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大宮伸一は桜カレンにフラグされた。  作者: 海堂ユンイッヒ
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【e3m4】おバカなAI並

馬鹿っぽいAIはすぐに思いつくのですが、小説に向けて書くと違和感しかないですね。

 ステルスで3階に登ると、あからさまに人を割いて守っている教室があった。

「バカやんキャレン。あそこに隠しとーって言うとるようなもんやろ」

 角からリーンしながら、メグは中折れバレル2つに12ゲージを押し込んでいた。

「何を……?」

「ガードんドアに張り付いとる。もーこれしかなか」

「ドンパチはダメです」

「なああん、おもしんなかー」

「面白くないけどダメです。というか、あそこは工作室だけど鍵あるの?」

「型とったコピーあるよ♪」

 流石だな。エピソード冒頭の紹介通り、“鍵を器用にクラフト”していた。

「俺が連中の気をそらすから、その間に侵入して」

「ROG’」

 俺は平然を装って、工作室前に歩き出す。守衛は4人か。2人は扉の前に立ち、もう2人は廊下を“行ったり来たり”巡邏(じゅんら)している。そこで、ポケットから“無限にある石”を取り出すと、向こう側に投げた。

「「「「⁉︎」」」」

 守衛は全員、“投げられた小石に釣られた”状態になった。メグに目配せする。

「………………」

 小石に群がって、じっとそれを見つめている連中の姿が笑える。後ろからガチャガチャと解錠する音が聞こえた。

「気のせいか」

 一定時間が経過すると、守衛らは解散し、定位置に戻りつつあった。振り返ると、メグは既に室内に入っていた。あっ! メグのヤツ、扉開けっ放しじゃん! こんなのバカでも――

「よう大宮」

 異常とみなしませんでした。相当のバカです。再び定点に戻った奴らは、扉の前にいた俺に定型の挨拶をしただけ。

「あの、ここ開いてますけど……」

 指差しにも反応しない。俺が入室しても、警戒モードすら示さない。味方とはいえ、ガバガバすぎだろっ!

「シン、シン! あったばい!」

 と奥から大声を出されても、反応なし。念の為、扉を閉めて鍵を掛けた。途端にニスや油の匂いが濃くなる。流石バカレンだな。ノートパソコンは、机に放置してあるだけ。辻を釣るための餌で、なんら執着はないのが丸わかりだ。

「Too easy. けど、もー帰るだけやん、張り合いんなかー」

 爆発1つ起こらず、余りにも簡単に回収できたので、メグは不満げだ。俺はインベントリにパソコンを入れた。

「いいんだよこれで。面白くなk――」

『やっぱりお前だったか、大宮。高く付く間違いだぞ。今みんなに、お前をフラグするよう命令した。正直、桜の指示を待つほど、我慢ならんからな』

 急にサイモン菅の館内放送が鳴り響く。俺が犯人と割れましたか。見たことのある展開だから、俺だってこうなるとわかっていたさ。って、そんな余裕こいている暇はない。

 荒ただしい声が聞こえ、ドアがドンドン叩かれる! メグはダブルバレルショットガンを取り出した。

「YEEEEES! Bring me on!」

「待て待て。早まるなって……」

「なああん、じゃどげんすっと?」

 呆れたメグが指差す。閉じた扉の向こうから、灼熱の点が貫かれて線を描いていた。レーザーカッターで焼き切っている。あれが四角になったら、ブチ破られるんですね、わかります。

今回も読んでくださってありがとうございます。

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