15話 アイスココアと赤い少女
僕とるんは、扉を出るとギルドに戻ってきた。
グラッドが丸机にいない。
辺りを見渡すと長いすに座っていた。心なしか寂しそうに。
「おかえり。契約、できたのか?」
「ああ」
「うん!」
「どんな奴だったんだ?」
「水竜だよー」
「水竜か……。またアレか? るんのユニコーンみたいに……」
「いや。立派だった。綺麗だったが、怖い」
「ほう? ミイナの口から『怖い』だなんて言葉が聞けるとは思わなかった」
「…うるさい。もう、寝る。疲れた」
今日は歩きすぎた。全身が疲労で痛い。
「夕飯は食べないのか?」
「疲労で食欲がないんだ。もう部屋へ行く」
「あー、だったら、良いもん作ってやる」
「良いもの?」
グラッドは、キッチンへ歩いていった。
数分するとマグカップを持ってやってきた。
「せめて、これを飲んでから寝なさい」
渡されたのを見ると、アイスココアだった。
疲れてて飲みたくも無いがせっかく作ってもらったのに、飲まないわけにもいかない。
一口飲んでみる。甘さが絶妙で、なぜか懐かしい気がする。
心が温かくなる感じがした。アイスココアだから冷たいが。
「うまいか?」
僕は無言で頷く。グラッドは、にやにやしている。
ぐいーっと一気飲みして、グラッドにマグカップを返した。
「にやにやするな。気持ち悪いぞ」
「そんな顔、してるか?」
「ああ、している。もう寝る。疲労が限界だ」
「……あ、もしかして……るんが、ずっと召喚されているからじゃないかな?」
それか!そのせいか!
「君のせいかっ!」
「あうっ! ご、ごめんなさい~!」
「戻れっ!」
「はいーっ!」
るんは、慌てて扉を作って帰っていった。扉は消えた。
気づかなかった僕も僕で悪いが、もっと早く言って欲しかった。
るんがいなくなった途端、楽になった。でも疲れた……。早く寝たい。
「……寝る」
「ああ、おやすみ」
「おやすみなさい」
部屋に入って、すぐベッドに横になった。
もう……だめだ……。直ぐに眠りに落ちた。
ふと目を開けると真っ白な世界に僕は居た。
ベッドに寝たままだ。夢の中だろうか?
というか、また真っ白な世界かよ。またパワーアップでもするのか?
目の前に、少女が現れた。
自信に満ち溢れた赤い目。
肩くらいの長さの金髪で、何ていうパーマなのかは知らないが
髪の毛がカールしている。
服は、赤いドレス。ウエストが分かるすらっとしたもので、
下は股関節あたりからミニスカートになっておりフリルが2段階になっていて、
股関節あたりに小さな黒いリボンが付いている。
ミニドレス、というものだったはずだ。
「オーホッホッホ! お初にお目にかかりますわね! 平凡な小娘!」
テンション高いなー。僕は、もう疲れててテンションなんか上がりませんよ?
疲れすぎて、キャラ崩れてるの、わかるだろ?
「……寝かせてくれないか? 穏やかな時間が欲しいんだ……。」
「なっ、なんですの!? わたくしが折角、夢の中にわざわざ来てあげたのにその言い草!
酷くありませんこと!?」
無視して目をつぶって寝ようとする。
「寝ないでっ! ねぇっ! 寝ないでくださいっ!」
慌てて少女は、そう頼み込んで起こしてくる。
「……何の用だよ……」
「オーホッホッホ! わたくしこそ、偉大な召喚獣のアリスですわ!」
アリスは高笑いして腕を組んで偉そうに名乗った。
「ほう……そうか。よかったな。…………」
「寝ないで! お願いっ! こんな場所で1人にしないでっ!」
また起こされた。かったるいなぁ。
「……短めに説明してくれ……眠い……」
「仕方ありませんわねぇ……。
わたくしと契約したければ、戦って勝ってごらんなさいな!
まぁ、わたくしのような最強召喚獣に勝てる実力は、貴方にはありませんことよ!
オーッホッホッホ!」
「そうか。なら、戦わないからいい」
「戦ってくださいまし! そんな面倒な顔しないでくださいな!」
「zzz」
「寝ないでくださいなっ!」
「……あー、もう……わかった。わかったから。戦えばいいんだろ。
戦って欲しいなら、そういえば良いものを……。とにかく、穏やかな睡眠をさせてくれ」
「仕方ありませんわね! 戦ってあげますわ! さっさと明日に備えて寝なさいな!」
寝るなって言ったり、寝ろって言ったり忙しい奴だな。
突っ込んだら話が続きそうだ……もうどうでもいいや……。
おや……すみ……なさ……。
とりあえず、光と水と、あともう1つ召喚獣が
必要かなーと思いまして。
夢の中で、もう1人登場させました。展開早すぎるかなぁ?
ちなみに、アリスの髪型は、とらぶるの沙姫のお団子が無い
バージョンだと思ってくださいな。
ミイナちゃんは、とらぶるなんか見ない!ってことで
小説には入れませんでした。
いやはや……イメージしている髪型とドレス探すのに
何時間もかかりましたよ……。どうでもいい話でした。




