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大宮伸一は桜カレンにフラグされた。  作者: 海堂ユンイッヒ
128/212

【e5m31】カーチェイスH.Q.

前日に引き続き投稿です。

 大宮くんの中の読者さん、こんにちは。すっかり影が薄くなったメディック、鹿島梢です。今、メグちゃんとのぞみちゃんとで、ドライブに来ています。

「そしてこれは、エピソード3で大宮くんが修理したハッチバックです」

「なに独言しておられるか?」

 助手席ののぞみちゃんが訝しげな顔になります。前の人の表情は、バックミラーでわかるのです。

「えっ⁉︎ な、なんでもないよ……」

「しかし(めぐみ)どのは、いづくにある? 常田どのに1つ泡吹かせると案じて、ひたすら片待ちよ……」

 頬杖ついて、色っぽくため息をつきます。退屈しているのは、路肩に止めて延々とまい先輩の車を待っているからです。メグちゃんは、足を伸ばしに外に出ていきました。

「最近シリアスに偏っていたから、バランス調整として、お馬鹿イベントがあるみたい。必ずまい先輩は現れるから、もうちょっとの我慢だよ」

 その時、メグちゃんが車内に駆け戻ってきました。

「ナンシーより緊急連絡♪ 指名手配中のシン誘拐犯が、ピンクの2シーターで走行中。緊急逮捕へ。どうぞ♪」

「ほ。あは常田どのにあンなり」

 行き交う車の音の中に、際立つエンジン音が聞こえてきました。メグちゃんは、すぐにハンドルをレーシング用に差し替えます。その時、まい先輩の淡いピンクの車が、追い越しました。それを射すくめる眼差しで追うのぞみちゃん。

「いざいざ」

 私たちも緩やかに発進。しばらく付かず離れずの距離で追跡します。先の信号が赤になりました。まい先輩の車が停止線に止まったので、メグちゃんはここぞとばかり、隣の車線に停車させました。ギリギリに幅寄せしたせいか――

「OPPSY♪」

「残念、あっちのサイドミラーもげた……」

 メグちゃんとまい先輩は、お互い窓を下ろして顔を合わせました。

「Heya」

「(๑’ᵕ’๑) あ、めぐたんだ〜」

「車ん調子はどげん?」

「(*ˊᗜˋ*)σ サイドミラーい外大じょうぶだよ」

「そー? あんさ、ウチからえらい数の車ば買ってくれたとやろ? ありがとねー」

「(*ˊᗜˋ*) どういたしましてー」

「ちょっと聞きたかばってんくさ、書類ん中に念書んあったろ? あれどういうこつ?」

「(๑′ᴗ‵๑) どうもこうも、書面通りだよー」

「へー。“上記の条件で一括購入する代わり、今後ミーガン・R・メイヤーは大宮伸一と私的接触を禁ず”とか、えらいKAWAIKAこつ書いてくれたやん。ウチ認めんとばってん?」

「(•∀•́ ) けいやくはもうせい立だよ? 文くはおとー様に言わないとね」

「調子に乗りすぎとらん? 今すぐシンば引き渡さんね」

「(´艸`) うふふ、めぐたんは面白いね」

「ほーん。痛か目に遭うのがよか? もっと面白くなるばい♪」

 一見いつもの楽しげな雰囲気です。けどメグちゃんの頭上から――

FRAG YOU

FRAG YOU

FRAG YOU

FRAG YOU

 と赤文字で何度も改行しています。

 まい先輩が交差信号をちらと見ると、今まさに黄色に変わりました。その視線を追ったメグちゃんは、すぐに意図を悟ります。

「(•̀.̫•́) キャナルタワーまで」

「Rog’! シン、今助けてやっけん!」

 2人が窓を閉め切った時が、グリーンフラッグでした。ギャギャギャとスキール音を奏でた後、ロケットスタートで前に出たのは私たち。

「うわわわわわっ!」

「HAHAHA、ローンチコントロールする暇んなかったごた。(ふた)っとも、シートベルトしとるやろね?」

「早よ言うてたもっ!」

次もある程度は進んでいますが、納得がいかないので少々時間を頂きます。

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