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大宮伸一は桜カレンにフラグされた。  作者: 海堂ユンイッヒ
136/212

【e5m39】黒染め

とりあえず仕上げました。

 今日も夜8時を過ぎた。寂寞(じゃくまく)としたリビングで、俺は常田先輩の帰宅を待っている。従姉妹は、先輩を抱きしめて愛していると囁けと言った。1人になってよく考えると、果たして上手くいくのか甚だ怪しい。

 壁時計の秒針、冷蔵庫のモーター、電灯のハム音などが耳に入ってくる。それらの定位も良好。これだと玄関ドアの音もすぐにわかるだろう。出迎え損ねて、顰蹙(ひんしゅく)を買うこともなかろう。

「けど、無視を決め込まれたらお手上げだぞ。話のきっかけすらできないんだから」

 それは杞憂だった。

「えっ……その髪……」

「(◞ᾥ◟) うん……」

 クタクタで帰宅した先輩の髪色は、ピンクから黒になっていた。昨日、リクルートスーツとの対比がすごいと思ったが、やっぱ会社の人にも違和感あったか……。

「研しゅうの人が、目立ってしょうがないから、黒にしなさいって」

「はぁ? 染めてるならともかく、ピンクは元々地毛ですよね? 生まれ持った物を変えるなんて、理不尽じゃないですか?」

「(◞ᾥ◟) そう思うけど、しょうがないよ」

 そう倒れ込むようにイスに座って、テーブルに頭を置く。

「(◞ ̫◟) はぁ〜つかれたよ〜」

 ここでガバッと頭をもたげ――

「Σ( ºΔº ) って! まいたち、夫ふゲンカ中だった――おーみやくん、今のはなしっ!」

「もう手遅れっす」

「:;(˃̵͈᷄⌓˂̵͈᷅);: 今のなし〜!」

「手遅でーす」

「(`ε´๑) 知らな〜い」

 風船のように頬を膨らませ、プイと顔を背ける。あーよかった、昨日みたいにマジで怒っているわけではない。こんな先輩は愛くるしいよな。

「あの――」

「(`ε´๑) 知らないも〜ん」

 あーあ、俺の言葉を遮ってきたぞ。らちがあかなくなってきた。もう状況悪化になる前に、辻さんの助言を実行するしかねぇな。俺は先輩の隣に座って抱きついた。

「Σ(´⊙ω⊙`)」

「ごめん先輩。まじでごめんです。昨日しんどかったのに、俺って奴は他人事みたいに……先輩、愛してますっ!」

「(๑¯Δ¯๑) ……のんたんの入れ()えかな?」

「うはっwww」

「(๑¯Δ¯๑) だって不自ぜんだよ。急に“愛してる”だなんて、はずかしがりやのおーみやくんらしくもない」

 ゆるふわとはいえ、流石コマンダークラス。俺や辻さんの策とすぐに見破っていた。仲直りは失敗。どうなる? アクションゲームだと、交渉失敗はドンパチ開始だぞ? 先輩からビンタの1つでも貰うか? ハグを解き、ガックリと意気消沈し頭をうな垂れた。ふと目をあげると、先輩はほのかに笑った。

「(´•֊•`) まいもごめんね。よく考えたら、おなか空かせて待つ必要なかったのに、おーみやくん先1人で食べたって聞いて、ついムッとなっちゃって。それに、まい1人にして、おーみやくんゲームにもどったのが、とっても悲しくて」

 先輩はその生い立ちから、”食事は必ず2人揃ってから”という希望があった。俺も似た人生だが、取り立て形式にこだわりはなく、孤食でも全く構わない。けど俺が構わないならといって、先輩もそうだろうと考えたのが不味かった。

「あのですね、これからこうしましょう。先輩が一報しない限り、俺は待ちます。こう決めておけばすれ違うことはないはず」

「(´•֊•`) うん」

「じゃあ、これで仲直りですね」

 ここで今一度先輩を抱きしめ、その瑞々しい唇にインタラクト。

「( ´艸`) えへへ。チューしちゃった」

「じゃ、今からのり弁DXを買いに行きましょうか? 先輩の好きな、ホイップたっぷりのプリンもデザートにしましょう」

「٩(*´꒳`*)۶ うんっ!」

 ここで、ふとある事を思い出した。この機会に試さない手はないと仕組んで、先輩を手招きする。

「(੭ ᐕ)੭ ???」

 手短に耳打ちした後、俺らは十分距離をとって座り直す。

「あっ❤︎ おーみやくんダメだよ❤︎ おべんとう買いに行かなきゃ❤︎」

「いーじゃないっすか。この際なんだし、このままポンポンやっちゃいましょう。辻さんもさ、俺らの仲を認めてたんでオッケーでしょ。このままエンディングに直k――」


Shinichi was fragged by Nozomi’s ONIKIRI.


「あんまりでございまする〜!(号泣)」

「(¯꒳¯) なるほど。とう(ちょう)きあるんだ……」

ちょっと色々立て込んでいて、書くのはもちろん、構想を練る時間すらないです。次回も時間をもらいます。

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