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猫又さんの優雅な日々  作者: 出島優
13/14

12.猫又さんと一月一日

元旦のお昼。

今年は珍しく天気がいいわね。庭の草木がきれいだこと。



私は、十三月って、きっと天国のことなんじゃないかと思うの。

十二個の暦から解放されることを望んだ人たちが行ける場所。

「死んだらせめて幸せになりたい」っていう淡い願いを持った人が行ける場所。

生きている間に願ったことが死んだ後にやっとかなうなんて、ちょっと意地悪な話かもね。


ああ、もうこの庭に、名前も知らないあの人が帰ってくることはないのでしょう。

だって向こうに行ってしまった人が帰ってくることは、どれだけの時が経ってもありえないのだから。

せめてあの人の願いが、天国でかなっていますように。











「…と、なんとか感傷的に〆ようとしたんだけど。」

「本人が目の前にいるから、どうしようもないよねぇ。」

そう、昨日十三月さんが目の前から消えたのだけれど、ちょっと目を離したすきに戻ってきてたの。

なんだったのかしらあれは本当に!一瞬本当に「もう会えないのね」って思って、ああこの庭で、どれだけのことを話したかしらとか考えてたら「やぁ猫又さん」っているんだもの。しんみりして損しちゃったわ。




「それで十三月さん。」

「なんだい?猫又さん。」

「十三月さんの願いってなに?」

「猫又さんも好きだねぇ。だから前も言ったけど、願いっていうのは」

「あなたがどう、とかではないの。あなたの願いを聞くことが、今の私の願いなのよ。」

「…」


「ははは!なんとも理不尽なことだ!」

「世界っていつだって理不尽なものでしょ?」

「それもそうだね、クククッ。じゃあ教えてあげようか。特別出血大サービスで。」
















「願い続ける、ってことさ。僕の願いはね。」














「…それはかなうものなの?」

「さあね。ただ、少なくとも長い長い時間のなかで、この願いだけは変わらず僕とともにあるってことさ。」



―猫又さんと一月一日、続く

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