【e1m18】因果応報
また間が空いてしまいました、ちょっと次の話の流れに迷いがあって、どうしようか迷っています。そのため、確定部分だけ公開しますが分量が少ない。いい案が浮かぶまで、次の巻の話を書いていました。
マジでeスポーツ部の設立⁉︎ 教師にそんな提案すんのか? 頭おかしいと思われるのがオチだぞ! 次の授業中、そんな考えが頭をグルグル回っていた。
カレンの空席に目をやる。そして、先ほど俺は親父さんに会っている。これらが何を意味するかは、多言を要しないだろう。授業をする先生も、事の成り行きを知っているのか、何も言及しなかった。
カレンの呼び出しに、教室中……いや学年で『ついに保護者同意のもと懲戒か?』とざわついた。校長室を通り過ぎた奴によると、レースのカーテンの向こうには、桜父娘、全管理職、学年主任、生徒指導主事、担任および副担が臨席した御前会議が開かれていたそうだ。
唐揚げパンウォーフェアやゲット&ランについて詰問されているのだろう。処分は、カレンの過去の生活態度、学業成績等も鑑みられる。
「絶望的だな」
ひとりごちた。何1つ好ましい点がない。基本的に教師は、成績さえよければ多少の生活態度のお目こぼしをする。逆に成績が悪ければ……そうだな、“坊主憎けりゃ袈裟まで憎い”とでも言おうか。彼らとて人間だ、君子聖人ではない。
校内放送のチャイムが鳴った。
『2年F組、大宮伸一さん、鹿島梢さん、職員室梅本まで来なさい。繰り返します――』
友だちとお喋りしていた鹿島が、不安げな表情で俺を見た。2つの馬鹿イベントに参加した身としては、なんとなくこうなるかもと予測したので特に驚きはない。
「あ、待って」
鹿島が小走りについて来た。覚悟していたつもりだが、やはり足取り重く、職員室までやけに長く感じられた。そして、周りから重犯罪の共謀者のように見られた。なんだよ、お前らだって喜んで参加したろうに。
「なんでお前まで呼び出しなんだろうね?」
「私もお友だちだから……」
鹿島はそれ以上は何も言わなかった。ただ下を向いていた。
今回も読んでくれてありがとうございました。