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どうも、ジークリード・ランドルスです

2話まで読んでいただきありがとうございます。

超説明回です。

俺ことジークリード・ランドルスは父のニックと母のソフィアの愛情を注がれながらスクスクと育ち、今年で3歳を迎えた。語彙はまだまだ乏しいとは言え、ここで使われている言語もだいぶ喋れるようになった。

最近は文字も少しずつソフィアに教えてもらっている。教えてくれと頼んだ時は、ソフィアもニックも驚き、神童だのなんだの言ってはしゃいでいた。

恥ずかしすぎてもはや拷問としか思えない授乳プレイは卒業した。いや、ソフィアがかなりの美人で、大人の魅力全開なスタイルなので、ご褒美かもしれないが。今では普通の食事を取っている。

食事と言っても変わった点が二つある。それは食卓には野菜しか出ないということ。こちらの世界へ来てから肉を食べたことがない。魚もだ。お肉も魚も大好きな俺にとってこれはなかなか辛い物がある。あと日本人としての魂が米を求めている。

もう一つは「シェズバルドの命丸」と呼ばれている小さな錠剤のような物を食後に一粒飲み込むということ。肉や魚を食べていないので、その分の栄養を補う為のものらしい。

じゃあ肉と魚を食べればええやん?と思ったのだが、驚くことにこの村は動物や魔物の殺生を一切行わない。この村(村といってもそれなりな広さと人口があるが)の周りには囲うように森が広がっており、そこに魔物などが生息しているそうだが。あまり文化についてあれこれ詮索するのは不審に思われるかもしれないので聞いておらず、それ以上はわからない。


異世界なので剣と魔法的なモノを期待していたが、この3年間で魔法を目にしたことはない。が、この村の大人たちは「錬成」という能力を持っている。非常に便利な能力で、前述したシェズバルドの命丸や衣類、食器や家具など、ありとあらゆるものが錬成できる。この能力一つで衣食住のほとんどを支えていると言っても過言ではない。例外として動植物や魔物などの生き物は錬成できないが。だいたい18歳くらいでこの錬成ができるようになるらしい。


錬成の存在を知った時、俺は勿論驚いたが、それ以外にも驚いたことがある。この世界の人間…いや、この村の人間(後で分かったがアクシア族という部族らしい)だけなのかもしれないが、全ての人が非常に温厚で、誰一人として怒らないのだ。

大人だけではなく、子どもすらも泣くことこそあれど、決して相手に攻撃的な言動を取ることがない。喧嘩をしているところなど見たことがない。気味の悪さすら覚える程の人格者の集団である。

アクシア族は例外なく顔が整っている。イケメンと美女しかいない。子どもも皆、イケメンや美女になる事が約束されているような整った顔立ちだ。俺も例外ではない。

極め付けに全員が銀髪のオッドアイとかなにそれこわい。

勿論、俺もオッドアイである。しかし、なぜか髪の一部分だけメッシュを入れたような感じに黒髪になっており、厨二オーラを更に引き上げている。完全な銀髪でないのは、この村ではただ一人らしく、会う人みんなに驚かれる。日本人(SAMURAI)のDNAが中途半端に残っていたのかな…


アクシア族はその食文化から察せられるように、農業が中心であり、畑や果樹園がとても多い。しかし、店や商いの類いが一切ない。一応は酒場と加工所兼家具屋が何軒かあるのだが、どこも一切お金を取っていない。驚くことに、この村にはそもそも通貨という概念がない。まあ野菜さえ確保できればあとは錬成でどうとでもなってしまうからか。

人によって錬成の精度が違うらしく、誰々さんは食器の錬成が高品質、誰々さんは服の錬成が高品質、みたいな得手不得手があるらしく、自分が錬成を得意としている物を、男性陣が家の外で農作業や木材加工、木材の伐採をしている間に、主婦たちが家で錬成して家の玄関の横にある「カウンター」と呼ばれる場所に陳列し、お互いに無償で与え合っている。これを「錬成品」と呼んでいるが、みんな錬成品を貰って行く時には必ず家の主婦に「いつもありがとう」と声をかけていくし、必要以上に持っていく事はない。さすが人格者集団である。俺まで人格者になりそう。


結論から言うと、優しい世界である。銀髪オッドアイに錬成という厨二要素満載な村なのに、この上なく平和です。戦争という言葉は一体なんだったのか。



だが俺はまだ知らなかったのだ。この世界には剣も魔法も存在しているということ。アクシア族が全てを失った「奈落の一族」であるということを。

錬成とかいう質量保存の法則絶対殺すマン


※6/2 錬成の条件を削除しました

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