22.呪い
どこからどうみても似ても似つかない私を、まさしく女神様のごときルミアーナ様が自分にそっくりだと言って喜々としている。
「あ、あの!私、ルミアーナ様のように美しくはありません!」と言うとルミアーナ様は心底、不思議そうなきょとんとした顔をされた。
「何言ってるの?そっくりじゃない?ああ、若い分、貴女の方がお肌ぴちぴちで可愛いわよね?」とルミアーナ様が言うと後ろからラフィリアード公爵様が入ってきた。
そのお顔には大きな傷があり体も大きくて迫力のある方で私は一瞬、驚いてしまったけれど、ルミアーナ様や私を見る目がとても穏やかで優しそうに見えた。
「おお~、本当にそっくりだな!出会った頃のお前にそっくりだ!髪色と瞳の色の濃さが一緒だったら見分けがつかなさそうだ!」
「そうでしょう?うふふ~、何だか本当に妹が出来たみたいで嬉しいわぁ」
「そんな、全然、違うではないですか!私の目も髪もはっきりしないぼやけた色でルミアーナ様とは似てもにつきません。私と似てるなんてルミアーナ様に失礼ですっ!」と半泣きになりながら言ってしまった。
するとルミアーナ様もラフィリアード公爵様もルークもきょとんとしていた。
何かもう一人で半泣きになっている自分が馬鹿みたいで、余計に悲しくなってきた。
お世辞でもやめてほしい。
空しくなるから…。
「本気で言ってるみたいだな?」と公爵様が言うと
「そのようね」とルミアーナ様が頷いた。
「目が悪いのかな?」と公爵様が言う。
「いや、それだったら私の事も不細工に見えるのではなくて?」とルミアーナ様が言った。
何を言ってるのだろう?
お世辞やタチの悪い冗談ならやめてほしい。
ルークもどうしてあんなことを言ったのか…。
でも、待って子供達はどうして、全然似てない私をルミアーナ様と間違えたの?と疑問がわいた。
「これは、ひょっとして…」とルークが私の額にいきなり右手をかざしてきた。
「きゃっ」
「ごめん、じっとしてて!」と左手で肩をつかまれ、一瞬息が止まりそうなほど驚いた。
ルークの顔が近づき私は狼狽えた。
ルークの茶色だった瞳が金色に変わり私の目を覗き込んだ!
そして私は、目の奥に激しい痛みを感じて悲鳴をあげ気を失ってしまった。
遠のく意識の中、ルークがルミアーナ様達に言う言葉が聞こえた。
「呪いがかけられているみたいだ…」と…。




