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第一話 新たな世界の始動

Twitterで宣伝させて頂いた通りとあるMMORPGの世界観に+α的な内容となっております。駄文ですがお楽しみ下さい♪

「さてさて、ログインしますかね♪」

目の前にあるPC、デスクトップの右端にポツンと小さなアイコンが置いてある。

『ジェニシスオンライン』


所謂MMORPG、オンラインゲームである。サービス開始から7年、モンスターとの大規模戦闘、そして何よりMMOには珍しい対人戦を軸にした新しいシステムでユーザー達を釘付けにした作品だった。現在も度重なるアップデートによって数々のシステムと何より自由度の高さで地味に人気を持っている。


慣れた手つきでクリックをして、自身の分身を選ぶ。

『ば〜やん LV.100 暗殺者/トリックスター』

6年前にこのゲームに出会ってから今まで数多くの冒険と戦闘をしてきた相棒。LVは限界(カウンターストップ所謂カンスト)まで育てられ装備も大手戦闘系ギルドの上位陣には勝てないがそれ以外なら渡り合えるほどの装備を揃え一流と二流の間を行ったり来たりした相棒である。


今日は日曜日、仕事も休みでゆったりと楽しむ事にした。


「今日は12:00にアプデでその前に交流戦だな...」

などと呟きながらイン(ログイン)した、そして俺の意識はそこから途絶えた。


....目が覚めると同時に視界に文字が浮かぶ

『チバサーバー:安らぎの街:フナバシ』

「なんだ?ここどこだよ?」


青く広がる空に荒廃したビル、俺はさっきまで部屋でイヤホンマイクつけてインした筈なのに気づけば外に居た。

立ち上がろうとする、違和感を感じ自分の身体をよく見る。見慣れない白のジャケット、細かい装飾が付いてはいるが動き辛さは全く感じない、身体フィットしているジーンズの様なボトムス、そして何よりも腰には二本の短剣がぶら下がっている。なんだこれ?

ハッと気が付き近くの噴水を覗き込む、この顔は『ば〜やん』そのものだった、長めの髪の毛をサイドで固め、顎には無精髭、この顔はまさしく長年相棒として冒険して、見慣れたば〜やんそのものだった。


「どうなってんだよ?まさかゲームに閉じ込められる?馬鹿か、どこぞの小説じゃあるまいし...」


思わず頭を抱える明日の仕事、その他色々の現実世界には沢山のしがらみがある、こんなところでのうのうとしていることは出来ないのだ。

その時脳内に聞き慣れた声が響いた。

「ば〜やん、大丈夫?起きてる?」

この声は...

「DIXIE?どーなってるんすか?この状態?!訳がわからねぇー!」

ボイスチャットの普及によって年がら年中話し、共に行動をするようになったギルドマスターの声に少しだけホッとしつつ質問をぶつける。

「俺にもわからないよ...とりあえず、チバサーバーの賑わいのギルドハウスに集合してるよ!ば〜やんも早くきてね!」

困惑したようないつもより少し困ったような声のDIXIEに改めて道の世界に着た事を実感した。

「やっぱりこの世界は?」

それでも確認はしたい出なければ納得ができない、仮に理解は出来なくても自分の置かれた状況に納得はしたかった。

「うん...『ジェニシスオンライン』の中だね...詳しい事はハウスで...」

それだけ言い終わるとDIXIEからの通話は途切れた。


『チバサーバー:賑わいの街:キサラヅ』

ジェニシスオンラインは元々が日本のゲーム会社が作成したゲームであり、広大に広がるマップは日本地図そのものとなっている、そして各都道府県にプレイヤーの拠点ホームタウンが設置されている。これは現実においても都道府県全部に支社があり、支社ごとにサーバーを設けているからこそ出来るものである。

各サーバーのホームタウンは三つ用意されており、『賑わい』『安らぎ』『集い』とそれぞれの名称がある。グラフィックも各サーバーと各ホームタウンで特色がある仕様になっており、自分の故郷などの思い入れがしやすくそこも人気の一つである。

三つのホームタウンの特色は『安らぎ』は戦闘禁止区域となっており、石畳と噴水、そして自然の原っぱなどとまさしく安らげるようなグラフィックに作られている。尚、初心者が初めに訪れるホームタウンでもあり、高LVから低LVまで幅広いプレイヤーの町となっている。『集い』は大きな広場の様になっており、戦闘禁止区域である、街自体の雰囲気から高LVのプレイヤーがゆっくりと過ごす場所となっている。そして『賑わい』このホームタウンの最大の特徴は戦闘許可区域なのである。つまり街中で喧嘩のように戦闘が始まる、グラフィックも木張りの床に所々にある飲み屋のような店、何処か喧騒や少し危ない所を連想させる作りになっている。使っているプレイヤーもあまり評判の良くない者や所謂戦闘狂などが拠点として使用しており、決して治安の良さとは反比例した街である。


俺が所属するギルド『PASHA』はトウキョウ、チバの2サーバーに拠点を置く少人数ギルドである。そして、どちらのサーバーも賑わいの街に拠点を置いている。そこまで聞くと拠点柄ならず者集団に聞こえるかもしれないが、その実態はLV90以上の上位LVの者が集まって毎日対人したり、のんびりしたり、冒険したり、とにかくのんびりとした所謂『生活系ギルド』となっている。基本的にホームタウンでの戦闘は御法度、フィールドでの狩りの邪魔、PKと言った行為もこちらからはしないという行儀の良いギルドである。何故そんな穏健派なギルドが戦闘許可区域の賑わいに拠点を置くのかと言われると困るがこれはマスターであるDIXIEの

「強いと勘違いしてる人達が弱い者イジメをするでしょ?それを後ろからズドンと..ね?楽しいじゃないか♪」

という少し危ない発言によって決められた拠点である。


現在いる安らぎの街フナバシから南東に足を進める、所々に同じプレイヤーであろう人達が倒れている、自暴自棄というやつなんだろうか、他の人達は

「どぉなってるんだよぉぉ!!運営!!ここから出せや!!」

「イヤだよぉ...帰りたいよぉ...」

厳つい防具や煌びやかな法衣、狩人の様なジャケットに身を包んだ者たちが子供の様に喚いてる。見るに耐えず目を逸らし早足で目的地に向かった。


『チバサーバー:賑わいの街:キサラヅ』

暫く進むと街の雰囲気が変わり目の前にエリア移動をした表示が浮かび上がる、それが改めてジェニシスの中なのだと実感させられる。

この街も先程の街と変わらず叫ぶ者、嘆く者、ボケーっと空を見上げる者、まぁしょうがない事だよな、俺もDIXIEから通話が無ければ同じ事になっていただろうからな。などと考えつつ海の近くに見える旅館の様な建物を目指した。


『ギルドハウス:PASHAチバ支部』

海が見える切り立った崖に旧日本家屋のような平屋、部屋数は70を越える、まるで京都の二条城のような作りのこの建物が俺の所属する『PASHA』のギルドハウスである。

『ギルドハウス』というものも様々で大体100名以下のギルドなら町の中央に位置する『ギルド会館』というギルド入脱退の、手続きをする受付や、個人やギルドの銀行、倉庫機能のある建物内部の『個別ギルドスペース』で事が足りてしまう。100名以上500名以下のギルドは街にある空きビルなどを購入してそこに銀行、倉庫個別の部屋などを設けて拠点とする『ギルドホール』という規模に変わる。500名以上1000名以下のギルドは更に大きなビルや建物をを購入し、銀行、個別倉庫、共有倉庫、付近スペースに自分たちらが生産したアイテムや装備を販売するショップなどを設置して活動を出来る『ギルドキャッスル』に変わる。そしてそれ以上の規模の所謂最大手のギルドは拠点の街ごと購入をして街自体を自分達の拠点とすることが出来る、ショップの手数料や、NPCの露店の売り上げなどの何%かは街を統治しているギルドの収入になり、街内部の建物の購入などの許可、購入時の代金なども全て統治ギルドの収益となる『ギルドタウン』になる。もちろんデメリットとしてはギルドハウス以降は維持費が必要となりギルドタウンまで行くと莫大な維持費がかかるという点なんだがそれでも余りある資金源をもつのが最大手と言ったところだろう。日本サーバーの最大手、いわゆるギルドタウンを持つギルドと言えば『トウキョウサーバー:集いの街:チヨダ』の『インパクトラッシュ』、『オオサカサーバー:賑わいの街:ミナミ』の『☆BLADE☆』、『ホッカイドウサーバー:安らぎの街:サッポロ』の『死神騎士団』と言ったギルドとなっており、この3ギルドは耐えず大規模戦闘所謂戦争をしている。


ギルドハウスいや、規模的にはギルドキャッスルの正面玄関にある。インターフォン...通信機械にのボタンを押す。


「ば〜やん、早かったね♪入っていいよ♪」

直ぐにDIXIEが答え扉が自動的に開かれ、俺は足を進めた。





1話から2話はほぼ世界観の説明回みたいなもんですw

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