【e5m10】おーみやくん時限独占(9)
来週も3イベント分出せばいいんですが、ちょっとストックが厳しいかもしれません。
「危なかった……」
水着の先輩と入浴後、俺はリビングのソファで胸を撫で下ろしていた。
え? なんでそのイベントはスキップしたかって? それはな、お色気漫画と寸部違わず、ただ危ないだけで、全く面白くなかったから。
あらましを書くと、オモチャをたくさん持って、先輩が浴室に突入。甘ったるい空間で、2人無理やり浴槽に浸かり、肌を密着させて洗いっこ。そしてハイライトは、先輩が後ろから抱きついてくる始末。もうね、理性が吹っ飛ぶかと思いますた!
「( °o°) あ。“今日のまいちゃん”送るの、わすれてた」
パジャマ姿の先輩は、隣で呑気にスマホを弄ってる。ブラで大きく見せているとかそんなんじゃないのな。
「(∩ˊᵕˋ∩) 今送ったよ。チェックしてね❤︎」
「四六時中一緒にいるんで、もういらないんじゃ?」
「( -`д-´) ダメだよ。まいの日かだもん」
その“今日のまいちゃん”とは、文字通りまい先輩の自撮りで、出会った日から、毎日欠かさず送ってくる。誰から俺のアドレスを入手したんだろうな? “新しいお洋服買ったよ”とか“かみ切ったよ”とかは、まだ良い。けど際どいのもあって、特にお気に入――エヘン、“フラグ”付きなのは、湯上り露わなバスタオル一枚で、胸部をおめらかしている写真だ。強調された房は無論だが、度肝を抜かれたのは、その表情である。
「( * ॑˘ ॑* ) なぁに?」
普段は、こんなゆるふわだが、その写真では髪や顔がしとどに濡れて、妖しげな秋波がほっそり開き、舌先を花の唇からチロと出して、まるで俺を喰うような色だった。
「正・副・予備とコピーして、厳重に保存してる」
「( ˙꒳˙)?」
「な、なんでもないです」
もしさっきの風呂場で、あのポーズをされたら、間違いなく俺の理性は吹っ飛んで、2人の子どもを抱いているエンディングに直行していただろう。
「(๑’ᵕ’๑) ねーまいといっしょに、写真とろうよ?」
とスマホ撮影会を始める。先輩は写真慣れしているな。一方の俺はひどい写りだよ。まあ彼女は、一緒に撮るのが目的で満足げだった。
「(˶‾᷄⁻̫‾᷅˵) うれしいな、いっしょに写ってるの、ほとんどなかったから。あ……」
「?」
「( •᷄ὤ•᷅) おーみやくん、すごくかみのびてる。前がみ、目にかかってるよ。90年代のギャルゲー主人公だね」
ええ切ってません。どこかの誰かにバカ高いアイテムを買ってあげたんでね。もう千円カットでも高い。
「Σ(*⁰▿⁰*) あ、そーだ! まいが切ってあげる!」
「ボウズは嫌です」
「(˃̵͈᷄⌓˂̵͈᷅) モーッ! まいのスキル信じてよー!」
「そのスキルは信用なりません」
「٩(˵ >д< ˵)۶ ヤダーッ! まいちゃん切りたいー!」
「先輩、もう遊びで切りたいとか言ってるでしょ? なんなら風呂入る前に言ってくださいよ」
「٩(˵ >д< ˵)۶ ヤダヤダヤダヤダーッ! まいちゃん切る! おーみやくんのさんぱつしないと、大きな声出しちゃう!」
「ダメです」
「(ෆ`꒳´ෆ) 切らせてくれないと、まど開けて『助けてー!』ってさけんじゃう!」
もうね……呆れて物も言えない。信じられるか? 口をつぐめばお嬢様なのに、口を開けば駄々っ子だ。どうしてウチのヒロインには、言い出したら後に引かないのが多いかな? なぁカレン?
「(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ キャー助けてー!!!」
「ちょちょちょ、マジでやるんすかっ! 俺の右上が☆☆☆☆★になりますっ!」
「(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ だれかー!!!」
偶然だと思うが、遠くでパトカーらしきサイレンが鳴った。冗談じゃないと先輩に後ろから抱きついて、家の中に引き込む。
「(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ キャーどさくさにまぎれて、おっぱいもまれてるー!!!」
「はわわわわっ! しまつた……」
!実績解除!【剃髪?】
:解除条件:仏門の身と勘違いされるようになった。
今回も読んでくれてありがとうございました。