【e5m5】おーみやくん時限独占(4)
できました。短いので次回もすぐに出せます。
パンパンに詰め込んだキャリーバッグを運んで15分ほど歩いたが、常田先輩は疲労困憊だった。
「;;(˃̵͈᷄⌓˂̵͈᷅);; えーん、つかれたよ〜」
「もうちょっとです。俺だって両手は塞がってますし」
「;;(˃̵͈᷄⌓˂̵͈᷅);; もうたっ急びんで送ろうよ〜」
こんな距離頼むと、冷やかしじゃないですか……。
「ほら、あそこに近所から孤立した家があるでしょ? アレが俺ん家だからファイトです」
「( ˙³˙) おとなり、売地なんだ……」
「え? ええ。以前からカレンのバカが、ひっきりなしに爆破を引き起こすんで、中々売れないんですよ。まあゲーマー的には、光や声が問題にならないんで、助かってる面もあるんですが……」
「( * ॑꒳ ॑*) そーなんだ……」
やっとのことでミッション目標地点に到着した。玄関に入ると――
「(◍︎˃̶ᗜ˂̶◍︎) お世話になりますっ!」
ペコリとお辞儀する。ホント、世話がかかりそう……。小休止を入れた後、先輩は早速キャリーバッグを展開。自分の日用品を、次々と設置していく。そして我が家が、急速に甘ったるい香りで満たされてくる。
「(๑′ᴗ‵๑) あ、はいこれ。ごあいさつの金のおかしだよ。おーみやくんすきでしょ?」
「そんな律儀にしなくても……てか、よく知ってますね」
「(◍︎˃̶ᗜ˂̶◍︎) えへへ。色々調査ずみだよ? 歯ブラシはあっちかなー?」
パタパタ足の落ち着く暇もない。なんだろう、この言いようもない侵略される気分。俺ん家はそっけないから、ピンクの物がどんどん増殖しているので、視覚的によくわかる。
「これからヤベェイベント目白押しになりそう……」
そう。先輩がモーションかけるごとに、辻さんが脳裏にチラついて、純粋に楽しめないのだ。ある意味助かっているのではあるが……。
今回も読んでくれてありがとうございました。