22話 青い鳥と御子
コンコン。と、何度もノック音が聞こえた。
「ミイナ? そろそろ起きてくれ。神殿に行くぞ」
ドアごしで聞こえる、グラッドの困った声。
コンコン。またノック音が聞こえてきた。
「ミイナ、起きてくれよ……」
「ん……? もう、そんな時間か……。
わかった。起きるから、少し待っててくれ」
ゆっくりと、起き上がる。体がダルイ。
途中で起こされたからだろう。
鏡の前で身だしなみを確認し、ドアを開ける。
目の前には、グラッドがいた。
「ようやく起きたな。準備は大丈夫か? 行くぞ」
「ああ」
階段を降りて1階に着くと、受付時間は終了したらしく受付嬢の姿は無い。
その代わり、冒険者たちが座敷や机で、酒を飲み、色んな料理を食べて
どんちゃん騒ぎになっている。
中には、腹踊りしてる奴もいた。この世界にもあるんだな。酒を飲めば皆同じか。
僕たちは、ギルドの外へ出る。
花の甘い香りに、ホタルらしき虫が青い微かな光を出しながら飛び交い
夜桜を淡く照らして幻想的な風景が、そこにはあった。
「……マリアは、綺麗な街だな」
「そうだな、俺は、この景色が好きだ」
大きな桜の木まで着いた。大きな桜の木を見上げると、直ぐ隣に満月が輝いていた。
散る桜の花びらと、青い淡い光がいっぱいに広がって、川のせせらぎが聞こえてくる。
こんな綺麗な景色は、初めて見た。
きっと、日本や海外では決して見られない異世界ならではの景色なのだろう。
「この少し進んだ所に、神殿がある」
グラッドはそう言って、大きな桜の木の近くにある道を歩く。
桜の花びらは、なぜか、通り道には1つもない。魔法でもかけられているのだろうか。
歩いて直ぐに、木材の建物が見えた。神殿、というより神社だと思う建物なんだが……
鳥居がないから神殿なのか? いや、異世界だから、日本の常識とは違うのか……。
入り口の隣に、木で彫ってある像らしきものがあった。
小さな鳥が少女の真上に飛んでいて、両手をあげて少女が戯れているような像。
……なんだこれ。神殿と関係があるのか、さっぱりわからない。
疑問は、後で、グラッドに聞いて解決してもらおう。
ここで悪態を言って聞いたら、忍者に殺されるような気がする。
中に入る前に、グラッドが一礼をした。僕も同じようにする。
……中に入ると、思ったより狭かった。小さなこじんまりとした神社。
畳8畳分くらいだろう。
目の前には、神棚があって、
両方には高そうな青を貴重にした装飾の花瓶に桜の花がついた枝が飾ってある。
神として祭られているのは、さっきの鳥……青い鳥の像が祭られていた。
「……鳥と、マリアが何か関係あるのか?」
「約100年前のマリアの危機に、マリアと御子を守ったとされる風の聖なる鳥らしいぞ」
そう言って、グラッドは、二礼、二拍手、一礼をした。
……日本の神社の作法と変わりないのか。そう思いつつ同じ事をする。
それを終え、出入り口の方へ、向きを変え帰ろうと思っていた時。
「やっと、来てくださいましたね。偉大なる召喚士様」
背後から声をかけられた。召喚士、と呼ばれたことに驚きつつも振り返る。
金色と、ピンク、水色を貴重とした煌びやかな装飾の着物を着ている
紫色の長い髪の毛をゆるいウェーブにした少女。
「誰だ、お前は」
「お初にお目にかかります」
少女は、微笑んで丁寧に深々とお辞儀をした。
「貴方様がいらっしゃるのを、我ら、御子は後世に託し……ずっと待っておりました。
我らが神に会わせて頂けませんか? どうか、お願い致します」
少女は、そう言って涙ぐみながら懇願してくる。
……神? ……青い鳥のことか? ……会わせる?
「いや、無理だろ。僕は確かに召喚士だが、神を召喚は出来ない」
「あぁ、申し訳ありません。言い方を間違えました。風の召喚獣を呼び出して頂けませんか?」
「風とは会ったことがないし、契約もしていない。呼ぶことなど不可能だ」
「そ、そんな……! そんなことって……! 契約できないのですか……?!」
「どうだろうな、というか、お前は誰だと聞いているんだ。
召喚しろと何度も言わず、ちゃんと説明しろ」
グラッドは、真っ青な顔をして、僕に声をかけてきた。
「お、おい。そんな失礼な言葉いったら、俺でも庇いきれないぞ……」
「どういうことだ?」
「いいえ、失礼なことをしていたのは、わたくしですよ。
申し訳ありません、召喚士様。説明致しますので……聞いて頂けますか?」
少女は、首をかしげて「お願いします」と頭を下げてくる。
「……わかった。話してみろ」
「ありがとうございます」
少女はお礼を言い、説明を始めた。神……風の召喚獣のことを。
綺麗な景色の表現が難しいですね……。
うまく伝わっていれば良いんですけど……。
悪態をつかないようにしておこう。と思ってたミイナちゃんでしたが
初対面の人との会話は悪態をつくミイナちゃんであった。
御子 = マリアの一番偉い人でございます。グラッドさん顔、真っ青!
そして恒例のぐだぐだ感☆ナギクオリティー。




