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今日は朝から憂鬱だ。

だって、一時間目から体育なんて、残りの五時間はどうやって過ごせと言うのだろう……

…というわけで、今私はグラウンドの隅で膝を抱えている。

別に取り立てて体育が苦手な訳でもない、ただ一時間目というのはいかがなものか、というのが私の見解。

だから私はこうして二クラス合同体育の数少ない見学者として、授業に参加している。

今日の種目は走り高跳びのようだ。男子は張り切って女子では跳べないような高さに設定している。

と言うか女子はこう、体の都合と言うか、そういった物の関係でこういう種目は恥ずかしくてあまりやりたくない。

こうやって一人で物思いにふけっていると、一人の男子が助走準備に入った。

「頑張れー雁宮ー」

応援しているのかしていないのか、気合いの入っていない歓声を背に受けながら、彼は走り、跳んだ。

「……!」

その瞬間。確かに彼から感じた。

「あの男、やはりそうだったか」

その声は遠雷のように重く、暗い声だった。

地の底から這い出て来るような威圧感のある声は、私の中から響いている。

「学校では喋らないで」

「確かにそう約束はしたが、お前はわかっているのか?あの男に近寄り過ぎて情が移ったなどと言うのではあるまいな?」

「……」

「情が移るのは仕方がないが…もしもという事がある。緊急時の心構えを忘れるな」

「…わかってる」

そう言うとその答えに満足したのか、もう声は話しかけて来なかった。


チャイムが鳴る。

せっかくの彼の姿を見れるチャンスだったのに、一体どうしてくれるんだろう…

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