第四話 遭遇と戦闘
はい!書きました!良ければどうぞ!PASHA勢はもはや主人公補正の、塊です!!
目が覚めて見知らぬ洞窟だった時は流石に混乱したし、正直意味がわからなかったけど、見たことのある少年2人とマスターからの通話で大体の現状は把握出来た。マスターから聞いた戦闘方法とこの冒険者『aki』、私の分身だった者の肉体についてもわかった。
そして傍らで現状をやっと把握した可愛い後輩の2人を宥める事も出来た、けどね...この状態で初めての戦闘がこの数で、死なない事も理解してるつもりだけど、怖いものは正直怖い。
当たり前でしょ?見たこともない醜悪な姿によくわからないけど兎も角臭い匂い。その匂いがより現実味を与えてくるんだけど、そんなモンスターが武器を持って襲いかかって来るなんて...久しぶりに心からあなたに助けを求めてるわ。
あなたならきっと飄々とこの現状を打破してくれるでしょ?
何匹倒しただろうか、私達が通ってきた道は醜く転がったゴブリンの死体と鮮血で満たされている。そしてなおも目の前にはゴブリンが立ち塞がっている、数は10くらいかな...
「ギャギャギャ!」
錆び付いた片手剣を振りかざし横薙ぎに振ってくる。それをその場から動かず身体を反りブリッジの姿勢で避ける、そしてそのままバク転の要領で履いているピンヒールで切り上げる。
「アギャ?!」
アゴを消しとばされ身体が宙に浮いたゴブリンが奇声を出す、そこで躊躇せず前方に飛び蹴りをする、浮いた状態のゴブリンでは回避など出来ずに胴体に風穴を開ける。まず一体!
「akiさん危ない!」
倒したゴブリンを見下ろし残心をしていると後ろからプルプル君が叫んだ。
ハッとして前をみると横回転で手斧が向かってくる。
「しゃらくさいわね!」
構えた体制から斧に近い左手を前に突き出し手斧の柄に手を添わせる、と同時に手斧と同じ方向に回転をする。すると小さな円運動で向かって来ていた手斧が私の体が生み出した大きな回転に巻き込まれ同じ速度で動き始める、左手を添わせたまま回転しながら相手の方向に向き直すそれと同時に左手をそっと斧から離す。
瞬間倍増した速度で斧がゴブリンの頭部を両断した。
「ありがとう♪プルプル君♪」
武器を構え先程よりも震えが収まっている後輩に振り向き笑顔を見せる。それと同時に背後に迫っていたゴブリンを後ろ蹴りを入れる。腹部を食い破る様な一撃にその場でゴブリンの胴体が弾け足に血やら何やらの飛沫がかかる。
外に出たらお風呂に入りたいわね。
「aki先輩!ここを抜けたらもうすぐ出口の筈です!」
短剣を二本構え、ぎこちない笑顔でノブナガ君が教えてくれる。
「じゃあもう一踏ん張りねー♪ちょっと全力出すわよ♪」
そう言いながら矢を避けゴブリンの集団に飛び込む。突然ど真ん中に現れた敵に動きが一瞬止まるゴブリン達
「...死ね...烈風瞬撃!!」
腰を落とし足から腰、腰から肩、肩から肘、肘から拳に流れるように力を伝える。身体を伝わり拳から放たれる力と衝撃波がゴブリンを襲う。
『烈風瞬撃』
モンクの奥義にして全職業の中で瞬間火力が最大のスキル。単純な正拳突きだが、前方に対する拳と衝撃波、周囲に衝撃波と鎌鼬を起こし周りの敵を破壊する奥義。
正面でモロに受けたゴブリンの兵長は爪先を残し消滅した。爪先からは僅かに残った血が噴水のように噴き出る、周りを囲んでいた雑兵どもは衝撃波に巻き込まれ半身を消失するもの周囲を取り囲む鎌鼬に切り刻まれる者。
兎も角凄まじい血風を巻き起こし戦闘は終了した。
「終わり♪...さて、出ましょう♪」
中庭に集まっての戦闘練習は酷いものだった。
この世界の戦闘方法は3つあるらしい。
一つが脳内のショートカットを使って技を出す。これのメリットは技が選べて失敗がない、だがショートカットを選択した瞬間に身体が動き出すので心の準備ができない。
「とりあえず、カタクラフっわぁ!」
シアルの身体が日本刀に引っ張られる様に動く、確かにゲームで見た動きなんだが本人のテンパり具合が凄い。
「これ、難しいですね...怖かったぁ〜」
2つ目が音声認識型、これはスキルの名前を声に出すことによって技を出す方法。メリットは心の準備などが出来る、デメリットは...
「ウインドスラスト!..って恥ずかしし、動きも恥ずかしすぎるるる!」
二本の杖を空高く突き上げ一気に振り下ろす、すると左右から小さな竜巻が巻き起こった。
「確かに恥ずかしいだろうなーw」
「笑わないでくださいよ!」
3つ目が行動認識型である。
使いたいスキルに近い行動や言動をすることで技を強制的に発動させる方法だ。
「これが1番楽ですね♪正解♪」
立ち木に向かって矢を数本束ね、弓に掛けるすると曲線を描きながら矢が立ち木に全て突き刺さった。
レンジャーのスキル『レイスティンガー』である。
「やるなぁTHXさんは、俺もやらないとな!」
そう言いながら俺はジャンプをする、この身体はLVに比例するのか凄い身体能力で力を込めてジャンプをすると10mはゆうに越える。その飛び上がった体を一回転させながら短剣を二本前に突き出す。
「アサルトホーク!」
斜め下に高速で落ちていく、そして対象の立ち木に当たる瞬間に突き出した短剣を振り上げ、そして振り下ろす。
パシンッという音と共に立ち木が三等分される。
「なるほど、アサルトホークってこういう原理だった訳か...」
開始から2時間大まかな動きやスキルを全員が大体把握したようだった。
「みんな動けるようになって来たね♪さて、救出メンバーなんだけど流石に全員は連れて行けないから、前衛でシアルさん、回復であきききたさん、攻撃でば〜やんとツバキさん、それと俺で行くから♪ユニコはみんなのケアと情報収集、引き続き戦闘訓練をよろしくお願いします♪じゃあ選抜メンバーは1時間後に玄関で♪」
言い渡されたメンバーはさっさと部屋に戻っていく、俺も 部屋に戻り装備の確認と回復薬などの補充をする。そして1時間後。
「準備は出来たみたいだね♪じゃあ目標はトウキョウサーバー:エドカワの洞窟と付近シノザキの森!目的はギルメン3名の救出並びにトウキョウサーバー賑わいの街アダチの本部からの荷物の回収!...ユニコと他のみんな留守をよろしくね♪」
「気を付けて行ってきてね?」
「一時はどうなるかと思ったけど、男に戻れたからな♪留守は任せてくれよ♪」
「僕も遠征したかったなー、まっあきききたさんとマスター居るなら安心か♪」
「ば〜やん、akiさん救えなかったら木に括り付けて、矢の的ですからね♪ずっとですよ♪」
最後に不穏な言葉が聞こえたがとりあえず気にしない、というよりは救えないなんてことはあり得ないからだ、絶対に救い出す!
ギルメンに見送られながら町の中央に歩いていく。俺が目を覚ましてから約5時間ほど立っているが今だに下を向いている者が目立つが、一般の露店で買い物をしつつ誰かと通信してる者、集団で集まり、チラチラ他の人を見ている者。今何をすべきか、はたまたよからぬ事を考えているのか、それでも先程より町はマシだった。
「フナバシを抜けたら、イチカワ街道越えてエドガワに着いたら南下して洞窟とシノザキ方面に移動しようと思うんだ♪」
チバサーバーで1番トウキョウサーバーに近いフナバシの町から3フィールド程進めば目的地なんだが、ゲームなら徒歩でも20分掛からないが今は現実、現実世界での船橋から江戸川は徒歩で大体2時間程度、現実の東京足立区に向かうとしたら約四時間、ジェニシスは日本の縮尺をおよそ10/1に変えているが今は現実とほぼ大差ないと見ている。
「徒歩だと2時間掛かってしまうし、アダチまでそこから2時間、夜中になっちゃうんだよねwだから移動手段を変えようと思うんだ♪」
フナバシの出口、ここから『ヤワタ神殿』抜けて、『イチカワ街道』に入るのだが、そこでDIXIEは一つのホイッスルを取り出した。黒色で吹く所以外が禍々しい紋章が金色で描かれている。
『ホイッスル』
ジェニシスにおいて常に徒歩で移動することも可能だが、より安全により早く行動するために使われるアイテムである。使用することによって騎乗生物を召還することが出来それに騎乗することで移動スピードの増加、1部の職によっては騎乗攻撃なるスキルを使用することも出来る。
主に軍馬を呼ぶのが一般的だがそのレア度によって呼べる生物も変わる。
それをDIXIEは口に当て一気に吹く、ピィーーーッとという音共に森の中からバガラッバガラッと少し重めの足音が聞こえた。
そして目の前に現れたのは灰色の毛並みにたくましい四肢、精悍な顔立ちの軍馬であった。
「アグニ♪リアルで見ると可愛いね♪今日は父上じゃなくてアグニで移動するからね♪」
首の脇をこすりながら頭を撫でる。
『アグニのホイッスル』
北欧サーバーのクエストで手に入るレアドロップアイテムである。神話に登場する軍馬であり、通常の軍馬の何倍もの性能を誇る。DIXIEはアグニとスレイプニルという実際の神話に出てくる名馬のホイッスルをもっている。
「これなら1時間は短縮して移動出来るね♪みんなも呼んでみよう♪」
シアル、ツバキ、あきききた、それぞれ別々の軍馬を呼ぶ。どれもこれもハイランクの軍馬である、俺自身の2つのホイッスルを取り出し眺める。どちら高難易度のクエストのクリア報酬だ、そしてお気に入りの2匹でもある。
「よし!なら俺はこれだな!コシュタ・バっ」
「「「左手の馬にして!!!」」」
「えっ?!あ..はい」
ゲーム時代でも不評だった馬は現実でも不評な訳か...
仕方なく左手のホイッスルを吹き鳴らす、遠くから軽やかな足音が響き目の前にがっしりとした四肢に美しい毛並み、人を射抜くような鋭い瞳。
「絶影!お前イケメンだなー!!人参食うか?」
「ブルルッ」
鬱蒼としてた気分が現実で目の当たりにする愛馬に消し飛ぶ。
『絶影のホイッスル』
中国サーバーにおいて奇襲を受けた英雄を助けるというクエストをクリアすると英雄から貰えるレアアイテム。乗り主を絶対に落とさず目的地まで運ぶという伝承を持つ名馬。
全員が馬に跨る、不思議と身体が乗馬の心得を知っているようで違和感は無い。
「じゃあ行くよ?ハイヤーってね♪」
DIXIEの掛け声で一斉に走り出す。俺がこの世界に来て初めての冒険が始まった。
不味いわね...
ゴブリンの群れを倒し出口に到達して外に出ようとした時に目に飛び込ん出来たのは、ゴブリンよりたちの悪い者たちだった。
「こいつら弱過ぎて面白くも何ともねーなー」
倒れこんで震えている冒険者に槍を突き刺しグリグリと穿くる。穿られ空いた隙間から血がビュッビュッと噴き出ている、槍を刺している方は頭を踏み付けながらニヤニヤしている。
「高ちゃんやめなよぉー、死んじゃうよ?ほら凄い泣き顔♪情けな〜い♪」
もう一人は蹲っている冒険者の太ももに銃を突き付け何発も連射している、太ももに空いた風穴が徐々に広がっている。
「「「カリンちゃんも高さんもヤベェっす!カッケーっす!」」」
周りを取り巻く冒険者達は一同に大笑いしている。そしてそれをの中から一人の女性が現れた。
「高、カリンちゃん、飽きたわもう殺していいわよ♪」
「「あいよー♪」」
高と呼ばれている槍持ちが倒れている冒険者の首に突き立てる。ゆっくりとしかし確実に首に槍が押し込まれる。
「へへっオラ!いてーだろ?ハハハッ!心配すんな!どうせまた街で俺らに会えるからな!」
グヒュという不気味な音を最後に倒れていた冒険者はピクピクと痙攣して、砂になった。どうやらあれがこの世界の死の瞬間のようだ。
「姫ちゃん飽きたんだってー残念だねーバイバイ♪」
ヒグッヒグッと泣いている冒険者の眉間に拳銃を押し当てる、それと同時に引き鉄が引かれ破裂音と共に撃ち抜かれた冒険者は砂に返った。
『乙姫:LV100:リンカー/姫:所属:新生/ギルドマスター』
『高天原:LV100:スティンガー/肉屋:所属:新生/サブマスター』
『カリン:LV95:トラップガンナー/アイドル:所属:新生/サブマスター』
『新生』だと?最悪だわ...奴等は低LVに対する粘着、1対20などの多人数でのリンチ、暴言などで有名な荒らしギルドで、まぁ対人メインのゲームなので倒した倒されたで荒らしがどうこうってのもないのだけど、暴言、そして宗教級に自分達の意見が正しいと思い込んでいる少しというより本当に厄介なギルドである。
マズすぎる、こっちは3人、向こうは20人程度、幾ら何でも不利どころではない。
どうする?早く来てよ!
実は、、続きも書いていたんですが70000字を超えていたらしく、コピーしたら消えるという虚しさ、、めげませんからね!