17.伝説の国からの賓客---01
舞踏会から数日後、私イリューリアは再び王城に父と共に招かれた。
父は、先に国王陛下との話があるからと王の謁見の間へと向かい、私は別室で待つようにと案内された。
そして案内された部屋には三歳くらいの可愛らしい男女の双子ちゃんが、ふかふかのソファーの上にちょこんちょこんと座っていた。
漆黒の髪と深い碧の瞳の男の子と蜂蜜色の髪と琥珀の瞳の女の子である。
「まぁ!可愛らしい」思わずそう言葉をもらすと一斉に二人の子供は振り返った。
「「おかぁしゃま?」」と二人が同時に叫んだ。
「え?」と私はきょろきょろと周りを見渡した。
「ええっ?わたし?」と焦る。
いくら何でも私はまだ子供のいる年齢ではないので、まさか間違いででも「おかあさま」などと呼ばれるとは思わなかったので淑女らしからぬ驚きの声をあげてしまった。
「ん?おかあしゃまじゃない?かみのけのいりょが、リミアといっちょと、ちがうの」
「ほんとだ、きれいなぎんのいろ~」
二人の子供達は私を囲んでまじまじと見つめる。
なに?なに?私ってこの子たちのお母様にそんなに似てるのかしら?
そんな風に思って戸惑いながらも人懐っこくよってくる子供達の頭をなでてみると二人はもの凄く可愛らしい笑顔で抱きついてきた。
「おねぇしゃん、かわいいの」
「おねえしゃん、おかあしゃまくらい、きれいの~」
その二人の子供達のあまりの可愛らしさにイリューリアは胸がきゅーんと締め付けられて思わずときめいた。
そして「かっ…可愛いいぃぃ~」と抱きつき返した。
「「きゃああ♪」」と二人は嬉しそうに声をあげた。
何!何?何なのこの、超絶可愛らしい生き物たちはっっ!
それこそ伝説の国から妖精の子供達が迷い出てきたのじゃないかしら…!と思った時、そう言えば国王陛下から聞いた伝説の国ラフィリルからのお客様であるラフィリアード公爵様のお子様が三歳の双子だと言っていた事を思いだした。
「まさか…あなた達、ラフィリルの?」
そう子供達に話しかけた時、自分が入ってきた扉とは反対側の扉が開いて一人の青年が入ってきた。
「おや?君は…?」
その青年もまた驚くほど綺麗で私は驚いてまたまた淑女らしからぬ声をあげてしまった。
その青年は美しい容姿ながらも冷たい感じは無く、優しそうな深い茶色の髪と瞳をしていた。
「あっ!ええっ?えっと、あ、あの」
「ああ!貴女は、ひょっとしてエルキュラート公爵のご令嬢イリューリア嬢?」
「っ、あ、はいっ!そうです。父が王の謁見の間に行っている間、こちらで待つようにと言われ入って来たのですが…あの…失礼ですが貴方様は?」
「ああ、失礼…僕はルーク…この子たちのお目付け役みたいなものかな?この子達はラフィリルの親善大使として来たラフィリアード公爵夫妻の子供達でジーンとリミアです」
「まぁ!やっぱりそうでしたか!ですが、園遊会は、まだ先ですが…」
「ふふ…子供達や公爵夫人が早くこの国を見てみたいと駄々をこねてね」とルークは軽くウィンクして見せた。
男の人なのに優しそうなルーク様のしゃべり方に私は何だかほっとして笑顔になった。
「しかし、普段人見知りな子供達が一瞬でなつくとは…キリクア王も良い案内役をつけて下さったものだ。ふむ、なるほどね、君はこの子たちの母親ルミアーナにもの凄く顔立ちが似ているよ」と感心したようにルークが言った。
「ま、まぁ、そんなに?」
「うん、ルミアーナの若い頃そっくりだ。その美しい髪色が金色だったら、間違えそうなくらいだよ」
「かぁしゃまに、そっくし~」
「そっくし~」とジーンとリミアがまた抱きついてきた。
無条件になついてくる二人があんまりにも可愛くて初めてこの顔に生まれて良かったと思った瞬間だった。
こんなに綺麗で可愛い子供達のお母様にそっくりだというのなら私もそんなには不細工じゃないのかも?とちょっとだけ思ってしまったのは恥ずかしいから内緒である。
本日は、夜9時にも次話、更新予定です♪(*^▽^)/★*☆♪




