【e6m30】保護者召喚
早めに仕上がりました。
期末考査も無事(?)に終わり、学校の雰囲気も元に戻った。ある休み時間、俺は職員室前を歩いていると、スーツ姿の男性と出会った。
「やあ大宮君」
カレンの親父さんだった。今日はPTAの用事で来校しているのか?
「いや参ったよ。娘のことで、先生から話しがあってね」
「成績ですか?」
「そうそう。『桜さんの理解が進んでおらず、もう一度ゆっくりと指導している』と仰ってね。言葉使いは丁寧だが、要は“娘がバカだから、補習している”って事だな」
物は言いようだ。結局、あのナイトレイドは職員室にバレたのか、そうでないのか俺らにはわからない。けど少なくとも同好会の面々に、咎めは来ていない。ともかくだ。カレンが数学の回答用紙を返してもらった際――
『TADA.wav!!!』
と絶叫したので、結果を聞く必要すらなかったよ。本人の怠惰のせいとはいえ、化学の夕課外の後に、数学の補習(と後日に追試)なんてキツすぎる。
「日頃から勉強しろと言ってるんですが……」
「まあ娘が素直にそうするなら、頭でも打ったのかと心配するがね」
確かに。そして、親父さんもカレンに甘くて、基本的に言いなりになっているのも原因かもな。なんか、俺と同じじゃね?
「おっと、これから話し合いがあるので、また今度。娘をよろしくお願いします」
会釈すると、親父さんは荒れ放題の校長室に入って行った。時々学校に来ているとはいえ、実質保護者召喚だったな。
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