55.恋する乙女は美しい-02-人々の反応
園遊会前夜の晩餐会に国王自ら引き連れてラフィリルの親善大使一家と案内役のイリューリアがその場に現れると広間には人々は驚きでざわめいた。
伝説の国、ラフィリルの公爵夫人ルミアーナの美しさも然ることながらデルアータの公爵令嬢のその美しさにも人々は目を瞠った。
国王から賓客への挨拶があった後、皆が席に着き食事と共に再び歓談を始めた。話題はもちろん、ラフィリルの美しき公爵夫人とこの国の公爵令嬢、噂のイリューリア嬢である。
ルミアーナの金の髪とイリューリアの銀の髪、美しい碧い瞳と淡い水色の瞳は二人の美しさを引きたてあい、真に天から舞い降りた二人は女神のごとき美しさである。
すべらかな肌、淡い桜色の唇、何よりその二人の仲睦まじい様子は周りのものをほっこりとさせた。
「なんと…噂半分どころか…噂以上ではないか!」
「本当に人間なのか?精霊様か女神様が天から降りていらしたのではないのか?」
「とても良く似ておられるが、姉妹?いやご親戚にあたられるのか?おお、やはり!」
「「「なんと、美しい」」」
「「「「「ほうっ」」」」」
と人々は口々に驚嘆の声をあげた。
イリューリアはそのプラチナの髪に合わせ、ルミアーナから渡された月の石の髪飾りをつけ結い上げ、耳元の髪を一房ずつ垂らし、耳にも乳白色の月の石とパールの耳飾りをつけ首元には月の石のチョーカーをつけている。
すっきりと美しい首元をだしてはいるものの肩にはうっすらと虹を織り込んだようなふんわりとしたレース生地で肩を覆っている。
白を基調として、淡い月の光のような光沢をもつ生地に露出しすぎない上品なデザインのドレスは、この世のものとは思えないほどの美しさと上品さを演出していた。
そしてルミアーナはそれとお揃いになるようにグレーと白を基調にしたイリューリアより少し落ち着いた大人っぽいデザインのドレスでイリューリアを引き立てていた。
親善大使と案内役と知らなければ誰がみても美しい女神の姉妹である。
初めての舞踏会の時の美しさをさらに極めて現れたイリューリアに、嫉妬にかられていた令嬢達も思わず息を飲んだ。
ぐうの音も出ないと言うのはこういう事を言うのだろう。
「な…何なの?あの方は…前回の社交界初お目見えの時より、さらに美しくなって…あ、あんなのズルいですわ」と悔しそうである。
そして各国の賓客の中にいる王侯貴族の若者達は皆、イリューリアの美しさに心を揺さぶられ一目で恋に落ちていくようだった。
そんな周りの様子に焦ったのはこの国の王子ローディとザッツ将軍である。
このままではルーク以外にもどんどんとライバルが増えてしまうではないかと…。




