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大宮伸一は桜カレンにフラグされた。  作者: 海堂ユンイッヒ
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【e5m4】おーみやくん時限独占(3)

今日も投稿できました。

 大型キャリーバッグを、2人してゴロゴロ引いていく。向かうは俺の家。もう察した……エピソード5の間、先輩はずっと転がり込むつもりだ。

 “ラブラブ家族計画”の始まりか、と呆れる。当然入居を拒否したいが、どうせ地べたに寝そべって声を張り上げられるだろう。それに、俺は以前メグの家に居候になったので、それを指摘されたら、返す言葉もない。最悪先輩は、コマンダースキルの支援砲撃や空爆で、俺の家を更地にすると思う。そして、自分の家に住まわせる算段だ。それこそ二番煎じで、全く面白くない。

「♡(∩ˊᵕˋ∩) うれしいな、うれしいな、おーみやくんと同せい、うれしいな」

 ふわふわとハートを大量にポップアップさせながら、独り言は止まらない。なにがなんでも“常田まいエンド”にねじ込むつもりだぞ。これがギャルゲーだったら、話にならんほどヌルいな。

 ちょうどその時、踏切の遮断機が降りた。バッグが重かったので、助かる。

「Σ(*⁰▿⁰*)!! あっ! か物列車だ! キャー❤︎」

 彼女は自分のバッグを手放して、ガバと抱きつく。なぜ貨物列車で……? ゴトゴトゴトゴトと、コンテナを載せた平台車が、延々と且つゆっくりと踏切を横断していく。人や車の往来を、結構な時間閉ざしてしまうんだよな。

「(◍︎˃̶ᗜ˂̶◍︎)σ お団子、うさぎ、たいやき、さくらもち、大福、あんみつ、ビスケット、ドーナツ、カップケーキ、スイスロール、フルーツケーキ、チョコレートケーキ、マカロン、クリームパフ、ワッフル、エクレア、タルト、シャルロッテ、マドレーヌ、バームクーヘン、カスタードプリン、モンブラン、ティラミス、ハートケーキ、ソーダ、ソーダ、ソーダ、ソーダ、ソーダ、ソーダ、ソーダ、ソーダ……」

 先輩はウキウキで、コンテナとタンクを1つ1つ指差し点呼する。

「(∩ˊᵕˋ∩) あれだけいっぱいあると、飲みきれないね?」

 一人夢心地に浸っている。ひょっとして先輩、あの苛性(かせい)ソーダを、ラムネの(たぐい)と勘違いしてる? そこから発展して、他のコンテナにはお菓子が満載されていると? あれは水酸化ナトリウムで、配水管の洗浄などに使われるんだぞ? まあ食用グレードで、口に入るのかもしれんが……。

「•̀.̫•́)✧ まいね、か物列車の運転手さんになりたかったの。そしたらね、日本全国、すきな所に行って、すきなだけおか子を食べられるから。けど、けん引車とコンテナは、もっとかわいい色にぬり直した方がいいな」

 まいちゃんワールドの一幕を垣間見た気がする。

「そう言えば先輩、進路どうすんですか? どこの大学受けるんです?」

 3年の今頃なんで、何かしら先を決めているはずだろう。俺とカレンは漠然としているので、何か参考になるかもしれない。

「(๑¯Δ¯๑) 大学なんか行かないよ〜。お勉強キライだモン」

「じゃあ就職ですか?」

「(๑¯Δ¯๑) まいみたいなどんくさいコ、どこもやとってくれないよ」

「……じゃあどうするんです?」

「ꉂꉂ(ˊᗜˋ*)ʬʬ 家庭に入るんだよ」

「は? 家庭? それってもしかしてウチに? そんな先の話――」

「ꉂꉂ(◍︎˃̶ᗜ˂̶◍︎)ʬʬ 先だなんて――今日からだよっ!」

「えっ⁉︎」

「•̀.̫•́) よめ入り道具、後からジャンジャン送ってくるよう、もう手配してるよ?」

 “エピソード5の間”と見通した俺が甘かった。ニコニコ笑顔の裏には、緻密に計算されたラブラブ家族計画が練られていた。

次はあまり書いていないので、時間をもらうかもしれません。

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