなイリューリアに求められる筈もないだろう。


 この事を知ったら彼女はどう思うだろう。

 怯えるかもしれない…。

 自分の事を化け物のように感じられてしまうかもしれない。


 そんな事を考えてぞっとした。

 本来ならそういった事をのり越えた上で求婚すべきだったのだ。


 しかし、あの馬鹿なデルアータの王子の求婚からイリューリアを守るには、あの馬鹿王子より権力のある自分からの申し込みがあの時点では必要だったのだと自分自身に弁解する。


 もしも、彼女が自分を恐れたり嫌ったりしたなら、()()()()()()()記憶を消し去る?

 自分自身に問うてみる。


 嫌だ!そんなのは、絶対に嫌だ!

 そう思った。


 だが、嘘を言って、騙すのはもっと嫌だ。


 そしてルークは今更ながらに考えた。

 自分のこの忌まわしい力を告白しなければ…と。


 そしてルークは彼女が望むなら…。


 どんなに自分が辛くとも彼女が望むなら、この婚約は()()()()()()()()()()()()()をも覚悟をした。


 望むのは彼女の幸せなのだから…。


 そして、彼女…イリューリアが自分のこの力を知り、ルーク自身を拒んだ場合の事をルークは苦い気持ちで考えた。

 考えたくもないが、その可能性の方がよほど高いだろうと考える。


 その場合は、彼女を守る為の別の婚約者をあてがわなければならない。


 彼女につきまとうのは何もローディ王子やザッツ将軍だけではないだろう。

 どのみち、彼女はあの美しさで公爵令嬢…園遊会に来ていた要人の中でもかなりの数の貴公子が狙っていたのは言うまでもない。


 その中でも本当に心から彼女を守り慈しもうという心を持ちを持つ者、そして尚且つ守るだけの権力を持つ者でなければならない。


 そして、ルークの中で、血へど吐く思いで、唯一、イリューリアを託すとするならばジャニカ皇国の第二王子ラクアしかいないだろうと思いをめぐらせた。


 かの者は本気でイリューリアに心を奪われていたにもかかわらず、自分ルークの事を認めるが故に、身を引きイリューリアの幸せを一番にと考えていた事にルークは気づいていた。


 その気持ちが読み取れたからこそ、もしも自分がイリューリアに受け入れられなかった場合は、あの時、イリューリアを救ったのは自分ではなく()()()()()()()()()()()()にあの場にいたすべての者の記憶すら自分の魔法(ちから)で塗り替え、自分はそっとこの国からいなかったものとして姿を消そう…そう思うのだった。


 自分の魔法が効かないとしたら、月の石の主であるルミアーナと精霊様方くらいだろう…。

 そのくらいにルークの魔力は大きかった。


 ルミアーナなら、そんな愚かな自分の気持ちも理解してくれるだろうし、精霊様方も基本的にはイリューリア自身が望まないのであれば()()()()の気持ちを大切にしてくれる筈である。


 自分のこの考えに心が折れそうになりながらも、イリューリアが一番、幸せに未来になるようにと考える。

 自分の忌まわしい力を呪いながらもその力をイリューリアの為に使おうと思うのだった。


 それが自分にとってどんなに辛い結果になろうとも…。


 ルークは、ラフィリアに行く寸前でイリューリアに告白しなければと決意したのだった。

 そう、両親(ラフィリル国王夫妻)に紹介する前に…。

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