25話 黒猫捕獲作戦
投稿、遅くなってしまって申し訳ありません。
駄作ですが、少しでも楽しめたら幸いです。
さて……捕獲するのは良いが、どの召喚獣を使うべきだろうか。
しずくは、水中では早いが地上での速度は人並みより少し早いだけだ。
るんは、そもそも戦えない。論外だな。となると残された召喚獣は……
「しずく、戻れ」
「はい、畏まりました」
しずくは、扉を出して帰っていった。
「『火よ。我が命に従い我が元へ来い』」
赤い魔法陣が地面に現れ光り、アリスが現れる。
「ミイナさん、何の用ですの?」
アリスは、くるくるした金髪を、右手で、さっと後ろにかきあげて聞いてきた。
「黒猫という賞金首を捕まえるぞ。生け捕りだ。いいな?」
「賞金首を捕まえるんですの。それはそれは、面白そうですわ! わたくしにお任せ下さいまし! オーッホッホッホ!」
右手を口元まで近づけて、大きく高笑いするアリス。
「で、ミイナさん? どんな特徴の奴なんですの?」
「黒いニットの猫耳帽子を被っていて、上はワンピースのような黒白ボーダーのキャミソール、胸元に黒いリボン、黒い短パンの女だ」
「わかりましたわ。では、先に行ってますわね」
アリスは、そう言うと窓から外へ出て行った。屋根から屋根へと飛び移り走って行く。
「じゃぁ、俺らもいくか」
「了解した」
「ああ」
グラッド、冬真、ミイナは、ギルドの玄関口まで向かい、ギルドを後にした。
ギルドから出た瞬間、少し離れた場所から炎の柱が立った。きっと、アリスのだろう。
……ん? まてよ……? 僕は、最大の選択ミスをしたんじゃないか?
マリアの建造物は、ほとんどが木造住宅だ。アリスは、火属性の召喚獣。それはつまり……!
嫌な予感しかしない。急いで、柱が出た場所へ向かう。そこで見たものは……。
「燃えてない?」
屋根の上で逃げ回る黒猫。追いかけながら『火炎』らしきものを使うアリス。
炎は、住宅に当たるが、火事になることはなく、鎮火した。
「ちょこまかとっ!!」
なかなか捕まらないことに、どうやらアリスは、イライラしている。
「アリス! 陽炎!」
「! わかりましたわっ。『陽炎』」
アリスがそう言うと、その辺の景色がゆらゆらと揺れ始めた。
「にゃんと?!」
黒猫が動揺するのも無理はない。10人になったアリスが黒猫の逃げ場を完全に封じたのだ。
「うりゃぁーー!」
黒猫は、抗って片手刀を振りまわす。アリスを切ったが、それは幻で、煙を切ったかのようにゆらり、ゆらりと動くだけだった。
抵抗を続けるほど、景色は歪み、視界がおかしくなる。もはや、地面すらわからなくなっていく。
「な……なにこれ……ぐらぐらする……」
黒猫は平衡感覚を失い、ふらふらしている。立つこともままならず、その場に座りこみ……倒れた。
屋根から、ゴロゴロと転がっていく黒猫。このままだと落ちて死んでしまう。
アリスは陽炎の効果を切ったようだ。いつもの景色に戻り、慌てて黒猫を助けようと追いかける。
が、間に合わず、黒猫はそのまま地面へ──。
ガシッ。と、誰かが黒猫を受け止めた。……冬真だ。
「うにゃ……? トーマ……」
「まったく……心配かけさせやがって……怪我は無いか?」
「にゃはは……らいじょーぶ、らいじょぶ……」
「発音悪いぞ。少し休め。説教は後だ」
冬真は、黒猫を、お姫様抱っこしたまま、後ろを振り向く。
「捕獲感謝する。すまないが、こいつを医務室に連れて行く。いいか?」
「ああ、構わない。お仕置きは後でも良いからな」
「感謝する。逃亡をはかれないように抜かり無くやっておく。明日、こいつを連れてギルドへ向かう。今日はこれで失礼する」
冬真は、軽く頭を下げ、屋根に飛び移り、どこかへ去っていった。
「……あっさり終わったな」
「そうですわね」
「そうだな。……俺は何もしていないが」
「これから、どうするんだ? まだ昼にもなってないぞ」
「何か軽いクエストでもしにいくか?」
「行きますわ」
「ああ」
ミイナ一行は、ひとまずギルドにもどり、クエストを受けに行く事にした。




