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大宮伸一は桜カレンにフラグされた。  作者: 海堂ユンイッヒ
122/212

【e5m25】百敷をのぞみて

短いですが、書けました。

「あれアメリカで発売されたって。steel_appid.txtに28050って書き込めば、VPN無しで遊べるってスレにあった」

 翌日の昼休み。このように、カレンとゲーム談義するのが珍しくなりつつあるな。

 そこに神妙な容貌、且つ武士(もののふ)めいた声で教室に入ってきたのは、辻さんだった。

「やあやあ、櫻どのやおわすや?」

「おう。ココにいるぞ」

「すこし物なお尋ね申したい。御意を得たい」

「んだよ?」

 辻さんは、チラと俺を傍見した。

「宮どのは、ちと席を外――」


Shinichi was shot by Karen's Luger.


「何?」

「――(まっ)たく、そちは(あざ)れがましき女房よ。まあよいわ、聞け」

「もったいぶらねーで早く言え」

「常田まゐという色魔の申し子を、宮どのの御心にのさばらせてよいものか⁉︎」

「ハァ?」

「わ御前は、曲がりなりにも題目を張る女房であろ?」

「…………辻のん、オメーは従姉妹だろ? だったら、こいつの昔を知ってるよな? 少なくともアタシより」

「そが何か?」

「こいつが何考えてるか知らねー。けどチチ吸いたきゃ、吸わせとけ」

「…………そちはよほど懐が深いと見える。それとも底なしの馬鹿かの? 庇を貸して母屋を盗られるという謂を知らんのか? 既にそちは風下の身。次には、題目の名を削れと押しまくる事必定よ。それでよいのか?」

「いーもわりーも、アタシは別にこいつ好きじゃねーし。どうでもいーよ」

「えこそ心得ね。女房は百敷(ももしき)を望むのが理ではないか。されど、名うての大猛鬼櫻も、さのみ雌伏すとは、これは聞こえぬ。血の巡りの悪さよ。輸血でもして来い」

「オメーのだけは勘弁な」

「よう聞け。かの桃御前は、一見阿呆(あほ)を装おうておるが、裏表(うらうへ)ぞ? (こい)の道に於いては者切(きれもの)で、宮どのもにくからず思うておるのは、天の川に遍く嗚呼(をこ)と面目立てるそもじも心得ておろ? 後々(しょう)らに惨禍を残すことになろうぞ。いざ衆力(しゅうりき)して、桃退治なさん! いかに? 只今申切ッ!」

「…………オメーさ、夏なのにまだタイツ履いてんの?」

「それがなにか?」

「黒タイツ女に説教されたかねーわ」

「や? いづくにか行く? 話はまだ(おわ)っておらぬぞ」

「生徒会とか聞いたこともねー団体から、同好会のあり方に話があるってよ」

「ほ。上にのさばってあれやこれや口出す者なぞ、傾聴の価値だにあらず。無きにやなせ」

「オメーの愚痴聞くよりマシだ、バーカ」

「…………あな口惜」

「……カレンちゃん」

 いつの間にかフラグされてた件。鹿島に蘇生してもらうと、カレンの姿はなかった。

「イテテ、あの野郎〜。あれ? 辻さん、なんでそんな辛気臭い顔してんの? ん? またケンカした? カレンはどこ?」

「ハァ……宮どのはこの有様よ。(しょう)はこれほど身をやつしておるのに」

「えw?」

「本当だね(苦笑)」

今回も読んでくれてありがとうございます。

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