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はじまりは初恋の終わりから~  作者: porarapowan
初恋のおわり
23/77

23.呪縛からの解放---01

 目が覚めるとそこには心配そうにのぞき込むルミアーナ様とルーク。そして双子のジーンとリミアの姿があった。


「いりゅおねーしゃん、だいじょぶ?」「ぶ?」

 心配そうに私の顔を覗き込む綺麗で可愛い子供達に思わず笑みが溢れた。


「まぁ、天使ちゃんたち…」と、私が呟くと横からルミアーナ様が突っ込んで来た。


「こらこらっ!死んでないから!」


 はっとして起き上がる。

 いやいや、わかってますってば!ジーンとリミアですよね?

 天使っていうのは、そういう意味じゃなくてですね。

 そのくらい可愛いって事で…って、私、何、昼間から寝ているの?と現状のあり得なさに気づき困惑した。


「わ、私…一体?」



「ごめんよ、イリューリア」とルークがすまなそうに私に謝るが、私は何を謝られたのかわからずきょとんとしてしまった。


「さっき、ルークの瞳の光を見て気を失って倒れたのよ?大丈夫?気分はどう?」


 そう優しく、女神のごとき公爵夫人ルミアーナ様に言われて自分を振り返ってみる。


 ああ、私、ルークに金色の瞳でのぞきこまれて…え?そこから記憶がない?

 そうか、私…気を失っていたのか。


 ルミアーナ様に気分を問われて、ふと考える。


 そう言われてみれば、何かいつもの目覚めと違うような?なに?この感覚…。


「え?あら?何故かしら?いやに視界がくっきり綺麗に見えます。心なしか気分もいつもより、すごく爽やかな様な…」


「うふふ、良かったわ」


「うむ、もう心配なかろう。呪いといっても、さほど魔力のある者の仕業ではないな。むしろ普通の愚かな人間がたまたま黒魔石の力を得て邪悪な念が力を持ったのだろう」


 そう、言いながらルミアーナ様の影からいきなり現れた男性とも女性とも言えないような美しい人が私の額に手をあて淡々と言った。


 一瞬にして現れ出たかのように見えたが目の錯覚だろうか。

 ルミアーナ様の後ろにいたのかな?と、深く考えずそう思った。


 しかしながらルミアーナ様といい、この人といいラフィリルという国には、まるで人間(ひと)とは、とても思えないほど、美しい人が沢山いるのだと驚きの連続である。

 それとも、ルミアーナ様やこの人が特別なのだろうか?


 ルークも素晴らしく美しい素敵な男の人だが、それとは違う!もう別次元の畏怖すら覚える美しさだ。


「リュートがいて良かったわ。でも黒魔石ってラフィリル以外にもあるの?」とルミアーナ様が側にいたルークに問うた。


 そんな目の前の会話に耳をかたむけ不思議に思う。

 一体、何の事を言っているのだろう?

 『黒魔石』って…本で読んだことがある。

 月の石が聖なる石なら、黒魔石はその反対の邪悪な石だと。

 人の負の感情に巣食い闇へとひきずりこむと言われている…。

 魔法などないこの国にも、そういった石の力を借りて人を呪ったりする事があるというのは聞いた事はあるものの遠い国の迷信のようなものだと思っていたし、自分が倒れたことと何の関係が?と思いつつ周りの会話に耳をすませた。


「いや、多分、闇取引だな。人を呪うためにラフィリルやラフィリル近隣の国から力を持った闇商人達の手によってもたらされたものだろう。これを売りさばいた者も買った者も、まっとうな者ではないね」とルークが言う。


 そのただならぬ不穏な言葉の数々に戸惑い、不安げな私にルミアーナ様は私を気遣う言葉をかけてくださった…。


「ふふっ、大丈夫よ。心配しないで!貴女はちょっとした…と、いうには、ちょっとばかり強力で洒落にならないお(まじな)いをかけられていたみたいでね?どうも自分の事だけが、悪く見えるような…」


「え?ええっ?」


「うん、それもね、精霊のリュートが取り除いてくれたから大丈夫よ!」


「えええっ!せっ!精霊様っ!?」


 なるほど!再び、まじまじとそのリュートと呼ばれる人に目をむけた…いえ、人ではありませんね。

 精霊様に目をむけると納得してしまいましたわ!リュート様。なんてお美しい!


 光沢のある銀の髪で瞳は薄い紫色で明らかに人である筈がないほどの美しさなのだ。

 私のようなただ人が、畏怖を感じてしまうのも当たり前だと納得した。


 同じような銀の髪でも自分のそれとは大違いだと感心してしまう。


 すると、さっきから穏やかな笑顔でこちらを窺っていたルークが、ルミアーナ様の両肩に手を置き後ろから前面に押し出しながら話しかけてきた。


「さて、月の石の精霊リュート様からの浄化をうけた君は、正常な判断が出来る筈なので確認なんだけどね?まず、このルミアーナの事を見て、どう思う?」


「まあ、ルーク、それはもう女神様か妖精の女王様かと思うほどの美しさで…!」


「ふむふむ、そうだね。うん、まぁ、皆そう言うよね。君の目は明らかに正常だ」と、ルークはほくそ笑むような顔で私に言う。


「でも、ルーク、私は倒れる前からそう思っていたし、特に違っては見えないけど?相変わらず夢かと思う位にルミアーナ様はお美しいし、さっきまでの私が異常だったとは思えないのですけど?」と、伝えた。


「まあ、ありがとう。でも貴女は私にそっくりなのよ?これを見てみて」と、ルミアーナ様は、大きめの手鏡を私に差し出した。


「まぁ、またルミアーナ様は…お戯れを…」といいながらも、手鏡を受け取り自分を見る。


「!」


「えっ?」


 私は固まった…。


「ほんとに?これ…私ですか?」

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