【e5m13】おーみやくん時限独占(12)
今回も短いです。
先輩が朝に言った通り、『今日は学校サボって、2人でラブラブ』してた方がマシだった……。というのも、彼女は俺の腕にがっしりしがみついて――
「(◍︎˃̶ᗜ˂̶◍︎) あ、おはよーっ!」
と登校中の友だちに、余すことなく声をかけているからだ。するとどうなる? 必然的にその人の視線は、絡みつく俺にも向くだろ? そこで先輩が間髪入れずに――
『まいたち、気持ちが通じあったの』
『まいの想いがとどいちゃった』
『やっとラブラブになったんだよ』
こんなホラを吹き込んでいく。そりゃあ今は先輩のエピソードだし、ある程度のわがままは受け入れようとは思う。けど俺が黙っているのをいいことに、やりたい放題じゃないですか……。
「すわっ!!!」
「エッ⁉︎ あれアイツなん?」
「残念……」
昇降口で知った顔3つと出くわした。
「妾には言わで、御落飾とはあんまりでございまする〜!」
俺の坊主頭を見た途端、辻さんとカレンは泣いた。まあカレンの場合、余りにも笑い過ぎて、だが……。
「も、もうダメぇwwwwww 腹痛テェwwwwww 間抜け過ぎて、何度見ても笑っちまうwwwwww」
「ダメだよ。そんな笑っちゃ……うふw」
そういう鹿島さん、貴女も草生えとるじゃありませんか?
「( ;ᯅ; `) まい、一生けんめいがんばったのに」
昨夜の散髪事件に戻るが、左を切り過ぎたから、右を調整する。すると右を切り過ぎて、左をを切るの繰り返した結果だ。もうね、過去のドジっ子ヒロインがやった轍を、寸部狂いなく踏んで、ネタ的に全く面白くない。
「どうせボウズになるって様式美なんですから、せめて過程は面白くしてくださいよ」
「(๑•́₋•̩̥̀๑) うん。次は面白くボウズにする……」
「もう夫婦漫才だね……」
「またこれになんのかよwww」
「あんまりでございまする〜!」
他の生徒や教師の痛い視線を浴びていたが、彼女らにとって、人の目を引くのはもう慣れっこのようだった。
今回で、おーみやくん独占回は終了したので、また通常のある程度区切りがつくまで書いて投稿します。